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  1. 福井県議会 2001-03-06
    平成13年第323回定例会(第3号 一般質問) 本文 2001-03-06


    取得元: 福井県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-12
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 平成13年第323回定例会(第3号 一般質問) 本文 2001-03-06 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ 別窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式の切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 102 発言 / ヒット 0 発言 表示発言の切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯議長(美濃美雄君) 2 ◯議長(美濃美雄君) 3 ◯議長(美濃美雄君) 4 ◯17番(屋敷 勇君) 5 ◯議長(美濃美雄君) 6 ◯知事(栗田幸雄君) 7 ◯議長(美濃美雄君) 8 ◯総務部長(牧野百男君) 9 ◯議長(美濃美雄君) 10 ◯県民生活部長(市橋一義君) 11 ◯議長(美濃美雄君) 12 ◯土木部長(古川巖水君) 13 ◯議長(美濃美雄君) 14 ◯12番(中川平一君) 15 ◯議長(美濃美雄君) 16 ◯知事(栗田幸雄君) 17 ◯議長(美濃美雄君) 18 ◯総務部長(牧野百男君) 19 ◯議長(美濃美雄君) 20 ◯農林水産部長(佐本和男君) 21 ◯議長(美濃美雄君) 22 ◯土木部長(古川巖水君) 23 ◯議長(美濃美雄君) 24 ◯3番(堂前 広君) 25 ◯議長(美濃美雄君) 26 ◯知事(栗田幸雄君) 27 ◯議長(美濃美雄君) 28 ◯県民生活部長(市橋一義君) 29 ◯議長(美濃美雄君) 30 ◯福祉環境部長(山元和也君) 31 ◯議長(美濃美雄君) 32 ◯教育長(西藤正治君) 33 ◯議長(美濃美雄君) 34 ◯副議長(石川与三吉君) 35 ◯5番(奥山裕二君) 36 ◯副議長(石川与三吉君) 37 ◯知事(栗田幸雄君) 38 ◯副議長(石川与三吉君) 39 ◯福祉環境部長(山元和也君) 40 ◯副議長(石川与三吉君) 41 ◯5番(奥山裕二君) 42 ◯副議長(石川与三吉君) 43 ◯5番(奥山裕二君) 44 ◯副議長(石川与三吉君) 45 ◯知事(栗田幸雄君) 46 ◯副議長(石川与三吉君) 47 ◯13番(山岸猛夫君) 48 ◯副議長(石川与三吉君) 49 ◯知事(栗田幸雄君) 50 ◯副議長(石川与三吉君) 51 ◯総務部長(牧野百男君) 52 ◯副議長(石川与三吉君) 53 ◯商工労働部長(谷口伊兵衛君) 54 ◯副議長(石川与三吉君) 55 ◯農林水産部長(佐本和男君) 56 ◯副議長(石川与三吉君) 57 ◯議長(美濃美雄君) 58 ◯11番(斉藤新緑君) 59 ◯議長(美濃美雄君) 60 ◯知事(栗田幸雄君) 61 ◯議長(美濃美雄君) 62 ◯総務部長(牧野百男君) 63 ◯議長(美濃美雄君) 64 ◯商工労働部長(谷口伊兵衛君) 65 ◯議長(美濃美雄君) 66 ◯教育長(西藤正治君) 67 ◯議長(美濃美雄君) 68 ◯2番(山本正雄君) 69 ◯議長(美濃美雄君) 70 ◯知事(栗田幸雄君) 71 ◯議長(美濃美雄君) 72 ◯総務部長(牧野百男君) 73 ◯議長(美濃美雄君) 74 ◯県民生活部長(市橋一義君) 75 ◯議長(美濃美雄君) 76 ◯福祉環境部長(山元和也君) 77 ◯議長(美濃美雄君) 78 ◯土木部長(古川巖水君) 79 ◯議長(美濃美雄君) 80 ◯教育長(西藤正治君) 81 ◯議長(美濃美雄君) 82 ◯2番(山本正雄君) 83 ◯議長(美濃美雄君) 84 ◯12番(田中敏幸君) 85 ◯議長(美濃美雄君) 86 ◯知事(栗田幸雄君) 87 ◯議長(美濃美雄君) 88 ◯総務部長(牧野百男君) 89 ◯議長(美濃美雄君) 90 ◯県民生活部長(市橋一義君) 91 ◯議長(美濃美雄君) 92 ◯福祉環境部長(山元和也君) 93 ◯議長(美濃美雄君) 94 ◯農林水産部長(佐本和男君) 95 ◯議長(美濃美雄君) 96 ◯土木部長(古川巖水君) 97 ◯議長(美濃美雄君) 98 ◯12番(田中敏幸君) 99 ◯議長(美濃美雄君) 100 ◯12番(田中敏幸君) 101 ◯議長(美濃美雄君) 102 ◯議長(美濃美雄君) ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(美濃美雄君) これより、本日の会議を開きます。              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2 ◯議長(美濃美雄君) 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりと定め、直ちに議事に入ります。              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━            第1 第1号議案から第53号議案まで(53件) 3 ◯議長(美濃美雄君) 日程第1を議題といたします。  これより、2日の本会議に引き続き、各議案に対する質疑及び県政全般にわたる質問に入ります。  よって、発言は、お手元に配付の発言順序のとおりに願います。  屋敷君。       〔屋敷 勇君登壇〕 4 ◯17番(屋敷 勇君) 県会自民党の屋敷勇でございます。政局が混迷しています。株安、景気低迷から離陸できず、地方もそのとばっちりを受けさっぱり意気が上がりません。こうした中での今県会は、21世紀の福井県の方向を審議する極めて重要な県会であると思います。私は、平成13年度当初予算案と財政、第二次中期事業実施計画、原子力長計と「もんじゅ」の運転再開、今冬の除雪体制の4点について質問と提言をさせていただくものであります。知事を初め理事者の皆さんが、新世紀をリードしていく気概に燃えて明快に答弁されることを強く期待して、質問に入ります。  まず1点目は、新年度予算案と財政問題についてお聞きをいたします。  一般会計は5,377億円で、今年度当初予算案に比べてマイナス0.2%と厳しい財政状況にもかかわらずほぼ横ばいの編成になっています。知事は、提案理由説明の中で、健全財政の維持に努め、昨年に引き続き、切れ目のない経済対策を講じた部局横断型の特別枠予算を新たに導入して、IT革命への対応、心の教育の充実、少子高齢化対策の充実など、主要政策課題に重点的に取り組んだと表明しています。予算案の中身を見ますと、新規事業が大幅にふえているのがうかがえます。本年度当初の108件に対し、新年度は171件になっています。大型の箱物を凍結してソフト事業が目立っていますが、政策評価は今後の課題になります。特に、部局横断型の特別枠としてITなど5項目、80事業、うち新規は76事業に21億円を充てていますが、知事としては、厳しい予算の中での新しい発想の目玉政策としています。  一方、予算の裏づけとなる歳入面を見ますと、県税はふえましたが、地方交付税は制度が見直されて臨時財政対策、いわゆる赤字地方債を発行して帳尻を合わせています。全体として、財政状況が厳しい中で知恵を絞って予算を編成した苦労がうかがえます。しかし、21世紀の福井県の方向が、県民に明確にうかがえない総花的な面もぬぐい切れませんが、今後の論議を通じて明らかにしていかなければならないと思うものであります。  そこでお聞きいたしますが、まず第1点は、知事は、今回の当初予算は、厳しい財政状況の中で満足できる施策を盛り込めたと考えていますか、足らないとするならばどの施策なのか、御所見を改めてお聞きをいたします。  第2は、部局横断型の特別枠としてソフト事業を中心に計上していますが、この特別枠は、スクラップ・アンド・ビルドはあると思いますが、事業成果を見きわめるためにも何年くらい実施する考えなのか、少なくとも、知事の今任期が終了する2年後の段階では評価をして継続か否かへの結論を出すべきと考えます。  第3は、ITといえば草木もなびくほど事業が多く、関連事業は87事業、総額どれくらいの事業費が投じられるのか。ハード事業とソフト事業が機能的にリンクするようにしなければなりません。特に、IT講習事業は本格化しますが、講師は充足されるのかどうかお尋ねをいたします。  第4は、景気の不透明感が広がる中で、景気対策と財政再建の両面をにらんだ厳しい予算編成になっていますが、県債残高は新年度もふえています。平成13年度末の県債残高はどれくらい見込まれるのか、平成13年度以降もふえ続けていくのか、13年度をピークに下降線をたどるのかお伺いをいたします。  第5は、交付税制度の見直しで13年度から導入される臨時財政対策、つまり地方の財源不足を補うために自治体が発行した赤字地方債を国が引き受ける制度で、本県は100億円を予算計上しています。国が元利償還を保証するとはいえ、借金残高がふえることになります。14年度は200億円、それ以降も発行額がふやされる見通しのようでありますが、借金残高が膨らむことになり、各種の財政指標も悪くなります。そこで、中長期財政計画を見直すべきと思うが、御所見をお伺いをいたします。  第6は、借金体質の改善を進めるのには、歳出のスリム化が欠かせません。公共事業費は、本年度当初より2.2%減らしましたが、県単独事業は3.2%ふやしています。投資的経費は、トータルで0.1%アップ、義務的経費は1%アップで、行政経費の圧縮により健全財政を模索していますが、前途は依然厳しい状況のようであります。知事の御所見をお伺いをいたします。
     第7は、厳しい財政の中、原発関連収入が大きなウェートを占めています。新年度予算案の県税が7.9%ふえたのは、法人2税と核燃料税を合わせたところの原発関連3社からの税収が、本年度より11億円多い154億円に上ったこと。核燃料税は11月から現行税率を7%から10%に引き上げる方針のようでありますが、十数億円の増収をもくろんでいます。このほか、電源三法交付金で111億円が国庫支出金として組み込まれています。その上、JR小浜線の電化に伴い、10億8,000万円が原発3社から寄附金として歳入に組み込まれています。本県にとっては、原発が自治体財政を潤わしているわけでありますが、将来の問題として、知事はどのように考えているのかお伺いをいたします。  第2点目は、第二次中期事業実施計画についてお聞きをいたします。  2010年度を目標年次にした「ふくい21世紀ビジョン」の実現に向けて、98年度の第一次計画を改定したもので、2005年度までの5年間に511項目の事業を挙げています。事業が終了したものなど41項目を廃止し、新たに60項目を加えています。5年間の一般会計規模で約2兆7,000億円、第一次計画は約2兆8,000億円、このうち、道路や建物などのハード面の普通建設事業費の可能額は、8,000億円から8,007億円、うち第一次計画では、同9,000億から1兆の予想をしており、ソフト事業を重視しています。  そこでお聞きいたしますが、第1は、事業計画が明らかにされていますが、個々の事業費計画が伴っていません。普通建設事業費の総額は、個々の事業費を積み上げた金額なのか、それとも年度ごとの事業費の総額なのかお聞きをいたします。  第2は、IT革命の中で重点戦略が展開され、事業の見直しが急がれるケースが出てきますが、臨機応変に対応する必要があります。計画はどのようなペースで見直すのか、お尋ねをいたします。  第3は、国の計画、市町村の計画などとの調整をどのように行っているのか、お聞きをいたします。  第4は、中期事業実施計画と中長期財政計画は、整合性はとれているのかどうか、お聞きをいたします。  第3点目は、「もんじゅ」の運転再開問題についてお尋ねをいたします。  「もんじゅ」のナトリウム漏えい対策などに係る改造工事の事前了解願いについては、昨年12月、核燃料サイクル開発機構から知事に提出されました。知事は、改造工事の着手や運転再開の判断とは明確に切り離した上で受理したとしています。また、提案理由の中で、事前了解願いの取り扱いについて、国や核燃機構の取り組みを十分見きわめながら、県議会での「もんじゅ」の安全性や今後の進め方についての論議、敦賀市の意見などを踏まえて、核燃機構が国に対して行う原子炉設置変更許可申請を了承するかの判断を、県民の立場に立って行うと述べています。原子力研究開発利用長期計画いわゆる長計では、「もんじゅ」を高速増殖炉研究開発の場の中核と位置づけながら、高速増殖炉の実用化時期は明記されていません。従来の長計より後退をしています。研究開発に弾力性を持たせるために、実用化の時期の明言を避けると文部科学省側は述べておりますが、また、実用化戦略調査研究を、核燃機構、電力会社、電力中央研究所が一体となって進める、電力事業者に引き継がれていくのを念頭に置いて実用化の布石を打ってあると言っています。国、核燃機構は、「もんじゅ」再開に向けて外堀を埋め、地元敦賀市、福井県に判断を迫っています。  そこで、お聞きをいたします。  第1は、「もんじゅ」の安全性について、知事は、これまでの核燃機構、文部科学省の説明を聞いて、率直な感想はいかがですかお伺いをいたします。  第2は、安全性について、技術的には大丈夫と国がお墨つきを出しても、県民の安心感は簡単に得られるものではありません。説明が県民に向けて精力的に行われましたが、知事はどのように評価しますか、お尋ねをいたします。  第3は、「もんじゅ」再開をめぐって、地元敦賀市会、県議会で議論されつつありますが、知事の安全審査入りの最終判断は、この推移を見ながらいつの段階でするのか、タイムリミットはあるのかどうかお尋ねをいたします。  第4は、知事は、我が会派の坂川議員さんの先日の代表質問に対する答弁で、安全性を確認する県独自の場を設け、県民に見える形で確認方法を検討していくことを明らかにしています。技術顧問会議とは別に、「もんじゅ」の安全性を確認する機関を新たにつくるのかどうかお尋ねをいたします。  第5は、県議会、敦賀市の結論、県の安全性を確認する場で結論が出れば、知事は再開するかどうかの判断を最終的に下すのか、さらに別の検討要素を考えているのかどうかお聞きをいたします。  第6は、経済産業省、文部科学省は、「もんじゅ」再開の立場をとっており、いずれ知事もタイミングを見て最終的には「ゴー」のサインを出すのではないかと見られています。一連の地元の手続は、「もんじゅ」再開のための追認にすぎないという厳しい見方もありますがいかがですか、お聞きをいたします。  第7は、「もんじゅ」も含めて15基の原発を抱える福井県にとって、地域振興が課題になっています。原発特措法が成立し、原発に隣々接するところの自治体にも地域振興の恩恵が受けられることになりました。「もんじゅ」を含む一連の原発推進に大きく影響するのではないか、知事は、「もんじゅ」の安全性確認と地域振興は切り離すと言っていますが、現実は、地元は、地域振興と結びつけなければならないジレンマを抱えています。どう考えていますかお伺いをいたします。  第8は、核燃料税の引き上げ、電源立地特別交付金制度の拡充として電気料金割引の全県下適用、交付限度額の頭打ち制度の撤廃や電源三法交付金制度の使途の弾力化など、多くの地域振興について国に対して強く要請、実現することを地元は望んでいます。知事の本音は、これら地域振興に国の対応を見きわめたい気持ちはあると考えます。お尋ねをいたします。「もんじゅ」は、問題解決までに何らかの方向を打ち出せるのかお聞きをいたします。  第4点目は、今冬の除雪対策についてお伺いをいたします。  1月中旬に本県を襲ったところの大雪で、交通機関、物流がストップし、県民生活に大きな影響が出ました。北陸自動車道、国道8号、JR北陸線が麻痺状態に陥り、生鮮食料品の流通に支障が生ずるなどの事態を招いてしまいました。昭和38年の豪雪、56豪雪、59の大雪に対して、貴重な経験をしながらそれらを生かせず、情けない状況でありました。暖冬慣れから行政の除雪体制に問題がなかったのか、縦割り行政で除雪が後手後手に回ってしまったことや国、道路公団、市町村の除雪連携の不備、情報提供の甘さなど、行政側の不手際が見られました。十数年来大雪経験がなかったためタイヤドーザーなどの大型除雪車が減り、小型化したり、運転者が十分確保できなかったり、運転技術の不慣れなど、除雪機械、能力ともに低下したことも少なからず影響しているようであります。さらに、高齢化や核家族化が進み、地域全体で助け合うコミュニティーも衰退してきていることが、町内除雪の空洞化を招いています。雪に強い道路、街づくりも38豪雪、56豪雪、そして59大雪を教訓に一時は進められましたが、十数年来の暖冬で手抜きされてきたのではないかと危惧するものであります。  そこでお聞きしますが、私は、雪は日に日に解けるもので、財政難の中で節約して後手になったのならば大変な間違いで、まことに遺憾であると思考するものであります。我が福井県は、積雪寒冷地の指定を受けています。普通交付税の算入額は、平成8年から平成12年の5年間平均で、1年に31億円の交付金が来ています。59年の大雪以降で463億7,000万、うち経常経費分、いわゆる道路除雪費が14億6,000万円、59大雪以降では218億9,000万円で、建物等の構造物の2メーター以上の積雪に耐える構造物の交付金が249億円であります。この交付金の予算が、昨年、一昨年、その前、この15年にわたってほかのところに利用されているわけでございます。したがって、私は、この除雪は、何よりも、何の施策にも先駆けて最重要政策課題として対応することが必要であると存ずるものでありますが、まず、知事の認識と御所見をお伺いをいたします。  第2は、滋賀県から本県に至るところの北陸自動車道や国道8号線、JR北陸線が今回ほど雪に弱いとは考えられませんでしたが、どのように考えているのですか。特に北陸自動車道のカーブ、高低差など構造的に問題はなかったのかどうかお聞きをいたします。  第3は、除雪体制の変更として、従来の降雪10センチでの除雪から5センチへと見直しをしたのは、今回、私は大きく評価するものであります。このことも含め、今冬の除雪対策全般についてどのように総括しているのかお尋ねをいたします。  第4は、除雪予算は、普通交付税に毎年約31億円前後、うち経常経費分14億6,000万円前後が年間算入されているわけでございますが、十数年間の暖冬続きで予算が除雪に使われていません。暖冬のときに機械を整備して雪に備えるべきであります。また、雪は日に日に解けるものですから、今回の大雪でも、財政難の中で予算を思い切って使うのをためらう気持ちが働いたのではないか、この点についてお聞きをいたします。  第5は、冬が終わると雪対策も忘れがちであります。来年に備えてしっかりした雪対策の確立を急ぐ必要があります。道路、鉄道、交通網の除雪体制、除雪機械の整備、雪に強い道路、街づくりの助成、住民の意識、マナーの向上などについて総点検をして施策を明らかにすべきであります。土木、県民生活部長の所見を伺います。  以上、知事、理事者各位の誠意ある明快な答弁をお願いしまして、私の質問を終わります。 5 ◯議長(美濃美雄君) 知事栗田君。       〔知事栗田幸雄君登壇〕 6 ◯知事(栗田幸雄君) まず、新年度予算案と財政問題についてお尋ねをいただきました。今回の平成13年度の当初予算案について、厳しい財政状況の中で満足できる施策を盛り込むことができたと考えているのか、足りないとすればどのような施策かというお尋ねでございます。  平成13年度当初予算案につきましては、厳しい財政状況ではございますが、限られた財源の重点的かつ効果的配分に徹することによりまして、健全財政の維持に努める一方、多様化する県民ニーズや時代の変化に的確に対応した、新世紀のスタートにふさわしい夢と希望に満ちた予算を編成するということを基本方針として作業を行ったところでございます。この方針のもと、部局横断型の特別枠を新たに設けるなどいたしまして、IT革命への対応、少子高齢化施策の充実など、21世紀初頭の福井新時代の基礎づくりに向けた対応、県内景気の持続的かつ本格的な回復に向けた対応につきまして、重点的な予算を確保することができたと考えております。  部局横断型の特別枠は、何年ぐらい実施する考えかというお尋ねでございます。  今回新たに導入いたしました部局横断型の特別枠でございますが、各年度20億程度の枠で、平成13年度、14年度の2ヵ年間を予定いたしております。平成12年度から平成14年度までを中期の計画期間といたします中長期財政計画の取り組みの成果、あるいは特別枠の2ヵ年の実績等を踏まえまして、平成15年度以降について継続するかどうか、また、継続するとした場合の枠の規模等をどうするか判断してまいりたいと考えております。  歳出のスリム化について、借金体質の改善を進めるには、歳出のスリム化が欠かせないが、どのように取り組むのかというお尋ねでございます。  平成13年度当初予算の編成に当たりましては、厳しい財政状況を踏まえまして、中長期財政計画の基本的な考え方のもとに、限られた財源の重点的かつ効率的な配分に努めました。そうした中で、景気動向に配慮し、財政の下支えによりまして、本県経済が持続的かつ本格的に回復するよう、公共事業及び県単独事業等の投資的経費につきましては、積極的な対応を図ったわけでございます。その財源といたしまして、事務事業の見直しによりまして、一般財源33億を捻出するといったような方策もとったわけでございます。今後とも政策評価システムの活用等によりまして、施策の緊急度、優先度を見きわめ、スクラップ・アンド・ビルドの徹底を図りますとともに、21世紀の本県にとって何が真に必要であるか、また、何が重要であるかという観点から施策の精選に努めてまいりたいと考えております。  原発関係の収入につきまして、将来の問題としてどのように考えているのかというお尋ねでございます。  原子力発電所の立地に伴います原子力発電所関係税収や電源三法交付金は、電源地域を初めとする本県の振興を図る上で極めて重要な財源となっております。これまで、国における財政支援制度の拡充によりまして、本県の生活環境の改善や社会基盤の整備が図られてきているわけでございますが、社会資本の整備や産業の振興など必ずしも十分ではないと考えております。このため、核燃料税の税率引き上げや電源三法交付金の拡充などにつきましては、本県がこれまで、国のエネルギー政策に貢献しているという立場を強く主張しながら、財源の確保に努めてまいりたいと考えております。  また、今後は、本格的な地方分権時代を迎えるわけでございますので、その中で、国からの税財源の移譲、あるいは法定外新税の創設の検討を行いまして、自立した県財政の確立を目指してまいりたいと考えております。  次に、「もんじゅ」の運転再開問題についてお尋ねをいただきました。「もんじゅ」の安全性に対して率直にどのような感想を持っているのか、また、県民への説明に対して知事はどのように評価しているのかというお尋ねでございます。  平成7年12月の「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故以来、科学技術庁原子力安全委員会、核燃料サイクル開発機構は、徹底的な原因究明と再発防止策の検討、また「もんじゅ」全体の設備システムの安全総点検を実施してまいりました。これらの状況につきましては、県といたしましてその都度報告を受けており、また、国や核燃料サイクル開発機構は、県議会や県民にも説明を行ってきております。県といたしましては、「もんじゅ」につきましては、安全確保と国民合意を第一に、慎重に手順を踏み対処してまいりましたが、新原子力長期計画の策定や大島前科学技術庁長官の協力要請などを踏まえまして、改造工事に着手するかどうかとは明確に切り離しまして、まず「もんじゅ」全体の安全性を議論する時期に来ていると考えまして、ナトリウム漏えい対策工事等に係る改造工事計画についての事前了解願いを受けたものでございます。県といたしましては、「もんじゅ」は、ナトリウムを冷却材に使用するという特殊性を持っていることから、県民の立場に立って、「もんじゅ」全体が安全であるかどうかということを十分議論し、県独自で安全性を確認していくことが必要であると、このように考えております。  「もんじゅ」再開をめぐりまして、地元敦賀市議会、県議会で議論されておりますが、安全審査入りの知事の最終判断は、この推移を見ながらいつの段階で行うのか、またタイムリミットはあるのかというお尋ねでございます。  「もんじゅ」全体の安全性を議論する上では、まず国におきまして、国の責任で安全審査を行う必要があると考えておりまして、県といたしましては、核燃料サイクル開発機構が、国に対して行います原子炉設置変更許可申請を了承するかどうかにつきまして、県議会の御議論、また敦賀市の意見等を十分踏まえ、その時期も含め、県民の立場に立って判断してまいりたいと考えております。  「もんじゅ」の安全性を確認する県独自の場を設けるということが、具体的にはどういうことかというお尋ねでございます。  「もんじゅ」の安全性につきましては、国の責任で行う安全審査の内容はもとより、県の立場で「もんじゅ」全体が安全かどうかを十分議論し、確認していく必要があると考えております。そこで、現在の技術顧問会議とは別に、「もんじゅ」全体の安全性を確認するための専門家による県独自の委員会を設け、また、公開シンポジウムを開催するなど、県民に見える形で安全を確認する方法をとることが必要であると考えておりまして、今後、具体的な内容につきまして十分検討してまいりたいと考えております。  「もんじゅ」再開についての最終的な判断をするのは、県会、敦賀市の結論、県の安全性を確認する場で結論が出れば再開するかどうかを最終的に判断するのか、さらに別の検討要素もあるのかというお尋ねでございます。  県といたしましては、「もんじゅ」全体の安全性を議論する時期に来ていると考えまして、事前了解願いを受理したわけでございますが、仮に県及び敦賀市が、原子炉設置変更許可申請を了承するといたしますと、国の安全審査が約1年かかります。県といたしましては、この国の安全審査の状況や結果を十分踏まえながら、県民の立場に立って「もんじゅ」全体の安全性について十分確認をしていく必要がある、このように考えております。  「もんじゅ」の改造工事を認めるかどうかにつきましては、県といたしましての安全性の確認が終了した段階で、原子力三原則をもとにいたしまして、県議会での御議論、地元敦賀市の意見等も踏まえまして、慎重に対処してまいりたいと考えております。  「もんじゅ」の再開のために、一連の地元の手続は、その「もんじゅ」の再開のための追認にすぎないのではないかという厳しい意見があるがどうかというお尋ねでございます。  県といたしましては、改造工事計画に係る事前了解願いを受理するに当たりまして、核燃料サイクル開発機構に対しまして、改造工事の着手や運転再開の判断とは明確に切り離した上で受理したものであるということ。したがって今後、「もんじゅ」の安全性が確認されなければ了解しないものであること。また、県と敦賀市が了解しなければ、改造工事には着手させないということを明確に申し入れております。  「もんじゅ」の安全性確認と地域振興についての考え方でございますが、「もんじゅ」全体の安全性を議論する時期に来ていると考えまして、この事前了解願いを受理したわけでございますが、地域振興につきましては、今後、国が行います「もんじゅ」の改造工事に係る安全審査や県独自で行います安全性の確認の後に改造工事の着手について判断をすることになるわけでございますので、そのときまでに検討しなければならない問題である、このように位置づけております。  地域振興に国の対応を見きわめたいという気持ちがあるのではないかと考えるが、「もんじゅ」問題解決までに、何らかの方向を引き出せるのかどうかというお尋ねでございます。  今、県で取り組んでおります核燃料税の税率の引き上げ、あるいは電源立地特別交付金制度の拡充、電源三法交付金制度の使途の弾力化などは、本県が我が国のエネルギー政策に協力をしてきたということで、いわば現時点での国に対する要望として国に対して要請をしているものでございまして、これは「もんじゅ」の地域振興とは別問題でございます。仮に安全性が確認され、「もんじゅ」の改造工事に着手させるかどうか、あるいは再開を認めるかどうかという段階に至りましたならば、その段階で改めて「もんじゅ」に係る地域振興というものを国に要請していかなければならないと、このように考えております。  除雪対策についてお尋ねをいただきました。除雪は、何にも増して最重要課題であると考えるがどうかというお尋ねでございます。  積雪寒冷地であります本県にとりまして、雪を克服することは、本県の産業経済の発展や県民生活の向上に不可欠であると考えております。したがいまして、安全で円滑な道路交通を確保するため、迅速かつ的確な除排雪は、重要な課題であると認識いたしておりまして、こういった認識のもとに除排雪についての対応を、今後ともきちっと進めていきたいと、このように考えております。 7 ◯議長(美濃美雄君) 総務部長牧野君。       〔総務部長牧野百男君登壇〕 8 ◯総務部長(牧野百男君) 情報化関連事業の事業費についてのお尋ねでございます。  福井県IT推進アクションプランによる平成13年度に取り組むべき事業といたしまして、新規、継続合わせて87の情報化関連事業を掲げておりまして、当初予算案に約42億1,300万円を計上いたしました。  次に、IT講習の講師は充足しているのか伺うとのお尋ねでございます。  平成13年度は、全県的にIT講習が実施されるなど事業が本格化することから、講師の確保につきましては万全を期すため、県では業界団体に協力を求めるほか、情報ボランティアの募集、登録を行いまして、必要に応じ情報ボランティアの協力を求めてまいりたいと考えております。  次に、県債残高についてのお尋ねでございます。  平成13年度末の県債残高は、中長期財政計画の見込みより約100億円多い約6,750億円程度と見込んでおります。これは、今回、地方交付税制度が改正されまして、臨時財政対策債を100億円発行することによるものでございます。昨年策定いたしました中長期財政計画では、県債発行の抑制によりまして、平成13年度以降、県債残高を増加させない計画でございましたが、臨時財政対策債の発行により、県債残高は今後も増加する見込みでございます。今後とも、県債発行の抑制と元利償還金が、後年度地方交付税で措置される優良起債の活用を図りまして、県財政の健全性確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、臨時財政対策債と中長期財政計画について、中長期財政計画の見直しも必要と思うが、所見を伺うとのお尋ねでございます。  今回の地方交付税制度の改正によりまして、平成13年度から15年度までの3年間、特例といたしまして、財源不足のうちの地方負担分については、臨時財政対策債により補てん措置を講ずることになりました。この臨時財政対策債につきましては、後年度、元利償還金の全額が地方交付税で措置されるものでありますが、この起債発行によりまして、起債依存度と中長期財政計画で目標としております財政指標の悪化は避けて通れない課題でございます。このため、国や他県の動向も見きわめまして、必要に応じ中長期財政計画の見直しも検討してまいりたいと考えております。  次に、普通建設事業費の総額の算出方法でございますが、普通建設事業費の総額は、普通建設事業費に伴う各部局の個々の事業計画につきまして、計画期間中の各概算事業費を可能な限り把握しながら試算をしております。  次に、第二次中期事業実施計画の計画の見直しのペースでございますが、これまでの中長期事業実施計画は、策定後の社会経済情勢の変化に的確に対応するために、一定期間──まあ三、四年程度でございますが──を経過した段階で改定をしております。今回の第二次中期事業実施計画につきましても、本県を取り巻く今後の社会経済情勢を十分見きわめて、的確に対応してまいりたいと考えております。  次に、中期事業実施計画の国の計画、市町村の計画との調整はどのようになっているのかというお尋ねでございます。  第二次中期事業実施計画の策定に当たりましては、本県の主要プロジェクトを取り巻く国等の動向や、各種の制度改正の状況を十分踏まえたものと考えております。また、各市町村の県に対する要望事項等々と県事業との調整や整合性も図りながら、本計画を策定したものでございます。  最後に、中期事業実施計画と中長期財政計画の整合性についてでございますが、第二次中期事業実施計画期間中におけます普通建設事業費に投入可能な金額は、中長期財政計画に基づき試算したものでございまして、約8,000億から8,700億円程度と想定しております。この計画に登載した施策を実施するために必要な普通建設事業費の総額は、この範囲内におさまるよう施策の精選を十分行っておりまして、中長期財政計画との整合性を図っております。 9 ◯議長(美濃美雄君) 県民生活部長市橋君。       〔県民生活部長市橋一義君登壇〕 10 ◯県民生活部長(市橋一義君) 除雪対策の総点検と施策についてお尋ねでございます。  平成13年度の福井県雪害対策計画の策定に当たりまして、道路関係者連絡会議及び雪害対策連絡会議における検討結果を踏まえ、道路管理者等の相互連携の強化、除排雪対策の強化、情報提供の充実強化などについて、関係機関と協議しながら見直しを行ってまいりたいと考えております。 11 ◯議長(美濃美雄君) 土木部長古川君。       〔土木部長古川巖水君登壇〕 12 ◯土木部長(古川巖水君) 除雪対策についての御質問でございます。  まず、北陸自動車道など今回ほど雪に弱いとは考えられなかったが、どのように考えているのか、また北陸自動車道のカーブ、高低差など構造的に問題はないのかという御質問でございます。  今回の大雪では、北陸自動車道や一般国道8号で長時間にわたり交通が停滞しましたが、その原因としては、56豪雪時に似た強い降雪、それからチェーン規制を遵守しない大型車両の通行、急勾配やカーブが連続している道路構造、道路管理者間の連携不足と情報システムの不備等が複合して作用したものと考えております。近年のモータリゼーションの進展によりまして、交通量、貨物輸送量とも大幅に増加しているため、これまで以上に除雪対策の徹底及び雪に強い道づくりを推進する必要があると考えております。このため、国、日本道路公団に対しまして、除雪体制の強化、道路利用者への情報提供の徹底、登坂車線の確保など抜本的な対策を強く要望したところであります。なお、北陸自動車道の道路構造については、法令に基づき建設されているものでありまして、問題はないと考えております。  また、JR等公共交通機関の運休や大幅なダイヤの乱れが生じまして、通勤・通学など県民の日常生活や経済活動が大きな影響を受けたことは、まことに遺憾であると考えておりまして、JR西日本に対しまして、除雪体制の強化や迅速な情報連絡体制の整備等を強く要請したところでございます。  次に、除雪対策全般についてどのように総括しているかということでございます。  今回の大雪による混乱を踏まえまして、緊急措置といたしまして、最重点除雪区間を新たに設けまして、その区間においては、降雪深10センチを5センチに変更する除雪出動基準の見直しを行いまして、初動体制の強化を図ったところであります。県におきましては、社会状況や交通事情の変化に即した除雪計画とその対応策が必要でありまして、除雪出動基準の見直しによる初動体制の強化、主要幹線道路の円滑な交通確保対策の推進、道路管理者間の連携強化、道路情報システムの改善を早急に図ることとしております。今後、国、市町村、地域住民等と連携いたしまして、大雪対策に万全を期していきたいと考えております。  次に、機械の整備についてでございますが、今回の大雪でも、財政難の中で予算を思い切って使うのをためらう気持ちが働いたのではないかというお尋ねでございますが、雪対策につきましては、従来から雪情報システムや路面監視カメラの整備、除雪車の更新、スノーシェッド、消雪設備及び堆雪帯等の施設整備を計画的に進めてきております。今回の大雪では、除雪出動基準の見直しによる早期出動、圧雪除去、それから人家連檐区域の車線確保及び交差点部の除排雪など必要な対策を十分に講じてきたと考えております。今後とも、引き続き、これらの雪対策を計画的に推進するとともに、迅速かつ的確な除雪に努めてまいりたいと考えております。  最後になりましたが、来年に備えまして、今回の大雪を総点検いたしまして施策を明らかにすべきだが、私の所見を伺うということでございます。  今回の大雪の教訓を踏まえて、来年度からは、最重点除雪区間の新設、除雪機械の配置計画の見直し、オペレーターの確保及び研修の充実、道路管理者間の除雪、出動基準の調整と連携、それから交通管理者、道路管理者及びマスメディア等と連携したリアルタイムな道路情報システムの構築、それからインターネット、携帯電話による積雪情報等の提供、地域住民、市町村、県の連携による歩道除雪の充実等を図ってまいりたいと考えております。  また、今回の渋滞発生箇所の消雪設備を、今後5ヵ年で重点的に整備するなど、雪に強い道づくりにも同時に努めてまいりたいと思っております。  なお、積雪時の交通規制等につきましては、関係機関が連携いたしまして、スタッドレスタイヤ、チェーンなど滑りどめ装置の装着指導及び迂回誘導の広報を徹底してまいりたいと考えております。 13 ◯議長(美濃美雄君) 中川君。       〔中川平一君登壇〕 14 ◯12番(中川平一君) 県会自由民主党の中川平一でございます。私にとりまして、21世紀初めての質問であります。福井県の21世紀を見据え、切なる思いを込めて質問させていただきます。  まず、「もんじゅ」についてお伺いいたします。  昨年12月、知事は、「もんじゅ」の改造工事計画の安全審査に係る事前了解願いを受理されました。知事は、改造工事の着手や運転再開の判断とは明確に切り離した上での受理であると提案理由説明で述べておられます。しかし、これにより、県民は印象として「もんじゅ」が再開に向けて動き出したと感じております。御承知のように「もんじゅ」は、ナトリウムを冷却材に使う特殊なものであることから、多くの県民は、少なからぬ不安を抱いているのであり、今後の進め方につきましては、県民世論に十分に耳を傾け、慎重に対処すべきであると思います。また、安全審査の過程で、十分なる安全が確認できるかが最も重要な課題であることは言うまでもなく、安全審査入りを了解した場合、地域振興とは切り離して、まず県として安全審査に全力を尽くすべきであります。この点について、知事の御所見をお伺いいたします。  しかしながら、一方では、「もんじゅ」立地時の国との約束がいまだ守られていないという歴史を踏まえ、安全確認を前提に、振興策については、別に十分なる検討をする必要性があると考えます。本県の提案する振興策は多岐にわたっており、総花的なものであるように思われます。敦賀に立地する「もんじゅ」の振興策は、敦賀を中心とした嶺南に焦点を絞るべきであります。私は、近敦線の敦賀側からの早期着工、近敦線の工期の半減、さらに国道27号美浜東バイパスの早期完成、加えてリゾート新線に対する国の大幅なる助成を提案いたします。なぜなら、嶺南における交通網の早期整備は、嶺南の人々が嶺北へ買い物に出かける、遊びに行く、あるいは嶺北の人々が嶺南にうまいものを食べに行く、または名所旧跡に出かけるなど、嶺北と嶺南の人々の交流を促し、本県全体の繁栄につながると思われるからであります。また、リゾート新線の建設は、嶺南百年の悲願でありますが、総事業費が約480億円と言われており、国の大幅助成なくしてその実現は難しいと思えるからであります。知事の御所見をお伺いいたします。  次に、林業問題についてお伺いいたします。  今日、日本の山を眺めておりますと、杉やヒノキ等の森林の間伐がなされず、また、たまに間伐がなされていたといたしましても、伐木がそのまま山に放置されている状況が目立っております。こうした状況は、日本が戦後工業国家として成功をおさめ、その成功が一方では円を強くし、他方では国際的に見た人件費の高騰をもたらした結果であります。しかし、森林には、多くの公益的機能すなわち渇水や洪水を緩和したり、良質の水をはぐくんだり、土砂の流出を抑制するなど、多くの機能があるのであり、それは、金銭に換算すると実に年間約75兆円とも言われております。  こうした山林の持つ公益的機能に着目するとき、私は、経済の原理に任せて山林を放置できないと思います。国においても、今までの木材生産を主たる目的とした政策から、森林の持つ公益的機能を持続的に発揮できる森林整備に転換しようとしています。これは、日本の山林の危機的状況を認識し、山林がたとえ個人の財産ではありましても、公的財産としての側面があることを大いに認め、行政が山を守るために積極的に関与していくべきだとの考えのあらわれであります。  そこで、まず、知事の県下の山林に対する現状認識及び政府の政策転換についての御所見をお伺いいたします。  思うに、間伐が進まない原因は、外材に押されて国産材の価格が低迷していることと、間伐材を含めた国産材の需要が少ないことにあります。よって、行政としては、それらの対策を立てることは理の当然であり、今県が進めている林道の整備、県産材の公共施設等への使用、及び公共工事での間伐材の使用は、引き続き努力していただきたいと思います。しかしながら、私は、今の本県の政策では、県下の山林を救う決定的な方法にはなり得ないと思います。それらの方法では、外材に太刀打ちできるほどのコスト削減は難しく、また県産材の多くの民間需要が見込めないからであります。  そこで私は、二つの提言をしたいと思います。  その第1は、バイオマスの研究推進であります。バイオマスエネルギーは、低質材の有力なはけ口となるものであり、それも低質材をわざわざ山から切り出すとなれば、コスト高になり、経済的に成り立ちませんが、除間伐の推進と組み合わせることで、事業化の可能性があると思うからであります。国、地方合わせて約666兆円の借金と言われる中、今までのように公共事業による農山村における雇用問題の解決は難しく、今後は、農山村の失業ということが問題になることが予想されます。そうした中で、バイオマスの事業化ができれば、農山村地域の雇用という面で有望な産業となり得る可能性を秘めていると思われます。県下の森林組合などで木質ペレットストーブの導入など、バイオマスエネルギー利用の試みがあるようでありますが、私は、県としても研究するとともに、必要があれば、行政面からそうした動きを積極的に支援していくべきだと考えます。御所見をお伺いいたします。  その第2は、山林の持つ公益的機能を回復するため、間伐等に対する思い切った助成であります。長野県では、森林整備事業を、これまでの公共工事にかわる新しい経済構造の柱の一つと位置づけ、項目によっては大幅な予算増額を行っているようですが、同様のことを本県でも行うべきであります。私は、そうした抜本的な対策を講じない限り、本県の山林を守ることは不可能と思うのであり、今後の山林行政の進め方について、知事の英断を求めるものであります。知事の御所見をお伺いいたします。  次に、環境エネルギー問題についてお伺いいたします。
     県では、昨年3月の「新エネルギー・省エネルギービジョン」に基づき、風力発電所を福井市国見岳に2基建設されることになり、また、太陽光発電設備を県の若狭湾エネルギー研究センター及び合同庁舎に設置することとし、平成13年度の当初予算案に計上されております。地球環境を守ることの大切さは論を待たないところであり、こうした県の取り組みを高く評価するものであります。私は、風力発電所の建設は、多くの利益をもたらすと考えております。国見岳の風力発電により、年間約1,000キロリットルの石油が節約でき、地球環境の保全に大きく貢献するものであります。  第2に、日本経済は、高度成長も終わりを告げ、新たなる成長分野を見出すことは困難であります。こうした自然エネルギーの開発は、日本の経済成長に資するものであり、景気回復の一助となるのであります。  第3に、福井県と言えば原発、敦賀と言えば「もんじゅ」と原発ばかりが目立つ本県が、自然エネルギーに大々的に力を入れることは、これからの21世紀の本県のイメージアップにつながります。  第4に、企業庁の計画では、建設後約15年ほどで投下資本を回収する予定になっており、何ら本県の財政赤字をふやさないのであります。  第5に、風車は設置地区のシンボルともなり、観光名所として地域の活性化にも貢献すると考えられます。  県では、ふくい21世紀ビジョン第二次中期事業実施計画の中で、風力発電施設の整備につき平成16年度までとし、大規模の風力発電の設置は考えられていないようであります。しかし、私は先を見通し1基、2基と言わず大々的、大規模な風力発電所を建設していくべきであると思います。「栗田知事は、環境問題に熱心で、よい財産を残してくれた」と後世の福井県民に評価されることは間違いありません。知事の、大規模な風力発電基地建設についての御所見をお伺いいたします。  県では、新たなる地点での事業化を推進するとし、嶺南での風況観測調査を実施されるようであります。そこで、小浜市が風力発電誘致の決議をしていることでもあり、ぜひ、できれば小浜市を中心とした嶺南にお願いしたいと存じますがいかがでしょうか、お伺いいたします。  次に、農業・農村問題についてお伺いいたします。  県では、このたび「21世紀福井の食料・農業・農村ビジョン」を策定されました。農村を取り巻く現状を認識され、今後の農村の進むべき方向を示されております。方向性としては正しく、私は高く評価するものであります。このビジョンの中の基本方向3で、「ふるさとの香り漂う農村づくり」をうたい、美しい自然、伝統、文化、史跡等の豊かな資源を有する農村空間を博物館としてとらえた構想づくりを推進し、これを整備保全するとされております。イメージとしては、まだ残っている農村のよさを見直し、残していくことにあると思いますが、具体的な施策をお伺いいたします。  私は、以前、予算特別委員会において、農業用用排水路の護岸及び川床をコンクリートで固めることの是非について質問したことがあります。県の答弁は、国の方針も機能性だけを重視する工法の見直しがなされており、原則として自然の生態系に配慮した工法をとるということでありましたが、現実には、圃場整備に伴う用排水路の改修で、相も変わらず護岸、川床ともコンクリートで固める設計、施工がなされているようであります。聞くところによりますと、圃場整備に伴う用排水路の場合、地権者負担を伴うことから工費を高くできない、管理上、草刈りをしなくてもよいなど、維持管理の楽な方法を選ぶ必要があるということからコンクリート張りになるとのことであります。  私には、河川の川床までもコンクリートで固めることが、ビジョンの中の「ふるさとの香り漂う農村づくり」になるとは到底思えないのであります。少なくとも川床だけは土の状態で残すか、あるいは小魚がすめるような工法を工夫すべきだと考えます。それで工費や維持管理費が高くなるというなら、同じくビジョンの中にうたわれている土地改良施設に対する公的支援の充実によって差額分を土地改良区に補助金として出すべきであります。もしそれもできないというなら、このビジョンは絵にかいたもちのごときものと言わざるを得ません。  今、人々は本物を求めております。本来の川に生きるべき生物が生息し、田畑には健全な作物が育つ、本物にこだわった農村づくりでなくてはなりません。中小河川のコンクリート張りが、新農政ビジョンがうたう農村のあり方と矛盾することではないのか、県のお考えをいま一度お伺いいたします。  次に、嶺南でのイベントの開催についてお伺いいたします。  県では、平成15年に嶺南での大規模イベントを計画され、予算計上されております。これは、近敦線の小浜西インターまでの完成と小浜線電化の完成に合わせたもので、開催時期としてもタイムリーであり、小浜を中心とした嶺南の活性化に寄与するものと大いに期待をいたしております。嶺南選出議員として、感謝の意を表する次第であり、この成功を祈るものであります。  そこでまず、イベントについては、今後どのようなスケジュールで進められるのかお伺いいたします。  また、イベントの内容はどのようなものを考えておられるのでしょうか。こうしたイベントは、業者の企画をたたき台に検討修正が加えられるものと思いますが、その際、業者主導とせず、地元のアイデアが生かされるものにしていただきたいと思うのであります。  今、日本の政治は、中央集権から地方分権の時代へと流れが変わろうとしております。自分たちの住む地域のことは自分たちで考え、企画立案し、実行していく時代が来ようとしております。こうしたイベントも、地域が育つにはよい機会であります。より多くの地元の人々が主導権を持って参加し、十分に地元のアイデアが生かされることは、地域の個性が発揮され、魅力あるイベントにつながります。また、こうしたイベントを通じて地域の独立・自尊の精神が養われ、イベントを一過性のものに終わらせないことにもつながるのであります。この点を強く要望したいと思いますが、御所見をお伺いいたします。  最後に、河内川ダムの進捗状況及び今後の見通しについて、杉山トンネルの今後の見通しについて、主要地方道阪本高浜線の今後の見通しについて、広域基幹林道若狭遠敷線の進捗状況についてお伺いいたします。  また、小浜市の重点要望事項となっているふるさと林道池河内線について、県として積極的に取り組む意思はないかお伺いいたします。  以上、理事者の皆様の誠実かつ明快なる答弁をお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。 15 ◯議長(美濃美雄君) 知事栗田君。  この際、理事者に申し上げます。持ち時間内で答弁が終わるよう御協力ください。       〔知事栗田幸雄君登壇〕 16 ◯知事(栗田幸雄君) まず、「もんじゅ」についてお尋ねをいただきました。地域振興とは切り離して、まず県として安全審査に全力を尽くすべきであると考えるがどうかというお尋ねでございます。  「もんじゅ」全体の安全性を議論する上で、まず、国の責任におきまして安全審査を行う必要があると考えておりまして、県といたしましては、県議会での議論や地元敦賀市の意見等を踏まえまして、核燃料サイクル開発機構が国に対して行う原子炉設置変更許可申請を了承するかどうかについて、県民の立場に立って判断してまいりたいと考えております。  仮に県及び敦賀市が原子炉設置変更許可申請を了承し、国の安全審査が開始されれば、経済産業省原子力安全・保安院による一次審査と原子力安全委員会による二次審査が、約1年かけて行われることになります。県といたしましては、「もんじゅ」全体の安全性について、国の安全審査の状況や結果を十分把握しながら、県民の立場に立って十分な確認をしてまいりたいと考えております。  「もんじゅ」の地域振興策についてお尋ねをいただきました。  「もんじゅ」の地域振興策につきましては、今後、国が行います「もんじゅ」の改造工事に係る安全審査あるいは県が独自に行います安全性の確認の後に、改造工事の着手について判断をするまでに検討しなければならない問題であると考えております。仮にそういった段階が来た段階におきましては、県として十分な地域振興について検討し、国に要請をしていきたいと、このように考えております。  次に、林業問題についてお尋ねをいただきました。県下の山林に対する現状認識及び政府の政策転換についてどう考えているのかというお尋ねでございます。  森林は、県土の保全や水資源の涵養などの広域的機能と循環利用が可能な木材を供給する重要な機能を持っています。しかしながら、木材価格の長期低迷によります林業の採算性の悪化等によりまして、森林所有者の意欲が減退し、保育、間伐など適正な森林整備が十分に行われず、森林の多面的機能の発揮が危惧される状況となっております。国におきましては、このような状況を踏まえまして、森林の多面的機能を発揮させるため、森林の適正な管理の推進、森林資源の持続的利用を担う林業、木材産業の振興等を柱とした林政の改革を行うことといたしております。県といたしましても、今後、国が示す政策の具体的な方向を見きわめまして、「森林・林業活性化プラン21」の見直しも含め、森林の持つ多面的機能の持続的な発揮が確保されるよう、本県の森林資源の現状に応じた各種の施策を展開してまいりたいと考えております。  今後の山林行政の進め方について、どう考えているのかというお尋ねでございます。  現在、県におきましては、森林の保全と利用の調和を基本理念といたしました「森林・林業活性化プラン21」等に基づきまして、造林補助事業における県費負担等の充実、県単制度としての間伐促進強化対策事業の実施等によりまして、資源の質的充実に向けた多様な森づくりに取り組んでおります。今後とも、森林の持つ多面的機能の持続的な発揮が確保されるように、森林整備を初めといたします森林林業、木材産業全般にわたる各種施策の充実強化に一層努めてまいりたいと考えております。  次に、環境・エネルギー問題といたしまして、風力発電所の建設をさらに積極的に行うべきではないかというお尋ねをいただきました。  大規模な風力発電基地いわゆるウインドファームは、風力や広大な用地など立地条件に恵まれている北海道や東北地方において民間事業者によって急速に展開されております。本県の場合、海岸線のほぼ全域が自然公園に指定されておりますほか、風況あるいはアクセス道路等の立地条件から見ますと、大規模な風力発電基地建設の適地は限られているものと思われます。県としても取り組みますが、将来有望なサイトが見込まれれば、民間事業者に対しまして情報提供、あるいは立地誘導に努めてまいりたいと考えております。  そこで、県が行います風況観測調査でございますが、新年度におきまして予定しております風況観測調査は、平成14年度完成予定の福井市国見岳における風力発電所建設に続きまして、全県的な普及啓発を行うため、嶺南地域においてその可能性の調査を行うものでございます。観測地点といたしましては、自然公園法の指定あるいはアクセス道路、変電所の位置等の諸条件を勘案いたしまして、小浜市本保地区と美浜町雲谷地区、この2点で実施する予定でございます。  次に、農業・農村問題につきまして、田園空間博物館構想をどのように考えているのかというお尋ねでございます。  農村は、豊かな歴史、文化、潤いのある農村景観等の有形無形の地域資源を持っておりまして、田園空間博物館構想は、このような農村地域全体を一つの博物館としてとらえ、地域づくりを行うものでございます。  具体的には、美しい農村景観の復元や田園散策道の整備、伝統的な建造物の復元、保存など農村に広がる水と緑を原点とした魅力ある田園空間を整備することによりまして、土地と農村の共生、地域の活性化を図ってまいりたいと考えております。  嶺南イベントの開催につきまして、地元の方々が主導権を持って参加し、十分に地元のアイデアが生かされるものにしてほしいがどうかというお尋ねでございます。  平成15年に考えておりますこのイベントの目的、内容など、基本的な方法につきましては、今議会において御議論をいただいた後、県民パブリックコメントによります県民の皆様方の御意見を踏まえて、平成13年度に基本計画を策定したいと考えております。このイベントを成功に導くためには、嶺南地域の市町村や住民の方々の参加が不可欠でございます。今後、県や地元市町村、民間の方々で構成いたします準備委員会や実行委員会におきまして、一体となって取り組んでいくことによりまして、嶺南地域の新しい地域づくりの契機にしたいと、このように考えております。  最後に、嶺南の公共事業のうち、主要地方道阪本高浜線の今後の見通しでございますが、この路線につきましては、現在、高浜町薗部地係と大飯町の福谷地係におきまして、それぞれ高架橋の建設工事を進めておりまして、平成14年度完成に向け事業促進に努めております。また、大飯町と名田庄村の町村境にございます石山峠付近の整備でございますが、これにつきましては、現在、ルート検討のための概略設計や地質調査を行っております。現在、事業中の2ヵ所が完了後、引き続きこの石山峠付近の整備に着手していく方針でございまして、国とのルート協議等必要な手続を早期に進めてまいりたいと考えております。 17 ◯議長(美濃美雄君) 総務部長牧野君。       〔総務部長牧野百男君登壇〕 18 ◯総務部長(牧野百男君) 嶺南でのイベント開催について、その内容と今後のスケジュールについてのお尋ねでございます。  嶺南地域のイベントにつきましては、豊かな食をもたらす海、山の自然と、祭に代表されます歴史や文化、産業の基盤を支えるエネルギーなど、地域の創意工夫によりまして嶺南地域が有する地域資源を最大限に生かしたイベントとして開催していきたいと考えております。  スケジュールでございますが、平成15年4月から11月までの8ヵ月間を嶺南地域全体のイベント開催期間としております。嶺南8市町村が、それぞれ連携を図りながら展開することとしております。また、核となるイベントにつきましては、9月から1ヵ月間、小浜市を拠点に県、市町村、民間が一体となって開催することとしております。 19 ◯議長(美濃美雄君) 農林水産部長佐本君。       〔農林水産部長佐本和男君登壇〕 20 ◯農林水産部長(佐本和男君) まず、バイオマスエネルギーの研究と積極的な支援についてのお尋ねでございます。  バイオマスエネルギーの積極的な利用につきましては、森林が再生産可能な生物系の資源であり、二酸化炭素の吸収源として、また地球温暖化防止に貢献しているということ、また、木材は大気中の二酸化炭素をふやさない資源としてその利用が見直されておるわけでございます。建設資材等への利用度の低い除間伐材を初めといたしまして、製材施設等における廃材、林地残材等の木質資源の有効かつ多面的な利用を図りますために、幅広い利用開拓の取り組みが必要であると考えておりまして、堆肥化や木材チップ等として利用を図りますとともに、木材木質系資源の有効利用についての検討を現在行っているところでございます。  今後、国の事業や研究結果を活用いたしまして、木質資源の有効利用を図る施設整備に対する助成を行いますとともに、木質バイオマスエネルギーを効率的に利用する方法につきまして、大学等研究機関などと連携して、今後の方向性を見きわめてまいりたいと考えております。  続きまして、環境に配慮した農業用水路の整備についてのお尋ねでございます。  農業用水路の整備に当たりましては、水の有効利用、また、維持管理コストの軽減等を図りますとともに、地域用水機能を重視したせせらぎやビオトープの設置など、環境に配慮した整備を進めているところでございます。今後とも、この地域用水機能を重視した取り組みを進めるために、農業用水路の整備に当たりましては、農家や地域住民の方々の意向を踏まえながら、環境に配慮した整備を進めてまいりたいと考えております。  続きまして、広域基幹林道若狭遠敷線の進捗状況についてのお尋ねでございます。  広域基幹林道若狭遠敷線につきましては、平成12年度に国の事業採択を受けまして、本年度中に全体計画調査を完了することとなっております。今後は、平成13年度から工事に着手いたしまして、早期完成に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、池河内線についてのお尋ねでございます。  ふるさと林道池河内線の開設につきましては、当該地域は国有林内であることや、本県と滋賀県の両県にまたがっていることから、まず関係する市町村で話し合いを進めていただくことが重要であると考えておりまして、現在、小浜市と滋賀県朽木村との間において協議が行われていると伺っております。 21 ◯議長(美濃美雄君) 土木部長古川君。       〔土木部長古川巖水君登壇〕 22 ◯土木部長(古川巖水君) まず1点目は、河内川ダムの進捗状況と今後の見通しについてのお尋ねでございます。  河内川ダムは、洪水調節、都市用水及びかんがい用水の確保を目的として事業を進めております。平成5年に補償基準を締結するとともに、つけかえ道路の工事に着手し、一般国道303号からダム上流の集落までの区間、約4.4キロメートルのうち今年度末までに約3.3キロメートルの整備を見込んでおります。今後、残り区間の促進に努め、ダム本体の早期着工を目指していきたいと思います。  2点目は、杉山トンネルの今後の見通しでございますが、上中町杉山-大鳥羽間の道路整備につきましては、現在、ルート検討のための概略設計や地質調査を実施しております。本区間の事業化につきましては、近畿自動車道敦賀線の上中インターチェンジ──仮称でございますが──と、一般国道27号を結ぶ県道上中田烏線整備の進捗を見きわめながら、引き続き路線認定や整備の手法等を検討してまいりたいと考えております。 23 ◯議長(美濃美雄君) 堂前君。       〔堂前 広君登壇〕 24 ◯3番(堂前 広君) 県民連合の堂前広でございます。通告に基づき、教育問題、嶺南地域関連問題、原発問題等につきまして、一部重複するところがございますが、お許しをいただきまして、これから質問をさせていただきます。わかりやすい御答弁をよろしくお願い申し上げます。  さて、第1点目は、教育問題についてでございます。  新学習指導要領実施がいよいよ1年後に迫ってまいりました。これまで、県も各市町村も、新しい教育に対応するための準備を積み重ねてこられました。厳しい財政事情の中、福井の子供たちの未来のために、大変な御努力をいただいていると高く評価を得ているものでございますが、現時点で、県下の小中学校を眺めたときに、残されている条件整備は何であると考えられておりますか、改めてお伺いしたいと存じます。  まず、臨床心理の専門家をスクールカウンセラーにするという計画について伺います。  国は、第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画の中で「生徒指導の充実」のために、これまで調査研究事業としてきたスクールカウンセラーの配置を補助率2分の1の補助事業として、いよいよ本格実施し、今後5ヵ年ですべての公立中学校に配置をするとしております。本県は、当初予算約3,000万円を計上して、臨床心理に関する専門家を配置し、問題行動等の未然防止や早期発見、早期解決を図るとしております。生徒指導上、この事業は極めて時宜を得たものでありますが、新年度には、県下の中学校の何校に、スクールカウンセラー配置を予定されているのか伺います。  本県の実情に即して考えますと、週当たり10時間勤務をしてくれる臨床心理の専門家というのは、大学かあるいは病院以外には考えられないので、すべての中学校へ配置することは極めて困難であろうかと、こう考えられますが、県としてどのような見通しを持っておられるのか、また、今後どのように対処していかれるのか伺うものであります。  次に、今年度、県内で発生しました児童虐待の件数を伺いたいと思います。  近年、児童相談所に寄せられた児童虐待に関する相談件数は急増しておりまして、1999年度の全国合計では1万件を突破したと言われております。そこで、厚生労働省は、2001年度から、各地の児童相談所が精神科医と連携して、子供へ虐待を加えた保護者に対し、カウンセリングを強化していくとしております。本県の児童虐待の実態に対する認識と今後の対応策を伺います。  教育問題の最後に、不登校に関して質問と提言をいたします。  不登校の児童・生徒は、全国で約13万とも言われておりますけれども、まず本県における小中学校の不登校の現状を伺います。  私は、以前から、不登校や、今言われている「きれる」生徒の問題に関心を持ちまして、さまざまな書物を読みあさってまいりました。できれば原因が知りたいと思ったからであります。一時期には、栄養の問題と関連して随分議論されましたし、また当然のことながら、家庭の子育てについてもさまざまな議論がなされておりました。しかし、その原因というのは、いまだ明確にはなっていないように思います。したがって、現場の学校では大変苦労をしておるというのが現状でございます。  ところで、最近、私の興味を引いたものの中に、雑誌「世界」の昨年の12月号から今年の2月号までの3ヵ月間短期連載もので、小林道雄というノンフィクションライターの「少年事件への視点」という記事がございました。  この中で彼は、レット症候群──レットというのは片仮名でございますが──国際会議を主催した瀬川昌也というお茶の水にある瀬川小児神経学クリニック院長の学説を紹介しておりました。時間の関係で、詳細な内容を御紹介はできませんが、瀬川医師は、児童神経学の立場から「一定年齢で起きることには必ず発達が関係している。17歳の事件も乳幼児の発達の問題であるし、老化も発達の反映である」というのです。  彼によりますと、不登校の子供も「きれる」生徒も、幼児期の育て方と深いつながりがあるというのです。生後4ヵ月までの正常な睡眠と10ヵ月後に始まる、四つんばいになってはうことですが、「はいはい」がきちんと行われなかったことに起因しているんだと。その二つが、前頭葉にある大脳連合の仕組みをつくり上げるものであって、脳の土台とも言うべき機能を決定づけるのだ、こういうわけです。  正常な睡眠とは、夜暗くなったら眠り、明るくなったら起きることで、睡眠と覚醒が昼夜の周期に同調できるようになることが大事で、その睡眠中に神経経路がつくられ、そのときに、脳内の物質が分泌されるのだそうであります。昼夜の区別をつける訓練がないと脳は発達しない。また、「はいはい」ができないと、左右大脳半球の機能分化の発達促進がおくれる、こういうことでございます。制約的なコントロールをする「セロトニン、ノルアドレナリン神経系というのと、活動的なドーパミン神経系がうまくつくられない限り、正常な発達が行われないんだ」という学説でございます。  彼によるとですね、不登校は、ちょうど、我々の言う時差ぼけのような現象で、やる気のドーパミンが分泌されないのに、さあ学校へ行こうというような意欲が出るわけがないんだと、こういうことでございます。  不登校の子供には、無理に学校へ行かすというようなことをやらないで、部屋を明るくしてそこで過ごさせるようなことをやり、眠ってしまう場合には、何とか日のさんさんと当たるようなところで寝かせる。そして、できるだけ目を開けるように指導するというようなことを2年もやれば、ほぼ治るだろうなんていうようなことを述べておるわけでございます。  そこで、2歳児までの昼夜の区別と「はいはい」を教え込むことが、後の不登校を防止し、「きれる」子供たちをつくらない特効薬であるということがわかれば、大抵の母親というのは、そのしつけぐらいはできて努力するのではないかなと、こんなような思いがいたすわけでございます。もし、この学説が正しいとするならば、あるいは厳密には正しくなくても、かなりこういうことで救えることがあるのならば、妊婦に対する本県のちょっとした啓蒙活動と申しますか、PR活動でですね、多くの子供たちを救うことができるのではないかなんて考えた次第でございます。紹介をさせていただいたわけでございます。  さて、第2点目は、嶺南地域関連の問題でございます。  一部重なるところがございますが、お許しをいただきたいと思います。  皆様のおかげで嶺南地域の交通基盤整備も着々と進行しまして、平成15年春には、小浜線の電化開業となりまして、御存じのとおり、近畿自動車道敦賀線の舞鶴-小浜西間の供用開始が予定されております。平成15年の春でございます。県におきましては、この時期を嶺南地域の活性化に弾みをつける絶好の機会ととらえていただいて、福井県、嶺南市町村、地域住民が一体となって、小浜市を中心会場として、平成15年の秋に、約1ヵ月の大規模な嶺南活性化イベントの計画を策定中でございます。先ほどの答弁にもございました。一方、地元の小浜市の方では、交通基盤整備が着々と進むので、その受け皿としてさまざまな施策をやっております。市民参加のもとに進めており、そのメーンとなるものが、今のところは食文化の拠点をつくる、仮称でございますが、「御食の国の館」とでも申しますか、そういう計画を今つくっております。現在策定中とお聞きをしております。  そこで、県が今から考えていただける素案を少しお聞きしますと、先ほどの答弁にもございましたが、小浜市の漁港近くの川崎地区で──海の近くですが──「海」を基本イメージとして、「御食国・若狭」の多彩な生活文化を背景に「食・祭・海」、海を素材とした集客拠点としたパビリオンをつくっていこう。もう一つ、お水送りの鵜の瀬に近い竜前地区の方で、「山」を基本イメージとして古代からの文化交流、過去と未来の共生を背景とした「食・祭・エネルギー」を集客拠点としてパビリオンを展開すると、こういうようにしております。これはまだ確定ではございませんが、案の段階でございます。  しかし、私が考えますのに、そのイベントが済んでしまった後どういうものが残るかというと、余り残らないような感じがしますので、私は、この時期の嶺南地域の活性化を意図して大きなイベントをしていただけることについては、住民の一人としまして、大変大きな意義があると、嶺北から言わせると、そんなんやっても嶺南は活性化しないよという意見もございますけれども、そういう意見もございますが、嶺南地域からしますとですね、地方分権本格実施になるまでのこの10年間が嶺南が生き残れるかどうかの瀬戸際だと、こう考えておりますので、その活性化、大きなイベントにつきましては、大変な意義を感ずるわけでございますが、折角多額の経費を投入して実施していただけるだけに、イベントを、先ほどもございましたが、一過性のものではなく、大きな価値がある、永続的に嶺南地域活性化へつながるものとできればしたい、こういうように考えています。そのためには、小浜市が今考えております食文化の拠点がイベント開催時期と同時に、またはそれ以前に完成しておると、すばらしいイベントになるんではないかと、こういうように考えます。  そこで、県におきましては、「御食国の館」──仮称でございますが──の建設がですね、平成15年のイベントまでに完了するように、小浜市を指導、御支援をぜひしていただきたいと、こういうように考えるものでございます。もしそれが実現できれば、「御食の国の館」はそのイベントの中核的なものになり、県内外、関西地区や近畿地区の人々、中部地方の人々にとって極めて魅力的なイベントになるだろうと、こういうように考えるわけでございます。県の小浜市に対する温かい御支援と御協力をぜひ、強力なる指導をぜひ期待したいと、こういうように思うものでございます。嶺南活性化へのイベントに関する知事の所見と、今後の取り組み方針をお伺いいたしたい、こういうように思います。  第3点目は、原発関連問題でございます。  「もんじゅ」再開に関しまして、知事はさきの代表質問に対して、「県が要望した「もんじゅ」の位置づけは、長計の中で明確に示されたと考える」こういうように述べられている一方でですね、前回の答弁の中には、「冷却材にナトリウムを使う特性や原型炉である点に県民、国民の疑問、不安が多いことは十分認識している」と、こういうように答弁されております。確かに、長計において、「原型炉「もんじゅ」は、我が国における高速増殖炉サイクル技術の研究開発の場の中核として位置づけ、早期の運転再開を目指す」と、こう明記されております。  しかし、「実用化に向けた展開と研究開発評価」という項目の中では、高速増殖炉の実証炉に触れて、実用化に向けた研究開発の過程で得られた種々の成果等を十分に評価した上で、具体的計画の決定をすることが適切だ、こうしておりまして、実用化の時期については明記しておりません。そして、研究開発の進め方に関してチェック・アンド・レビューを行い、研究開発投資の効率性の観点を重視するなど、単なる技術評価にとどまらず、必要に応じて社会状況の変化などを踏まえて研究開発の見直しを行うことが必要であるとしております。この表現を文字どおりに解釈しますと、研究開発は高速増殖炉サイクル技術の研究のための中核としてしっかり行うけれども、その実用化までの道のりには、コストのことや新エネルギー開発技術の進展等も含めて社会情勢の変化などによって、高速増殖炉に係る政策変更等もあり得ると読めるのではないかと、こう考えます。であれば、また、「ふげん」のケースに似た状況が起こる可能性もなきにしもあらずと、こういうように考えることができるのではないのでしょうか。このあたりの国の考え方についての知事の御見解をぜひお聞かせを願いたい、こう思います。  それから、原発立地及び周辺の我々住民にとりましては、安全こそがすべてであります。12月議会で市橋県民生活部長は、「もんじゅ」の蒸気発生器伝熱管の健全性をチェックする渦電流探傷装置については、現在の装置でも損傷の検出に必要な性能を持っているが、より検出精度を高めるために、核燃料サイクル開発機構がメーカーと共同して技術開発に取り組んでいると答弁されております。  他方で、ある大阪在住の卒業生の話でございますが、大阪での核燃料サイクル開発機構との討論会席上で、現在の渦電流探傷装置は、「もんじゅ」の蒸気発生器伝熱管のピンホールやクラックは発見できないんだと言明したと、こういうように私に話をしております。どちらが真実なのか、極めて重要な点でございますので、改めてお伺いをしたいと思います。  軽水炉においても、この蒸気発生器伝熱管に係る事故・事象いうのが多発していることと、「もんじゅ」の場合、軽水炉よりも極めて高温高圧の蒸気となることを考え合わせますと、安全性に不安が残りますので、この辺のことについてお伺いをしたい、こう思います。  いずれにしましても、もし安全審査に入った場合には、県独自の調査を行うと知事が答弁されておりますが、その際に、そういう場合には、徹底した蒸気発生器伝熱管の安全性の確認をやっていただくように強く要望したい、こういうように思います。  以上で、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 25 ◯議長(美濃美雄君) 知事栗田君。       〔知事栗田幸雄君登壇〕 26 ◯知事(栗田幸雄君) 嶺南地域関連の問題といたしまして、県が平成15年に計画をいたしております嶺南地域活性化のための大規模イベントの開催に関連いたしまして、開催までに小浜市の「御食国の館」の建設が間に合うように十分な指導、支援をすべきと考えるが、どうかというお尋ねでございます。  嶺南地域活性化のイベントは、地域の創意工夫によりまして魅力ある地域づくりの契機として開催するものでございまして、嶺南地域全体の活性化と発展を目指そうとするものでございます。豊かな食をもたらす海、山の自然、また「祭」に代表される歴史や文化、そして産業の基盤を支えるエネルギーなど、嶺南地域が有する地域資源というものを最大限に活用したものにしたいと考えております。
     イベントの規模など具体的な内容につきましては、今後、基本計画の中で検討していくこととしております。「御食国の館」につきましては、小浜市において基本構想を策定中であると聞いておりますが、その内容が具体的になれば、今後イベントでの位置づけあるいは活用について検討いたしますとともに、県といたしまして、どのような支援ができるか十分考えてまいりたいと思っております。  次に、原発関連問題につきまして、長計での高速増殖炉サイクル技術の国の考え方についてどのように考えているのかというお尋ねでございます。  今回の原子力長期計画におきましては、高速増殖炉サイクル技術を将来のエネルギー問題の解決を目指す技術的選択肢の中でも潜在的可能性が最も大きいものの一つとして位置づけるとされております。また、高速増殖炉の実用化につきましては、実用化戦略調査研究を推進し、今後の研究開発成果等を十分に評価した上で、実用化時期を含め、柔軟かつ着実に検討を進めていくとしております。また「もんじゅ」につきましては、高速増殖炉サイクル技術の研究開発の場の中核として位置づけ、長期的には、高速中性子を提供する場として有効に活用していくことが重要であるとしております。  県といたしましては、今回の新しい原子力長期計画におきまして、将来のエネルギー問題の解決という長期的課題における高速増殖炉サイクル技術開発の意義が明確にされたものと考えておりますし、また、その中での「もんじゅ」の位置づけや果たすべき役割、さらには長期的利用の方向が明確にされたものと理解いたしております。今後、長期計画を踏まえまして、国を初め原子力関係者が安全の確保を大前提に、国民の理解を得ながら着実に進めていくことが重要である、このように考えております。 27 ◯議長(美濃美雄君) 県民生活部長市橋君。       〔県民生活部長市橋一義君登壇〕 28 ◯県民生活部長(市橋一義君) 原発関連問題について、「もんじゅ」の蒸気発生器にかかります渦電流探傷装置について、12月議会での答弁と大阪で行われました討論会での核燃料サイクル開発機構から、ピンホールやクラックは発見できないと発言があったがどうかというお尋ねでございます。  核燃料サイクル開発機構からは、「蒸気発生器については、設計、製作の段階において考えられる欠陥の発生防止対策を講じており、運転に入ってからは適切な運転管理や水質管理を行い、欠陥の発生を防止する計画となっている。また、渦電流探傷検査装置の開発につきましては、欠陥が発生した場合の水漏えい規模等の観点から、減肉状欠陥の検出を初期の開発目標としてきており、現在の渦電流探傷検査装置は、減肉状欠陥の検出に必要な性能が確保されている。欠陥の検出精度をより一層向上するために、渦電流探傷検査装置の技術開発を継続している。さらに、万一の微小なクラックやピンホール等の欠陥による水漏えいにつきましては、水漏えい検出器を設置すること等によりプラントの安全確保を図っている」と聞いております。県といたしましては、今後とも、この技術開発の進捗状況を十分確認してまいりたいと考えております。 29 ◯議長(美濃美雄君) 福祉環境部長山元君。       〔福祉環境部長山元和也君登壇〕 30 ◯福祉環境部長(山元和也君) 教育問題につきまして、今年度県内で発生した児童虐待件数、それから本県の児童虐待の実態に対する認識と今後の対応についてお尋ねでございます。  1月末現在で児童相談所が受付をいたしました児童虐待の相談件数は62件ございまして、そのうち施設入所等の対応を行いましたいわゆる処理件数は、56件でございます。児童相談所での相談件数が年々増加しておりますことについて、虐待の発生そのものがふえているという見方もございますが、県民の方々への通告義務の啓発、それから児童相談所を中心といたしました保健、福祉、医療、警察、教育等の関係機関の連携促進によりまして、潜在化していたものが顕在化してきたものであるという認識でおります。しかし、児童虐待の正確な実態把握のためには、多くの阻害要因がございまして、今後は、児童虐待防止地域協力員を増員いたしますとともに、保健、福祉、医療、警察、教育等の関係機関が連携した児童虐待防止市町村ネットワークの整備を進めてまいりまして、地域での児童虐待の予防と早期発見に努めてまいりたいというふうに思っております。 31 ◯議長(美濃美雄君) 教育長西藤君。       〔教育長西藤正治君登壇〕 32 ◯教育長(西藤正治君) 教育問題につきまして、4点お尋ねがございました。  まず、新学習指導要領の実施に向けましての条件整備についてでございます。  平成14年度からの新学習指導要領の全面実施に向けましては、これまでその趣旨を徹底するための説明会の開催や教員研修会等を充実させてまいりました。今後は、豊かな心の育成に向けた学習教材の作成や子供たちが社会のルール等について学習するための体験学習等の充実、さらには基礎基本の確実な習得に向けた指導体制の一層の強化を図っていくことが大切であると考えている次第でございます。  次に、来年度のスクールカウンセラーの配置予定及び今後の配置の見通しについてであります。  平成13年度は、3学級以上の公立中学校78校のうち14校にスクールカウンセラーを配置する予定でございます。このスクールカウンセラーの資格条件は、臨床心理士、精神科医または心理学専攻の大学教官となっております。このうち臨床心理士は、県内では30名ほどしかいないので、さらに有資格者のほとんどが職業を持っているため、依頼できる人材が限られているという状況にございます。今後、少しでも多くの中学校にスクールカウンセラーを配置できるよう、複数校の兼務を依頼するとともに、国に対しましては、臨床心理士の養成やスクールカウンセラーの資格要件の緩和について積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  次に、本県におけます小中学校の不登校の現状についてであります。  平成11年度の本県小中学校におけます30日以上の、いわゆる不登校児童・生徒数は、小学校が168人、中学校が552名で、わずかではございますが増加の傾向にあります。なお、在籍児童・生徒に対する不登校の割合は、小学校で0.31%、全国平均が0.35%でございます。中学校で1.83%、同じく全国平均が2.45%でございまして、全国平均をやや下回っているという状況でございます。 33 ◯議長(美濃美雄君) ここで、暫時休憩いたします。   午後2時54分 休 憩              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   午後3時20分 再 開                 会議に出席した議員(34名)    1番  吉  岡  秀  雄           19番  奈  良  俊  幸    2番  山  本  正  雄           20番  佐々木   哲  男    3番  堂  前     広           21番  山  根  徳  男    4番  佐  藤  正  雄           22番  前  田  康  博    5番  奥  山  裕  二           23番  池  端  忠  好    6番  和  田  高  枝           24番  久  保  新  六    7番  一  瀬  明  宏           25番  佐々木      治    8番  山  田  庄  司           26番  石  川  与三吉    9番  野  田  富  久           27番  大  戸  好  夫    10番  石  橋  壮一郎            28番  山  本  芳  男    11番  斉  藤  新  緑           30番  佐  孝  幸一郎    12番  田  中  敏  幸           31番  西  村  由  夫    13番  中  川  平  一           33番  関     孝  治    14番  山  岸  猛  夫           34番  池  田  俊  男    15番  高  島  寛  正           35番  坂  川     優    16番  松  崎  晃  治           36番  中  井  石  男    17番  屋  敷     勇           37番  今  村  重  治    18番  欠        員              ―──────────────────                  会議に欠席した議員(5名)    29番  美  濃  美  雄           39番  松  田  幸  彦    32番  山  本  文  雄           40番  別  田  重  雄    38番  中  島  弥  昌              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 34 ◯副議長(石川与三吉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  奥山君。       〔奥山裕二君登壇〕 35 ◯5番(奥山裕二君) 日本共産党福井県議団の奥山裕二でございます。発言通告書に基づきまして、質問させていただきます。  まず、原発問題の「もんじゅ」についてであります。  今回の原子力長期計画では、「もんじゅ」の位置づけと今後の進め方として、「もんじゅ」を我が国における高速増殖炉サイクル技術の研究開発の場の中核として位置づけ、早期の運転再開を目指すとしておりますが、高速増殖炉の実用化は、実用化時期を含め柔軟かつ着実に検討を進めていくというだけで実用化の見通しは明示されず、再処理技術は、2010年ごろから検討を開始されることが適当となっているように、再処理技術はめどさえ立っておらず、高レベル廃棄物処理は、平成40年代後半をめどに最終処分を開始するとしただけで、八次長計に書かれていた裏づけとなるべき数字は、今回の長計では目標値は全く示されず、まさに絵にかいたもちを消してしまうなど、「もんじゅ」は、将来の核燃料サイクルの中核としての位置づけには到底なり得ません。長計では、「もんじゅ」を運転再開すると言っておりますが、「もんじゅ」は、試運転を始めてその出力がようやく43%になったばかりで全く想定外の事故を引き起こしました。多くの県民の反対や、福井県にとって危険というデメリットしかない「もんじゅ」の運転再開を強行したならば、そこには多くの危険が待ち受けるでしょう。  特に高速増殖炉は、技術的には冷却材のナトリウムの取り扱いが困難なこと、高速中性子を使って核分裂を起こさせているため、軽水炉とは異なる事故や故障などが起こり、これらの現象がまだ解明されていないこと、一たん事故や故障が起きると、修理に膨大な費用と時間がかかることなどが挙げられております。さらに冷却材のナトリウムは、科学的に大変活性な物質で、水や空気に触れると激しく反応する非常に取り扱いのやっかいな物質であります。特に高速増殖炉の蒸気発生器は、高温のナトリウムと高温高圧の水とが伝熱管の壁を挟んで存在しております。しかも、ナトリウムを通す厚みの薄い配管を張りめぐらした高速増殖炉の設備は地震に弱い構造であり、パイプに穴があけば、水蒸気や水がナトリウムと爆発的に反応することが予想されます。「もんじゅ」の改善工事案では、ナトリウム火災事故を最小限に抑えるため、ナトリウムが漏れた場所をチッソで満たすことにしておりますが、これも地震で建物にひびが入れば効き目はなく、想定外の事故が起こる可能性を秘めております。  このように、技術的には困難を多く抱えているだけでなく、経済的にも引き合わない高速増殖炉「もんじゅ」は、「ふげん」発電所がたどった道となることは、多くの科学者が指摘しております。高速増殖炉は、かつて推進だったフランスを初めアメリカなど多くの国々が開発を断念し、原発の使用済み核燃料の再処理をやめるところがほとんどであります。危険な「もんじゅ」は動かすべきではなく、永久停止とすべきであり、改造工事の安全審査入りは認めるべきではないというふうに考えますが、知事の見解を求めます。  次に、日本原電敦賀3、4号機の環境影響調査についてであります。  日本原電は、敦賀3、4号機増設計画に関する環境影響評価準備書を知事に提出しました。敦賀3、4号機増設地点や周辺での環境調査結果をもとに、敦賀3、4号機増設工事と運転開始に伴う大気、振動、騒音、水質、生態系、景観など各項目の環境影響を評価したものでありますが、調査結果は、適切な環境保全措置を講じることで、原発増設による環境影響は低減可能との判断を示しております。また、国定公園内での立地に伴う環境への配慮として、自然護岸形状を残すため、25万平方メートルの埋立面積を約20万平方メートルに縮小しております。日本原電の環境影響評価準備書で、生態系の調査結果では、敦賀3、4号機増設地点の東側地点は、急峻な断崖が海岸に及んでおり、山地の切り取り範囲が大きくなること、重要な地形とされている立石岬の岩礁が一部消失すること、海岸構造物が自然海岸線から突出するため、海岸や地形が大きく変化すること、並びに海岸付近に分布するクロマツ植林の消失など影響が考えられるとし、西側地点は、東側地点に加え絶滅危惧II種のヒナコウモリの生息地への影響が考えられるとされており、敦賀3、4号機増設地点一帯にヒナコウモリの生息していることが考えられます。十分な調査がなされておりません。また、海生生物への影響については、3、4号機の取放水方式は、前面海域の水の深さが深いこと、漁業操業への影響を回避することなどを総合的に判断をして、護岸取水、護岸放水を採用するとしておりますが、3、4号機の取放水海域は漁業操業の影響だけでなく、イカ、アワビ、サザエなどの魚介類の生息、産卵場所であります。しかも3、4号機に使われる冷却材は、2基で毎秒214トンとなり、1時間では77万400トンにも達することになります。魚介類の稚魚は、原発の冷却水の取水で復水器を通り冷却水が温められます。いわば稚魚が湯沸器を通った状態となり、魚介類の稚魚はほぼ全滅するほど大きな影響が考えられます。  1月25日敦賀市で行われた説明会でも、原発の温排水による漁業や魚介類などへの影響について、日本原電は、水中放水で海水と混合で早く温排水の温度が下がるようにし、拡散範囲も狭める、放水口付近を除けば漁業への影響はないと答えましたが、日本原電も原発の冷却水の取放水地点では、漁業に影響があることを認めております。  このように、今回の環境影響調査は、原発増設のための一通りの調査にすぎず、不十分な調査と言わざるを得ませんが、県は、どのように日本原電の環境影響調査を評価されておられるのか、また、環境影響調査そのものを企業任せにせず、県独自でも調査を行うべきだと考えますが、お聞きをいたします。  次に、民間産業廃棄物についてであります。  キンキクリーンセンターが、9万トンのごみ処分場の許可数量を超えて廃棄物を違法に搬入し、ごみ処分場を増設してきました。県もこの事実を知りながら、違法な廃棄物の搬入やごみ処分場の増設を容認し、許可量の13倍ものごみが持ち込まれながらも、昨年8月まで何の行政上の処分も指導も行ってきませんでした。その後、厚生省の指導が入り、県は、昨年8月末にキンキクリーンセンターにごみの搬入停止を行政指導し、9月2日にごみの搬入がとまり、地元住民は、ごみが運び込まれなくなったことで一定の安堵感が広がっておりますが、ごみ処分場の堰堤や遮水シートの安全性はいまだに確認されず、ごみが野ざらしにされ、飛散するおそれが出ております。  キンキクリーンセンターは、昨年11月7日に県の求めに応じ、ごみ処分場の安全性に対する資料を県に提出しましたが、県はこれを受け、専門家による県民間最終処分場技術検討委員会を設け3回にわたって対応策を協議され、現地も視察をしておりますが、いつの時期に技術検討委員会の結論が出されるのか、まずお聞きをいたします。  今日まで、技術検討委員会は協議の中で、ごみの飛散防止のための覆土、堰堤の安全性を確認する調査、周辺地下水から塩化物イオンが高い数値で検出された原因の調査が必要との意見が出ているようでありますが、できるものから実施をすべきであり、当面の対策としては、ごみの飛散防止のための覆土を行うべきでありますが、いつまでに、どれだけの厚さの覆土を行うのかお聞きいたします。  また、ごみの飛散防止のために覆土を行うことにより、堰堤にそれだけ重圧がかかることが予想されます。その安全性についてどのように考えておられるかを、あわせてお聞きをいたします。  次に、ごみ処分場の堰堤、遮水シートなど業者からの報告書の公開についてであります。  さきの県議会で、業者からの報告書を県民に公開すべきだとの私の質問に、山元部長は、「今回事業者からの報告を聴取いたしましたが、事業者自身は、閲覧、告示されるという意識を持っておりませんし、情報公開条例におきましても、内容を審査している状況におきましては、公開しなくてもいいというふうになっておりますので、今は公開する段階ではない」、このように答弁をされておりますが、資料の公開は、行政上支障を来さないと考えられる場合は、その資料を一律的に情報公開条例に当てはめるのではなく、住民の不安を解消するため、県民だれもが検証できるよう、資料の公開を行うべきであるというふうに考えますが、お聞きいたします。  また、技術検討委員会の協議の内容についても、住民の不安、関心にこたえるため公開すべきだというふうに考えますが、お聞きいたします。  さらに、敦賀市に対する資料の公開については、検討をすると答弁をされてきましたが、どのように検討され、どういう結論を出されたのかお聞きいたします。  次に、ごみ処分場の排水処理施設についてであります。  キンキクリーンセンターの汚水処理施設は、一日約150トンの処理能力があり、現在一日50トンの汚水が処理されているというふうに県より説明を受けておりますが、キンキクリーンセンターは、今月2日間、汚水処理施設の取水、排水ポンプを停止をいたしました。それにより、ごみ処分場の護岸パイプやごみ処分場下部からのこれまでにない大量の汚水が出ている現状を見てまいりますと、ゴムシートが破れているのではないかというふうに思われますし、また、汚水処理施設が正常にこれまで稼働してきたかということが非常に疑問であります。汚水処理施設が正常に稼働していると、どのような方法で確認を県はしているのかお聞きいたします。  次に、敦賀市山中地係にあります株式会社ホクリクの安定型産業廃棄物処理施設についてであります。  株式会社ホクリクは、平成8年5月に産業廃棄物処分場の県の許可を受け、産業廃棄物処理を行っております。処理する廃棄物は安定型処分場のため、ガラスくず及び陶磁器くず、建設廃材、プラスチック類、ゴム、金属くずであり、有機物は処理されていないことになっておりますが、物が腐食したような強烈な臭いがするという苦情が出ております。また、ごみ処分場に運び込まれたごみは野ざらし状態となっております。県は、株式会社ホクリクに対し、再三指導を行っていると聞いておりますが、一向に改善をされておりません。実効性ある改善策がいつとられるのか、県の対応についてお聞きいたします。  また、産業廃棄物処分場の使用前検査では、ごみの埋め立て容量は2,645立米となっております。ホクリクが営業して約3年3ヵ月が経過しておりますが、今日までどれだけの量のごみが運び込まれているのか、あわせてお聞きをいたします。  次に、国立療養所福井病院の後医療についてであります。  厚生省の国立療養所福井病院を国立療養所敦賀病院に統合するとの決定を受け、国立療養所福井病院の後医療に関する検討委員会が設置をされ、三方、美浜両町長に、経営主体は、公立小浜病院組合に三方、美浜町が加入し、新病院の運営を進めるなどの答申を行いました。この答申に基づきまして、後医療病院の平成15年オープンに向け、昨年11月27日に県の同席の中で、小浜市、上中町、名田庄村、三方町、美浜町の合同会議が開かれ、後医療病院の整備・運営に関する経費負担の基本的事項について確認をされたところであります。それによりますと、後医療病院の整備のため、当面必要な経費、運営費、また将来建てかえが必要となった場合の建設改良費は、三方町、美浜町の負担とする、が主な内容であります。  資料を見ますと、具体的な数字として、後医療にかかわる初期整備費で24億円、運営費で1年間で約1億3,696万円が必要とされております。昨年9月県会で、県の現状について山元部長は、「小浜病院に支障を来さない中で、丹南病院への支援を考慮して必要な支援を行う」と答弁されておりますが、後医療病院にかかわる初期整備費用24億円の財源内訳は、国より7億円、三方、美浜町で1億円、起債16億円となっており、県の援助は見当たりません。三方、美浜町は人口も少なく、財政規模も小さい自治体であり、後医療病院の初期整備費、運営費、将来病院の改築費用を負担できるものではなく、県が後医療病院の初期整備費、運営費を丹南病院への支援以上の支援を行うことは、嶺南の医療実態から見ても当然であります。同時に、国立療養所福井病院は、昭和14年に結核病棟として建設をされたため、病院は、病室、待合室、廊下などいずれの施設も狭隘であり、しかも建物は古く、近い将来改築をしなければならない病院であります。国が行革の名のもと、統合という形で三方町から病院を引き揚げる以上、県が責任を持って地域の病院として運営ができるよう、病院の初期整備費、運営費、将来の改築費などについて十分な財政支援や医師など病院スタッフの確保を行うべきでありますが、県の取り組み状況と支援について、県の考えをお聞きいたします。  さらに、国立療養所福井病院、敦賀病院の統合により、重症心身障害児病棟が、国立療養所敦賀病院の南側の3階建てに移設する計画になっております。従来の120床3病棟は確保されるものの敷地面積が狭いために3階建ての構造であります。エレベーターはあるものの、15度22メートルのスロープが1ヵ所あるだけであり、地震や火災などの災害や北陸の雪を考えれば、非常に危険であります。重症心身障害児病棟は、以前から平屋建てを原則としており、県は、国に重症心身障害児病棟を3階建てでなく平屋建てに再検討するよう強く働きかけるべきでありますが、お聞きをいたしまして、私の質問とさせていただきます。 36 ◯副議長(石川与三吉君) 知事栗田君。       〔知事栗田幸雄君登壇〕 37 ◯知事(栗田幸雄君) 御質問いただいたうち、原発問題についてお答え申し上げます。  「もんじゅ」ですが、改造工事の安全審査入りについて認めるべきではないと考えるが、どう考えるかという御質問でございます。  「もんじゅ」につきましては、原子力長期計画におきまして、「もんじゅ」を含めた高速増殖炉開発の位置づけを明確にし、これに対する国民の合意形成が図られることが重要であるということを終始申し上げてまいりました。その上で、「もんじゅ」全体の安全性について、国の責任において再確認することが必要であるとの考え方を一貫して申し上げてまいりました。県といたしましては、新たな原子力長期計画が決定されたこと、また、前科学技術庁長官の協力要請があったこと、さらには、敦賀市長との協議などを踏まえまして、「もんじゅ」は、ナトリウムを冷却材に使うという特殊性があることから、改造工事の着手や運転再開の判断等を明確に切り離した上で、「もんじゅ」全体の安全性を議論する時期に来ていると考えたところであります。  このことから、昨年12月8日に、「もんじゅ」のナトリウム漏えい対策等の改造工事計画につきまして、安全協定に基づく事前了解願いを受理いたしました。「もんじゅ」全体の安全性を議論する上で、まず、国の責任において、安全審査を行う必要があると考えておりまして、県といたしましては、県議会での御議論、また、地元敦賀市の意見等を踏まえまして、核燃料サイクル開発機構が国に対して行う原子炉設置変更許可申請を了承するかどうかにつきまして、県民の立場に立って判断してまいりたいと考えております。  次に、日本原電敦賀3、4号機増設計画に係る環境影響評価準備書についてでございますが、このたび提出されました環境影響評価準備書におきましては、事業実施区域が国定公園内にあることを十分考慮いたしまして、埋め立てによる地形の改変を抑制いたしますとともに、工事における猛禽類への影響評価や温排水による影響の予測手法を追加するなど、方法書に対して述べました知事の意見及び国の勧告を踏まえたものとなっております。  この準備書に記載されております建設に伴う重要な動植物への影響や温排水による魚介類等への影響を初め、大気、騒音、水質、生態系、景観などについての環境影響、及びこれらの保全対策につきましては、今後学識経験者等で構成いたします県の環境審議会や県の自然環境保全審議会に諮問をいたしまして、専門的な立場から十分な審議をいただいた上で、その答申をもとに、準備書に対する環境保全の見地からの知事意見を取りまとめてまいりたいと考えております。  環境影響評価法及び環境影響評価条例では、事業者みずからがその当該事業に伴う環境影響を調査、予測、評価することとされておりまして、今後とも、この環境影響評価制度が適切に運用されるように、事業者を指導してまいりたいと考えております。 38 ◯副議長(石川与三吉君) 福祉環境部長山元君。       〔福祉環境部長山元和也君登壇〕 39 ◯福祉環境部長(山元和也君) 民間産業廃棄物処理施設につきまして、専門家による福井県民間最終処分場技術検討委員会を設けて対応策を協議しているが、いつの時期に結論が出されるのかとのお尋ねでございます。  技術検討委員会では事業者から徴収いたしました報告書及び処分場の視察結果を踏まえまして、堰堤の安全性、遮水シートの安全性、浸出液処理施設の機能につきまして、これまでに3回にわたりまして審議、検討をいただいているところでございます。現在、堰堤及び遮水シートの安全性の確認に必要な調査項目及び調査方法等について慎重に検討を行っておりまして、年度内を目途に意見を取りまとめていただけるようにお願いをしているところでございます。今後取りまとめた結果に基づきまして、事業者に対しまして必要な調査を求めますとともに、また、その調査結果に基づきましても、改めて検討委員会で検討いただくこととしているところでございます。  次に、同じく廃棄物処理施設につきまして、ごみの飛散防止の覆土につきまして、いつまでにどれだけの厚さの覆土を行うのか、また、堰堤に重圧がかかることの安全性についてどう考えているかというお尋ねでございます。  昨年11月21日に立入検査を行いましたところ、堰堤側から約1万7,000平方メートルは、既に覆土をされておりましたが、山側3万2,000平方メートルについては、覆土がされていない状況でございました。その際、堰堤斜面に一部廃棄物の飛散も見られましたが、周辺環境に影響を及ぼすほどのものではございませんでした。また、臭いにつきましても多少感じられたものの、周辺環境に影響を及ぼすほどのものではございませんでした。しかし、今後、気温の上昇等によりまして、廃棄物の腐敗が進み、臭いが強くなるおそれもありますことから、去る2月23日、事業者に対しまして、廃棄物の飛散及び悪臭の発散を防止するため、必要な措置を速やかに講ずるよう指導したところでございます。覆土に伴います堰堤の安全性につきましても、技術検討委員会におきまして、審議、検討を重ねているところでございます。  次に、同じく民間廃棄物処理施設につきまして、住民の不安を解消するため、県民だれもが検証できるよう資料の公開を行うべきであるがどうかというお尋ねでございます。  事業者から報告されました堰堤、遮水シート及び浸出液処理施設の安全性に関する資料につきましては、住民の不安解消を図るため、現在、福井県民間最終処分場技術検討委員会において審議、検討をいただいているところでございまして、現在、その資料につきまして、公開できる段階にないというふうに判断をしているわけでございます。  また、その技術検討委員会の協議の内容についても、住民の不安、関心にこたえるために、公開すべきではないかというお尋ねでございます。  福井県民間最終処分場技術検討委員会では、委員の先生方の率直かつ自由闊達な意見や意思決定の中立性が損なわれないように配慮するため、委員会として非公開としているところでございます。なお、住民の不安解消を図りますため、委員会終了後委員長が協議内容について説明を行っているところでございます。  また、敦賀市に対する資料の公開について検討するという答弁がされたが、どのように検討し、どう結論を出したのかというお尋ねでございますが、敦賀市に対します資料の提供につきましては、福井県民間最終処分場技術検討委員会の検討結果が取りまとめられた段階で、その結果と合わせて資料を提供することといたしております。
     それから、浸出液処理施設が正常に稼働していると、どのような方法で確認をしているかというお尋ねでございます。  県では、浸出液処理施設が正常に稼働し、水処理が適正に行われていることを確認いたしますため、昨年9月以降現在まで、毎日処分場入り口付近の放流口における放流状況を確認いたしますとともに、放流水の水質検査を行いまして、現在のところ正常に稼働していることを確認しているところでございます。また、昨年9月以降、放流水につきまして、行政検査を3回実施しておりまして、特に問題ないことを確認しております。  浸出液処理施設の維持管理につきましては、立入検査によりまして適正な管理を確認をしてきておりまして、去る3月3日に事業者が、措置命令に従いまして水処理を再開いたしました際にも、立入検査によりまして、施設の適正な維持管理を確認をしております。県といたしましては、引き続き、放流水につきまして、行政検査を実施いたしますとともに、立入検査を実施する等必要な対応をしてまいりたいというふうに考えております。  次に、敦賀市山中地係の安定型産業廃棄物処理施設につきまして、実効性のある改善策がいつとられるのか、県の対応について伺う、また、今日までどれだけの量のごみが入っているのかというお尋ねでございますが、敦賀市山中地係の安定型産業廃棄物処理施設につきましては、平成8年5月、埋立面積3,260平方メートル、埋立容量1万1,200立方メートルの施設設置許可を取得いたしまして、その一部で1,032平方メートル、2,645立方メートルの使用前検査を受けております。その後、平成10年6月に施設の変更許可を受けまして、埋立面積が9,084平方メートル、埋立容量が11万1,803立方メートルの施設となっております。しかしながら、平成12年7月に使用前検査を受けました埋立容量を超えて、廃棄物の搬入が行われていたことを確認いたしましたことから、廃棄物の搬入を直ちに停止するとともに、早期に増設を行いまして、使用前検査を受けるように、行政指導したところでございます。その結果、平成12年12月になりまして、埋立面積6,496平方メートル、埋立容量2万9,745立方メートルの使用前検査を終了いたしました。事業者は、新たに使用前検査を受けました部分に廃棄物を移動いたしまして、適正に処理をしているところでございまして、廃棄物の搬入については、使用前検査を受けてから行うように厳正に指導を行っているところでございます。  また、廃棄物の搬入量につきましては、事業者に対しまして、実態に即した報告を行いますよう、現在指導を行っているところでございます。  また、臭いにつきましては、昨年の11月ごろにちょっとお話を聞いておりまして、覆土を行うように業者を指導いたしまして、業者はそれに従っております。  次に、国立療養所福井病院の後医療について、県は十分な財政支援、病院スタッフの確保を行うべきであるが、取り組み状況と支援の考え方についてどうかというお尋ねでございます。  国立療養所福井病院の後医療につきましては、平成11年3月に福井病院の敦賀病院への統合方針が発表されまして以来、地元に対しまして必要な助言及び指導を行ってきたところでございます。また、昨年4月からは国や関係市町村間の連絡調整を円滑に行うということで、三方町の福井病院移譲対策室長として県職員の派遣をしているところでございます。今後は、地元市町村等の意見を十分聞きました上で、嶺南地域の医療の確保を図る観点から必要な支援を行ってまいりたいと考えております。  具体的には、公立丹南病院組合に対しまして行いました支援策も踏まえまして、適切な財政支援策を講じてまいりたいというふうに考えております。また、さらに国に対しましても、最大限の助成を強く要望してまいりたいと思っております。  また、病院スタッフの確保につきましては、公立病院小浜組合に対しまして、必要に応じまして協力してまいりたいと考えております。  同じく国立病院につきまして、統合後の国立療養所敦賀病院の重度心身障害児病棟について、県は国に3階建てではなく平屋に再検討するよう強く働きかけるべきではないかということでございます。  国立療養所敦賀病院における重症心身障害児医療につきましては、現在厚生労働省が重症心身障害児の親の会とも協議を重ねながら、重心病棟の整備について検討を進めているというふうに聞いております。県といたしましては、その対応状況を見守ってまいりたいというふうに考えております。 40 ◯副議長(石川与三吉君) 奥山君。 41 ◯5番(奥山裕二君) 時間がありませんので、簡単に行います。  まず、「もんじゅ」ですけれども、事故を起こしましたけれども、その後事故再現実験の状況が事故の状況と全く違った状況が出ております。そういう意味では、同条件でもなかなか同じ結果が出せない、それくらい非常に難しいと、技術的に難しいという証拠のあらわれではないかというふうに思っておりますし、また、蒸気発生器と加熱器の検査装置の問題でも、平成6年に「もんじゅ」は運転したんですけれども、その時期に検査の試験装置をつけたわけですけれども、それがうまくいかない。それで、11年に、今度は新しい渦電流の探傷検査装置をつけたわけですけれども、これが先ほど堂前先生が言われているように、20%以下のピンホールやひび割れが、この装置では見つからないということが、この間の核燃料サイクル機構の説明会でもはっきり核燃の方から言われております。そういう意味では事故の再現実験といい、さらには今の試験装置といい、技術が全く確立をしていない、そういうふうに私は、「もんじゅ」については思うわけでございますけれども、知事は「もんじゅ」の技術をどのように見ているのか、「もんじゅ」はもう完成されていると、そういうふうに見ているのか、いやいや、まだまだ完成されていないんだと、そういうふうに見ているのか、その点を聞いておきたいというふうに思います。  それから見通しの問題で、再処理技術もないし実用化も明確にならない、仮に再処理されたとしても高レベルの廃棄物が出てくるわけですけれども、この処理方法も全くない。だから、そういう意味では将来の見通しが全くないわけですけれども、「もんじゅ」というのは、いわゆるサイクルの中核をなすものだというふうに言われておりますけれども、これでは中核にもなりませんし、高速増殖炉というのは増殖をするわけですね、それで意味があるわけですから、再処理もできないのに増殖はできないわけですから、「もんじゅ」を動かしてもそういう意味では全く意味がないわけですね。そういう意味で、「もんじゅ」の将来の見通しについて知事の考えをお聞きしたいなというふうに思います。  それから…… 42 ◯副議長(石川与三吉君) 発言時間を超過しておりますので、簡潔に願います。 43 ◯5番(奥山裕二君) はい、わかりました。  (続)「もんじゅ」を動かしたからといって福井県あるいは敦賀、嶺南にとって何のメリットがあるのかと考えたときに、何にもメリットがないのではないかと。結局、そういうことになると思うんですね。事故を起こしたら、幾ら宣伝しておっても風評被害がどんどん来る。そういうことですから、知事は福井県にとって「もんじゅ」を動かすことについてどういうメリットがあるというふうに考えているのかお聞きいたします。 44 ◯副議長(石川与三吉君) 奥山君に申し上げます。  発言時間は終了いたしておりますので、御了承願います。  知事栗田君。       〔知事栗田幸雄君登壇〕 45 ◯知事(栗田幸雄君) まず、「もんじゅ」の安全性の問題でございますが、国の責任において安全審査を行う、その過程で県としても十分な確認をしてまいりたいと、このように考えております。  2番目に、「もんじゅ」は増殖ができないのではないかというお尋ねでございますが、高速増殖炉開発ということで、国が「もんじゅ」についてどのような位置づけをするかということで長計では明らかにしているわけでございまして、こういった国の考え方をさらに再確認をしていきたいというぐあいに思っております。  それから、「もんじゅ」が本県にとって一体どういうメリットがあるのかということでございまして、この点につきましては、国の長期計画で位置づけております高速増殖炉の位置づけ、また「もんじゅ」の位置づけ、それにつきまして確認をいたしますとともに、国のそういった考え方に基づく今後の「もんじゅ」のあり方というものについて県議会で十二分に議論をしていただきまして、そして、県として結論を出していきたい、このように考えております。 46 ◯副議長(石川与三吉君) 山岸君。       〔山岸猛夫君登壇〕 47 ◯13番(山岸猛夫君) 県会自由民主党の山岸猛夫でございます。通告に基づきまして、質問と提言をさせていただきます。知事初め理事者各位には、明快で誠意ある御答弁をお願いするものであります。  21世紀が幕をあけまして、約2ヵ月余りが経過したころでございます。20世紀最後の年である2000年は、バブルの崩壊による不況の中で推移いたしましたけれども、昨年11月には、国において11兆円規模の総合経済対策によりまして、新世紀の初頭には、少しは明るさの見える、希望の持てる新世紀の幕あけを大いに期待したところでありますけれども、経済は一向に回復の兆しが見えないばかりか、年が明けてから今日まで、政治経済はもとよりでありますが、新聞、テレビ等でも暗いニュースばかりが目立つような気がするわけでございます。このような新世紀の幕あけを、知事はどのように認識されておられるのかお尋ねをいたします。  また、福井県のトップリーダーとして、これから先、83万県民をどのように導いていかれるのかもお伺いをいたします。  景気の低迷が続く中、過去のバブル期はもう2度と来ないであろう、このように思うのは私だけではないと思いますが、せめてある程度先の見える、また計画の立てられる年であってほしい、このように思うほど景気が冷え込んでおる中で、国においては、先ほど、緩やかな改善が続いていると発表した景気判断を、それ以下に下方修正したところであります。株価に至っては、昨年の2月に2万円台であったものが、バブル崩壊後の再安値を更新し、今や1万3,000円を大きく割り込んでいます。株価が1,000円下がると約17兆円程度の資産が目減りすると言われておりますから、この1年間で100兆円余りの資産が目減りしたことになるわけであります。このような状況の中では、先行き不安が大きくなるばかりで、個人消費が伸び悩むのは当然のことでありますから、景気もよくならないわけであります。本格的な景気の回復は、一体いつになるのでありましょうか。もし、先の見える神様がおられるなら、ぜひ一度聞いてみたい、このように思うわけであります。  また、本県経済においても大変厳しい状況にあることは周知のとおりであります。一部には好調を維持しているものの、全体としては厳しさが増しているものと思われます。県内の倒産は、ことしに入っても多発しており、ある調査機関の発表によると、負債総額が1,000万円以上の県内倒産件数は、本年2月まで12ヵ月連続で2けた台を記録しており、ことしに入って2ヵ月間で負債総額が10億円以上の大口倒産が3件もあり、その原因は、販売不振を中心に不況型が全体の7割を占めるそうであります。また、既に多額の負債を抱え、破産申請の準備に入っている企業も数社あるとのことであり、実態は、統計数字以上に深刻な事態との調査結果が去る3月2日の新聞で報道されたところであります。  そんな中で県は、13年度当初予算の発表と同時に、中小企業対策、雇用対策、社会基盤の整備を柱に739億円の経済対策を発表したところであります。知事は、本県経済の現状をどのように認識され、また、今回の経済対策についてどのように評価されるのかお尋ねをいたします。  また、この中で、これまで中小企業に対し円滑な経営を図るために行ってきた制度融資が、17制度18資金であったものから、新年度は、制度の簡素化、融資額の増大、貸し付け期間の延長などを考慮した8制度11資金という内容に改めることになりましたが、中小企業者にとっては、必要なときに利用しやすい制度でなければならないわけであります。新制度には、ほかにどのようなメリットがあるのかお尋ねをいたします。  また、今月2日に総務省が発表した1月の完全失業率は4.9%となり、1953年の調査開始以来、最悪の状態になったとのことであります。失業者数は、前年の同月と比べて8万人もふえ、317万人に達したそうであります。本県の雇用情勢については、昨年の1月から連続して1割台を維持してきたものの、新規求人数については、25ヵ月ぶりに前年同月を下回り、新規求職者の中には、解雇によるものが急増しているようで、先行きに不安感が高まっております。  そこで、緊急地域雇用特別基金事業により、教育、環境、美化産業、観光振興等の雇用創出効果の高い事業を実施しているとしていますが、その実施方法についてと、どれくらいの新規雇用の創出が可能なのかお尋ねをいたします。  また、企業の誘致を望んでいるところは全国的に多々あると思いますけれども、本県での本年までの実績と今後の見通しについてもお伺いをいたします。  次に、IT革命への対応についてお尋ねをいたします。  昨年、知事は、県IT推進本部を設置するとともに、最新の情報通信分野に精通した有識者の助言を得るため、福井県IT顧問の委嘱を行い、情報立県の形成を目指しIT関連施策に全庁体制で取り組まれ、そして本年の2月には、県IT推進アクションプランを策定されました。また、今回の特別枠予算の中で18事業が提案されており、知事のIT革命に対する意気込みがうかがえるものであります。今、このITブームの中で、電子県庁の構築に取り組んでいるところでありまして、広く県民にITを利用した情報の公開は、時代の流れかもしれません。しかし、個人情報を含めたデータの保護には課題があります。保護について、今後どのように取り組まれるのかお伺いをいたします。  また、国では森総理が、5年後には世界一のIT国にするとの表明がなされたところであります。ぜひ本県もIT分野の推進に力を入れていただきたいというふうに思うわけでございます。  そこで、本年度から、県内の公民館等にパソコンを配置し、研修会を開催するとのことでありますが、その方法と取り組み方についてお伺いをいたします。  次に、農業についてお尋ねいたします。  21世紀を迎え、我が国の経済社会は大きな転換期にあるわけでありますが、私は、経済だけでなく農業においてもそのことが言えるのではないかと思うわけであります。国民生活の中で一番大切なものは食料であり、我々国民が健康で充実した生活を送ることの基礎となる安全で安心を得られる食料を安定的に供給していくことは、国の基本的な責務であろうというふうに思います。こうした食料の安定供給の機能に加え、国土や自然環境の保全等の多面的な機能を持っている農業と農村について、消費者との共生という考えのもとにその健全な発展を図ることは、将来にわたって国民が安心して暮らせる豊かな社会を築いていく上で必要不可欠であるということから、一昨年の7月には、新たに食料・農業・農村基本法が制定されたところであります。その理念に基づき、昨年の3月には、食料・農業・農村基本計画が策定されました。その中で、特に食料自給率の目標は、平成22年度において45%としておりますが、その目標を達成するためには、生産者、食品産業の事業者、そして消費者などの関係者が一体となって取り組むことが不可欠であります。農業というものは、どんなにすばらしい農産物をつくったとしても、価格は人任せであり、そして、作物のできぐあいを大きく左右する天候は空任せというぐあいであり、特に野菜などは、天候のよしあしに左右されやすく、作物によっては長雨等で全く出荷ができないということであります。その上、米価は下がる一方でありまして、一番高いときと比べますと、現在60キログラム当たりで約8,000円ほど安くなっております。さらに、生産調整目標面積は、13年度には過去最高の1万549ヘクタールが本県に割り当てられ、また、野菜においても外国からどんどん安いものが入ってくるというのが現実でありますから、生産者にとりましてはまことに厳しいと言わざるを得ないわけであります。  県では、本年2月、21世紀福井の食料・農業・農村ビジョンの概要が示されたところであります。知事は、本県の現在の食料・農業・農村をどのように認識されておられるのか、また、新しいビジョンの評価とそのビジョンの推進のため、今後どのように県民に理解と参加を促進していかれるのかお尋ねをいたします。  県は、新しいビジョンの中で、農業・農村の公益的な機能を適切に発揮させていくためには、農業者と消費者、農村と都市との共栄が重要としています。その中で、安全で安心な食料の供給によるところの望ましい食生活の確保について、どう取り組むのかお尋ねをいたします。  また、学校給食に県産農産物は現在どの程度使用されているのか。また、今後の見通しについてもお尋ねをいたします。  また、平成11年度の本県の農業粗生産額に占める米の生産額は、富山県の71.7%に次ぐ69.7%で、全国で2位となっております。このことは、いかに米を多くつくっているか、また米しかつくっていない生産者が多いかのあらわれであります。  このような状況を踏まえ、本県農業の持続的発展を図るには、水田を生かし、低コストで生産力の高い農業を目指すことが必要であります。平成12年度から実施されている新たな生産調整対策として水田農業経営確立対策で、麦、大豆、飼料作物を本作として生産の拡大を図ることとなっておりますが、本県においては、国が推進する麦、大豆、飼料作物はもとより、県独自の基幹作物として推進してきたソバ、地力増進作物についても本作として推進することが、本県の水田農業の確立を図る上で極めて重要であるとし、このため、ソバ、地力増進作物を、本県独自の基幹作物として一定の要件を満たした栽培に取り組む営農集団に対し支援するものでありますが、12年度の実績と今後の普及目標についてお尋ねをいたします。  また、秋田県では、国の研究総合米対策で生産調整の緊急拡大分に対し、県独自に10アール当たり3,000円を助成し、その目標の達成を促す事業を13年度から実施する方針で、国の稲作経営安定対策についても、認定農業者らを対象に、補てん基準価格を10割にする補てん事業に取り組み、農家の営農意欲を高めていくこととしております。その理由は、米の依存度が高く、農業粗生産額に占める割合は64%に及んでおり、複合経営を進める上でも経営の柱となる水田農業の強化は欠かせないと対策の必要性を認めているとのことであります。  本県も秋田県同様、米の依存度が高いわけであり、国の緊急総合米対策で取り組む生産調整の拡大分に対し、どのように取り組むのかお尋ねいたします。  また、これまでにもいろいろと取り組んできた担い手の確保も重要な課題であります。そのためには、はっきりとした将来展望の確立が必要と思います。努力をして働いても所得が得られないということでは、農業をやろうという意欲は起こらないわけでありますから、農業を守るためには、何としても安定した所得対策が必要であります。経営の安定を図ることは重要な課題であります。望ましい農業構造を確立するためには、意欲を持てる農業と農村にしていかなければならないと思います。  そこで県は、担い手の確保にどのような新しい施策があるのか、また、女性農業者の経営参画と熟年農業者等の役割の発揮についても、どのように推進されるのかお尋ねをいたします。  少子化が進む中で、将来の担い手となる子供たちに対しても、食料・農業・農村の正しい理解を促す必要があると思いますが、教育の中でどのように取り組むつもりなのかお尋ねをいたします。  最後に、恐竜街道についてお尋ねをいたします。  昨年、勝山市長尾山公園をメーン会場に、大野市、和泉村をサブ会場とし、恐竜研究の拠点となる世界でも有数規模の恐竜専門の博物館のオープンを契機として、県においては、福井復興博覧会以来の県を挙げてのビックイベントである「恐竜エキスポ福井2000」が開催されたところであります。県内外の多くの来場者に、恐竜王国福井と本県の誇る産業や自然、文化を大いにアピールしたところであり、本県の大幅なイメージアップを図ったところであります。あわせて、福井、石川、富山、岐阜の各県が、恐竜街道ふれあい館に出展をし、この4県を結ぶ恐竜街道をテーマに観光スポット、地場産業、伝統工芸などを紹介しました。このエキスポでの連携を一過性のものでなく、恐竜街道で結ばれた各地域から、引き続き広域的な観光の魅力の発信、新しい観光要素の創造を図るなど、エキスポによる効果を今後も生かしていくことが重要であることから、今回、恐竜街道構想推進事業が発表されたところであります。観光産業は、21世紀の大きな目玉とも言われております。  そこで、お聞きをいたします。恐竜街道の起終点はどこになるのか、また、延長はどれくらいになるのか、そして4県につながる恐竜街道を、どのようにイメージアップさせるのかお尋ねをいたします。ぜひ多くのドラバーに恐竜王国福井をアピールしていただきたい、このように思うわけであります。  以上で、私の質問を終わります。 48 ◯副議長(石川与三吉君) 知事栗田君。       〔知事栗田幸雄君登壇〕 49 ◯知事(栗田幸雄君) まず、新世紀の幕あけをどのように認識しているのか、また、今後の県政推進にどのように取り組んでいくのかというお尋ねでございます。  21世紀を迎えました今、世界は、あらゆる分野で地球規模での構造的な大転換期にあると認識いたしております。特に人口減少、高齢化、グローバル化、IT革命の進展、地球環境問題の深刻化など、本県を取り巻く社会経済情勢は、一層激しく変化するものと予想されます。こうした変革期の中にありまして、県民の皆さんは、景気の本格的な回復はもとより、安心して毎日の生活を送ることができる地域の創造に向けまして、高速交通網の整備、IT関連施策の推進、教育や福祉環境施策の充実など、より一層強力な県政推進に大きな期待を寄せておられるものと認識いたしております。このため、私は、地方分権時代にふさわしい行財政システムを確立しながら、県政の重要諸課題の解決に強いリーダーシップを発揮し、県民の皆様方が、本県に住むことに誇りと喜びを感じていただけるような県づくりに邁進する決意であります。  本県経済の現状の認識、また、今回の経済対策についてどのように評価しているのかというお尋ねでございます。  本県経済につきましては、個人消費が依然低調な動きになっており、生産活動は全体として生産水準の低下が見られ、景気の先行きに対する不透明感が強まる中で、個々の企業を取り巻く経営環境は、厳しい状況にあると認識いたしております。また、雇用情勢でございますが、2月の本県の有効求人倍率は1.07倍となりまして、13ヵ月連続して1倍を超えておりまして、安定的な動きを示しておりますが、中高年齢者等は、依然として厳しい状況にあります。  このような厳しい状況に対応するため、平成13年度当初予算案におきまして、公共事業やIT革命への対応に加えまして、金融対策の充実強化、経営革新の促進など県内企業の経営基盤の強化、新産業の創出、新規雇用の創出等、中小企業対策、雇用対策に重点を置いた経済対策を実施することとしたところでございます。今後とも、県内企業の動向や雇用情勢を十分見きわめながら、切れ目のない経済対策に取り組むことによりまして、本県経済の持続的かつ本格的な回復を図ってまいりたいと考えております。  県の制度融資を簡素化また融資額の増大、貸付期間の延長など見直しを行いましたが、この制度の利点はどういうところかというお尋ねでございます。  今回の制度融資の見直しによりまして、融資限度額の引き上げや貸付期間の延長のほかに大口開業支援資金を創設いたしましたし、また、創造的事業活動支援資金につきましては保証料の全額を、産業活性化支援資金の経営革新支援分につきましては保証料の一部を、新たに助成することといたしました。また、運転資金の融資限度額の引き上げによりまして、研究開発、ITへの取り組み及び経営の安定に中小企業者が適切に対応しやすくしております。さらに、貸付期間の延長によりまして、事業成果が上がるまでに期間を要する新規の取り組みにも着手しやすくなるなど、きめ細かな配慮を行いまして、中小企業者の利便を図ることといたしております。  次に、農業問題についてお尋ねをいただきました。  現在の本県の食料・農業・農村をどのように認識しているのか、また、新しいビジョンの評価とビジョン推進のため、今後どのように県民の理解、参加を促進していくのかというお尋ねでございます。  本県農業・農村は、本県の基幹産業として地域経済の維持、発展に大きな役割を果たしますとともに、県土の保全、環境の保全、さらには水資源の涵養など、県民が安心して快適な生活を営む上での重要な役割を担っております。しかしながら、近年、米価の下落、輸入野菜の急増、転作面積の拡大のほか、担い手の減少、高齢化の進行や耕作放棄地の増加、集落機能の低下などによりまして、本県農業・農村は、大変厳しい状況にあると認識いたしております。  このような情勢に対応し、21世紀の本県農業・農村を持続的に発展させていくため、本県における食料農業・農村の将来展望とその実現のための施策を明らかにした新たなビジョンを策定いたしました。このビジョンにおきましては、農業者と消費者、農村と都市が相互に連携を強め、共栄していくことを基本といたしまして、農業者のみならず県民全体の視点に立った施策を展開することとしておりまして、その推進に当たりましては、県民に対するきめ細かな啓発を行いますとともに、農業体験や農村との交流活動を通じまして、県民の理解を促進するなど、関係団体や地域住民と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。  生産調整対策の拡大分に対する助成の問題でございますが、緊急総合米対策で取り組みます生産調整の緊急拡大分につきましては、単年度限りの措置とはいえ、麦、大豆、ソバ等の本格的な生産に誘導することが極めて重要でございます。このため、県といたしましては、国の助成措置を積極的に活用いたしますとともに、県独自の支援措置といたしまして、水田高度利用奨励事業を創設いたしました。これによりまして、生産調整の緊急拡大分につきまして、麦プラス大豆、麦プラスソバの周年作に取り組む営農集団に対しまして、それぞれ10アール当たり1万6,000円、1万1,000円を助成することといたしております。 50 ◯副議長(石川与三吉君) 総務部長牧野君。       〔総務部長牧野百男君登壇〕 51 ◯総務部長(牧野百男君) IT革命への対応について、電子県庁の構築におけるデータ保護についてどのように取り組むのかとのお尋ねでございます。  情報通信技術の急激な進展に伴いまして、これら技術の悪用による個人情報の漏えい、あるいは破壊といった社会問題が発生をしております。このため、県におきましては、電子県庁の基盤となる行政情報ネットワークの整備に当たりましては、外部からの不正なアクセスによるデータの漏えいや破壊などを未然に防止するためのファイアウォールの構築、あるいは重要データの複製及び保管など、万全のセキュリティー対策を講じております。今後とも、技術の進歩に応じた適切なセキュリティー対策を講ずることにより、個人情報などデータの保護に努めてまいりたいと考えております。  次に、研修会の方法と取り組みについてのお尋ねでございます。  県におきましては、すべての県民が、IT革命の恩恵を享受できるようインターネットの利用に必要な基礎技能の習得を目的としたIT講習会を、市町村と連携して、本年度と平成13年度の2ヵ年間で実施することとしておりまして、県及び一部市町村では既に講習が開催されております。  IT講習は、20歳以上の県民の方約3万5,500人を対象といたしまして、公民館や小中学校のほか、一部民間施設も活用して実施することとしております。また、IT講習の具体的実施に際しましては、昨年末に設置をいたしました県及び市町村の担当課長で構成しております福井県IT講習推進連絡協議会を中心にいたしまして相互調整を行うなど、各種広報媒体を活用いたしまして、県民への周知に努めながら、一人でも多くの県民が受講できるように、市町村と十分連携をして取り組んでまいりたいと考えております。 52 ◯副議長(石川与三吉君) 商工労働部長谷口君。       〔商工労働部長谷口伊兵衛君登壇〕 53 ◯商工労働部長(谷口伊兵衛君) まず、緊急地域雇用特別基金事業について、その実施方法、また、どれくらいの新規雇用の創出が見込めるかとのお尋ねでございます。  緊急地域雇用特別基金事業は、厳しい雇用失業情勢を踏まえ、臨時応急の措置として平成11年度より実施しているものであります。事業最終年度の平成13年度におきましては、県では、雇用創出効果の高い事業のほか、将来的にさらなる雇用就業機会の創出が期待できる産業振興や、地域活性化に関する事業、障害者の雇用、自立を促進する事業、直面する課題等に対応するための調査事業等にも取り組むこととしております。県、市町村合わせて71の事業を実施し、四百数十人の新規雇用就業者の創出を図っていきたいと考えております。  なお、この事業によります雇用期間は6ヵ月未満であります。更新はできないものとされておりますが、当該事業での就業経験や研修等も生かして、その後の新たな雇用につながることも期待をしているところでございます。  次に、企業誘致の実績と今後の見通しについてでございますが、企業立地の促進は、県内産業構造の高度化、雇用機会の拡大に寄与し、本県産業の発展と県民生活の安定に非常に重要であると考えております。  本県の企業立地の実績は、平成元年以降で、件数で428件、敷地面積で501.6ヘクタールであります。平成12年度におきましては、件数で14件、敷地面積で13.5ヘクタールとなっておりまして、前年度と比較しまして、件数では5件、面積では7ヘクタール増加をいたしております。  今後の見通しでございますが、IT関連産業や情報サービス業などの業種におきまして、県内への設備投資の動きが見られます。これらの業種を中心に、全国トップレベルの企業立地促進補助金等の優遇制度を活用した企業誘致活動を一層積極的に行うことによりまして、県内への企業立地の増大に結びつけたいと考えております。  次に、恐竜街道につきまして、その起終点あるいは延長、あるいはどのようにイメージアップをするのかというお尋ねでございます。  恐竜街道構想は、手取層群で結ばれました福井、石川、富山、岐阜、4県の恐竜化石産出地域を街道として結び、恐竜という魅力的でわかりやすい素材と、これらの地域ならではの名所、名物、名人などの観光資源を組み合わせ、魅力ある地域づくりや地域の内外との交流を促進するとともに、全国に向けて情報を発信し、地域の活性化や観光の振興、イメージアップを図ろうとするものであります。  街道の具体的なルートやイメージアップのためのPR方法、受け入れ体制の整備などの具体的内容につきましては、今後、各県や関係市町村、民間団体と十分に協議するとともに、関係機関が一体となりまして、恐竜街道シンポジウムを開催するなど機運の盛り上げを図りながら、平成13年秋を目途に構想を策定していきたいと考えております。 54 ◯副議長(石川与三吉君) 農林水産部長佐本君。       〔農林水産部長佐本和男君登壇〕 55 ◯農林水産部長(佐本和男君) まず、望ましい食生活の確保についてのお尋ねでございます。  安全で安心な県産農産物に対します県民のニーズに対応いたしまして、県では、県産品の愛用運動の推進、また、県独自の地域加工食品や有機農産物等の認証制度を導入いたしまして、県産農産物の県内供給の拡大を図ることとしております。  また、県民の食生活が多様化いたします中で、食に対する正しい知識や健全な食習慣の啓発が重要であることから、県では、国の食生活指針を踏まえまして、米を中心とした県産農産物の食材を組み合わせて、健康的に、栄養的にバランスがとれて、健康的で豊かな本県独自の食生活のあり方を、福井型食生活として提案し、県民に広く普及啓発をすることとしております。  次に、学校給食に対する県産農産物の利用についてのお尋ねでございます。  県産農産物の県内供給を促進するために、学校給食においても県産農産物の供給を進めることが重要であると認識しております。現在県では、学校給食における県産米利用に支援を行っておりまして、米飯給食の実施回数は週3.3回ということで、全国平均の2.7回を上回っております。この米飯給食につきましては、県産米が100%使用されております。しかし、米以外の農産物につきましては、学校給食での利用が少ないものと考えております。このため、生産者と学校給食関係者等との意見交換、またこれらの実態調査などを行いながら、この結果を踏まえて、学校給食における県産農産物の利用の拡大を図ってまいりたいと考えております。  次に、生産調整対策におけるソバ、地力増進作物の取り組み状況についてのお尋ねでございます。ソバや地力増進作物に対します県独自の支援措置でありますが、地域振興作物生産高度化促進事業を実施しております。この事業につきましては、大野市ほか7市町村で現在取り組まれておりまして、ソバ201ヘクタール、地力増進作物43ヘクタールの栽培の実績となってございます。県といたしましては、今後とも、中山間地域を中心といたしまして、生産組織などによります作業受委託を進めて、当面の事業の目標面積でありますソバの240ヘクタール、地力増進作物の75ヘクタールの達成に向けて、この事業の推進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。  次に、農業の担い手の確保についての対策についてのお尋ねでございます。
     地域の特性を生かしました福井型農業を今後推進していくためには、多様な担い手の確保・育成が極めて重要でございます。このため、食料・農業・農村ビジョンの中で主要な柱としてその推進を図ることとしておるところでございます。このため、認定農業者や農業法人、生産組織につきましては、この経営改善に必要な機械、施設等の導入に係る支援を強化してまいることとしております。  また、新規就農者に対しましては、就農初期の経営安定支援を充実・強化いたしますとともに、新たに地域外からの就農者に対する住宅確保の支援についてこれを実施してまいりたいと考えております。  また、女性農業者の経営参加につきましては、意欲的な女性農業者に対しまして、経営の多角化、また起業化に対する支援を行いますとともに、異業種とのネットワーク化やまた家族経営協定を推進してまいりたいというふうに考えております。  熟年農業者につきましては、豊富な経験や技術を生かしていただきながら、生産活動に従事していただくとともに、村の達人によります技や知恵の伝承活動に対しましても、これを推進いたしまして、生涯現役で活躍できるように支援してまいりたいと考えております。  最後に、食料・農業・農村に関する教育の取り組みについてのお尋ねでございます。  次の時代を担う子供たちにつきまして、この次の時代を担う人を広く確保、育成してまいるためには、中長期的視点に立って、子供たちに対しまして農業・農村や食についての正しい知識と理解を促すことが重要であると考えております。このため、学校や地域、関係機関と連携いたしまして、指導マニュアルや学習教材の作成、また、指導者の養成を図りますとともに、「育てる、食べる」を中心とした体験学習、農業・農村の持つ多面的な機能に関する学習を積極的に推進してまいりたいと考えております。 56 ◯副議長(石川与三吉君) 本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめ延長いたしますので御了承願います。  ここで、暫時休憩をいたします。   午後4時40分 休 憩              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   午後6時 再 開                 会議に出席した議員(38名)    1番  吉  岡  秀  雄           21番  山  根  徳  男    2番  山  本  正  雄           22番  前  田  康  博    3番  堂  前     広           23番  池  端  忠  好    4番  佐  藤  正  雄           24番  久  保  新  六    5番  奥  山  裕  二           25番  佐々木      治    6番  和  田  高  枝           26番  石  川  与三吉    7番  一  瀬  明  宏           27番  大  戸  好  夫    8番  山  田  庄  司           28番  山  本  芳  男    9番  野  田  富  久           29番  美  濃  美  雄    10番  石  橋  壮一郎            30番  佐  孝  幸一郎    11番  斉  藤  新  緑           31番  西  村  由  夫    12番  田  中  敏  幸           33番  関     孝  治    13番  中  川  平  一           34番  池  田  俊  男    14番  山  岸  猛  夫           35番  坂  川     優    15番  高  島  寛  正           36番  中  井  石  男    16番  松  崎  晃  治           37番  今  村  重  治    17番  屋  敷     勇           38番  中  島  弥  昌    18番  欠        員           39番  松  田  幸  彦    19番  奈  良  俊  幸           40番  別  田  重  雄    20番  佐々木   哲  男              ───────────────────                  会議に欠席した議員(1名)    32番  山  本  文  雄              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 57 ◯議長(美濃美雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  斉藤君。       〔斉藤新緑君登壇〕 58 ◯11番(斉藤新緑君) 県会自由民主党斉藤新緑でございます。全国初の県議会レベルのナイター議会ということでございまして、傍聴もいっぱいいらしておりまして、こういう場で先発登板をさせていただきますことを、光栄に存じているところであります。  こういうことを契機といたしまして、県民の皆さんが、自分のうちのことのように福井県を心配をし、今何をなすべきなのか、みんなで知恵を出し合って、そしていい福井をつくろう、そういう雰囲気になったらいいな、あるいは自己中心の子供が多くなったと言われますが、世のため、人のために一働きしようと、そういう夢のある福井県になったらいいなと、そんな思いをしているところであります。  そういう思いを込めまして、今議会におきましては、開かれた行政ということで、特に自治体のIT革命及びこの厳しい時代におけるところの予算、お金の使い方、使われ方、こういった点について理事者をただしていきたいというふうに思うのであります。  さて、いよいよ21世紀になったわけでありまして、実は私、子供のころは、鉄腕アトムが空を飛ぶような、そんな明るいイメージを持っていたわけでございますけども、現実にこの21世紀になりますと、新世紀だ、21世紀だ頑張ろうというような空気よりも、むしろ漠たる不安といいますか、何か芥川龍之介が自殺したような言葉を思い浮かべるようなところがございまして、非常に目先も、行く末も心配をするというふうな状況が生まれています。  政府においても2日、いよいよデフレ宣言とでもいうべき日本経済について確認をしているような状況がございます。バブル崩壊後、景気回復を最優先してきて、赤字に目を触れず頑張ろうというふうなことでありましたけれども、結果としては、この失われた10年を含め、金融危機を回避しようとして努力をしてきましたけれども、結局のところバブル崩壊、最悪の株価になって金融危機が再燃するというふうな状況になりました。ここ10年に費やしたお金は130兆円を超えるわけでございまして、一体そのお金はどこへ行ってしまったのか、何に使ったのか、こんな疑問をだれもが抱くような状況でありまして、今、政府やあるいは日銀が、お互いの政策を責任転嫁し合うというふうな非常に情けない事態も起きているわけでありまして、こういう場面で、目先どうあるべきなのか、あるいは行く末どうすべきなのかときちんとアナウンスする人がいないということの悲しさをひしひしと感じるわけでありまして、その面で、改めて政治がしっかりしていかねばならないと、そのことを痛切に感じるわけであります。  さて、そういう厳しい環境の中で、地方自治体においても地方分権時代を迎えているわけでありまして、情報化、国際化、技術革新、成熟化、少子高齢化などの世界のメガトレンドにマッチした地域経営戦略を通して、文字どおりの21世紀型地方自治を構築していかねばならないと思います。  さて、その中で最も重視されるのが、産業革命に匹敵すると、大変革と言われるIT革命でありまして、それに対応した知識創発のための環境整備いかんが、21世紀の世界比較優位を決定づけることが確実というふうに言われています。取り組みがおくれていた我が国においても、昨年12月にIT国家戦略を定め、5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指すという強い決意が示されたところであります。本年1月6日には、IT基本法も施行されました。  一方、国の地方公共団体への電子化推進に当たっては、昨年7月自治省に地域IT推進本部が設置され、2003年までに電子政府の基盤を構築するという政府の方針を踏まえ、地方が早急に取り組むべき事項を具体的に示した「IT革命に対応した地方公共団体における情報化施策等に関する指針」と、その取り組みに対して国が支援する事項やスケジュールを示した「地域IT推進のための自治省アクションプログラム」を策定をいたしました。  これらを受けまして、本県においてもIT革命への対応としての各種施策が講じられていると思われますが、くしくも福井県の平成13年度当初予算の中には、事業名に「福井県情報スーパーハイウエー整備事業」というのがあります。情報スーパーハイウエー構想は、周知のように、1993年に成立したクリントン・ゴア政権が、当初から膨大な財政赤字に直面し、連邦政府の行政改革への取り組みが急務とされ、ITによるリエンジニアリング、つまり行政における情報技術を活用した改革というコンセプトを生み出したものでありまして、ここで初めて「電子政府」という言葉も登場したわけであります。  日本においても、97年に大きく改定されました行政基本情報化推進基本計画におきまして、旧来の制度・慣行の見直し、簡素で効率的な行政、国民に開かれた、信頼された行政、行政改革の手段という言葉が使われ始めました。つまり、情報技術を、事務処理、効率化のための道具としてだけではなく、従来の制度・慣習や業務プロセスを変革し、国民との関係を変え、組織を改革していくための道具として活用していくという方針が明確に打ち出されたわけであります。わざわざスーパーハイウエーと銘打って事業名としたのは、これらを意識した意気込みとも受け取れますが、IT革命ということについて、知事はどのような認識をお持ちなのか、その取り組み姿勢とあわせお伺いをします。  さて、コンピューターという道具は、あいまいさやいいかげんさを極端に嫌うわけでありまして、今まで大きな権力を振るっていたあいまいさの根本である慣習やしきたりにメスを入れ、人々の今までの意識に大きな影響を与えることになります。自治体の情報公開条例を利用した行政文書の入手により、官官接待、から出張、不正経理などの実態がマスコミをにぎわせたことは、記憶に新しいところであります。民間人から見れば、明らかな犯罪行為と映るものが、行政内部では、しきたりや慣習として連綿と続いていたことが明らかとなったわけでありますが、問題は、悪いことをしたことにあるのではなく、悪いことを悪いことと判断する能力を組織が失っていたということにあると言っていいでしょう。行政改革の一環としてITを導入し、従来の業務プロセスや組織文化を変えていくことのできるのは、トップだけであり、だれよりもITについて深く理解し、率先して活用していく必要があると思われます。  アメリカ連邦政府がNPRという行政改革を行ったときには、上司ではなく顧客の顔を見て仕事をしろというキャッチフレーズで、国民を顧客としてとらえるべきことを職員に植えつけたというふうに聞きます。知事にも同様に県民を顧客としてとらえる明確なキャッチフレーズで職員を改革へと突き動かし、従来の殻を打ち破っていただきたいと思います。  福井ドットコム事業という名の予算もあります。文字どおり県が民間企業並みの意識を持っていただかなければなりません。行政は最大のサービス産業でなければならず、その面で福井県が県下ナンバーワンのサービス企業となるべきだと思いますが、トップである知事の方針をお聞かせ願いたいと思います。  また、昨今、公務員制度、人事制度について改革が求められていますが、知事は、IT革命時代における組織機構、人事政策をどのようにお考えになられているのか、お聞かせ願いたいと思います。  さて、ITとは、情報を扱う技術でありまして、幾らすばらしいソフトやハードがあっても、コンテンツ──つまり中身がなければ役に立たない技術で終わってしまうわけであります。行政機関で扱うコンテンツとは行政情報であり、このコンテンツが自由に流通しなければ、情報技術の普及や発展はあり得ません。この情報を外部へ出し、自由に流通させるものが情報公開であり、これからの時代は開示請求によって情報を開示するのではなく、存在する情報はでき得る限り公開していくこと、すなわち、積極的な電子的情報公開が求められているわけであります。一部の自治体では、既に不正経理問題に端を発して、食料費、旅費の執行状況などをインターネットで公開をしています。予算の執行状況についても、毎月月決めでデータベースのコピーをそのままインターネットで流せばよいだけのことであります。福井県の情報は、アクセスしても新聞に掲載してある程度のものしかありません。岡山県では、今年度より、庁内情報通信網──LANに議会も接続していると聞くわけでありまして、これは、提供情報の充実によりまして、ネットワークの利用が進んでいるものというふうに解釈をされます。本県においても、単なる観光案内や組織の紹介だけでなく、議案や予算や政策構想など、電子メールでの送付やインターネットを利用した情報の提供の対応が必要だと思うわけでありますが、その取り組み状況をお示し願いたいと思います。  また、IT関連事業予算を見ますと、それ、意外と中身に比して予算額が大きく、アウトソーシングしているように思うわけでありますが、県庁内に部署のホームページを開設したりする程度のレベルを持った職員はどの程度養成をされているのか、お聞かせ願いたいと思います。  職員に資格を持たせ、地域に講師として派遣するような地方もあるようでありますが、行政情報を扱う職員の情報リテラシーについては、どのようにお考えになられているのか、お伺いします。  さて、景気のいい時代であれば、人ごとのようなときもあるのでありますが、厳しい時代になりますと、お金の使い道ということについては、段々とシビアになってくるわけであります。予算執行が、納めている税金に見合うだけの価値を生み出しているのか、県民に厳しく問われる時代となっていることを認識しなければなりません。政策評価、事務事業評価など全国の自治体で行われていますが、最終的には、税金を負担をしている市民がどのように判断をしているかということが、最も重要な観点であることは言うまでもありません。  年明けから今議会に至るまで、議員の繁忙期というものでしょうか、私も連日各種団体の総会や新年会などに招かれ、いろんな声や要望をお聞きするわけであります。身近にも大型倒産が発生し始めるし、夜逃げ、リストラで解雇されたという話も珍しくなくなりました。田畑で、あしたから何をつくったら借金を返していけるのか、食っていけるのかと問われ、何も答えることができないという実態も、正直ありました。いろんな要望が出されるわけでありますけれども、県の財政も厳しいというふうなことを申し上げるわけでありますが、ならば、あの恐竜関連の予算は何だとか、県立病院の仮設費は何だと、福井空港は京福線のようになるんではないか、京福をこのまま引き延ばしてどうするんだ等々の投資的効果を疑問視する声や、行革の断行を求める声、役所は使うことしか知らない、さまざまな声を聞くわけでございます。  こうした空気を感じながら今議会に臨んでいるわけでありますが、気になる以下の三つの予算についてお聞きをしていきます。  まずその1は、恐竜博の収支不足額であります。  1億8,000万円余りが追加提案されると聞いているわけでありますが、恐竜博に投じた二十数億円の公的資金がございまして、前述しましたように、県民には、それに対する疑問視する声もあるわけでありまして、そうした中での不足額追加であります。何が原因で、どこに問題があったのか、予算をオーバーして執行するということについての問題意識について、お聞かせ願いたいと思います。  その2は、観光物産館に関する基本構想とその調査費です。  観光物産施設を単独で建てるというような時代ではないのではないでしょうか。不採算部門をさらに拡大するようなことはすべきではありません。中央官庁も再編をされましたが、政策はより構想的で総合的でなければなりません。例えて言えば、恐竜博物館それ自体が観光物産施設であり、そのように機能させなければならないのではないかということです。体育と言えば体育館、芸術と言えば音楽ホール、教育施設だの厚生施設だのと、行政の分野ごとに建物があるというような発想は改めるべきだというふうに思います。もともと観光とは、「光を観る」と書くわけでございまして、それは高度な医療福祉でもいいし、資源循環型の農業であってもいいわけでありまして、今回の施設整備の基本コンセプトは、「観光と物産の拠点機能の発揮」ということと、「福井らしいもてなしの提供」となっていますが、中身はありきたりのように思います。検討委員会を設置し、その報告を踏まえて構想としてまとめ、同時に予算化するというのでは、議会はそのプロセスの中に全く介在することもなく、構想の是非を論ずることもなく、836万6,000円の予算を計上するという手法は、余りに議会を軽視したものではないかというふうに言わざるを得ません。あくまで基本構想のまま建てるということが予算の提案なのか、知事の所見をお聞きしたいと思います。  加えて、こういうしゃばが厳しい状況を思わせますのが、県立音楽堂パイプオルガン設置事業であります。13年度より15年度までの3ヵ年事業で2億5,562万円、13年度8,605万円が計上されています。県立音楽堂でパイプオルガンを聞けるのは、それはすばらしいことなのでしょうが、単独の演奏会というのはよそでも少なく、集客力が余りないという声も聞きます。演奏できる人は、県内で3名程度ということでありますし、使う頻度も少ないわけでありまして、設置後、修理などにも高額な費用がかかると聞きます。設置されれば、パイプオルガンの音楽堂として格が上がるというような価値はあるのでしょうが、私は、福井県には利用価値の少ないぜいたく品のように思えてなりません。必要か必要でないかと言えば、必要ないのではないかと、どのように教育長は判断されたのかお伺いします。  また、予算計上に当たっては、どの程度の要望があったものなのか、その数的なものもお教えいただきたいし、設置後どのように利用され、音楽活動を体系化しようとしておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。  また、これらの背景には、国民文化祭の本県開催があるようでありますけれども、本県が国民文化祭を引き受ける目的と意義、何をテーマとしてのパイプオルガンなのか。さらに、国民文化祭は費用負担が大きいというふうに聞くわけでありますが、あるいはほかの県では、それによって見送るというふうな声も聞くわけでありますが、どの程度の予算を強いられるものなのか、お伺いをしたいと思います。  お金の使い道はいろいろありますが、私は、高校のPTAの役員から、ブラスバンドがかなり優秀な成績で頑張っているのだけれども、予算がなくて楽器が買えないので、町立中学校の古くなった楽器をもらってきているなどという声も聞きますし、音楽堂をよく利用する方からは、パイプオルガンより、音楽堂のレッスン場の楽器をふやしてほしいといった声も聞きます。私は、より多くの県民が利用できるもの、楽しめるものにこそ予算を充当すべきと考えますが、教育長は、これらの要望についてどのような手だてをなさろうとしているのか、お聞かせ願いたいと思います。  さて、以上、ITと予算の気になる部分について触れてきました。ITという道具は、古い組織の文化をどんどん破壊していくでしょうし、それを拒むものはどんどん淘汰されていくのではないでしょうか。凛とした志が見当らないから、閉塞感、漂流感のみが広がる、それでいて隠し病、先送り病、しがらみ病から抜け出せない組織を大胆に変えていく必要があります。  長年行政の特徴とも言われてきた減点主義、前例主義、秘密主義といったものを、根本的に見直さなければなりません。失敗したらその原因を究明し、きちんと総括できる組織としていかねばなりません。結果責任を明確にできる組織であり、失敗から学べる組織へと行政スタイルの変更が求められているというふうに思います。  IT革命時代、新世紀を迎え、こうした福井県の行政スタイルを確立していただきたいと思いますが、最後に、知事にその決意をお聞きし、私の一般質問とさせていただきます。どうもありがとうございました。 59 ◯議長(美濃美雄君) 知事栗田君。       〔知事栗田幸雄君登壇〕 60 ◯知事(栗田幸雄君) まず、自治体のIT革命についてお尋ねをいただきました。IT革命についてどのような認識を持っているのか、その取り組み姿勢とあわせて問うというお尋ねでございます。  IT革命によります産業、社会構造の変革は、世界的な規模で急速に進展しておりまして、本県におきましても、社会生活全般を短期間に大きく変化させるものと考えられますことから、すべての県民がIT革命の恩恵を享受できる情報立県、その実現を図ることが重要であると考えております。  このため、県におきましては、このたびIT革命に的確に対応することを基本方針といたしまして、今後5ヵ年間に取り組むべき具体的施策を明らかにした福井県IT推進アクションプランを策定いたしました。今後は、私を本部長といたします福井県IT推進本部のもとで、国や市町村とともに連携を図りながら、このアクションプランに掲げた事業を着実に推進してまいりたいと考えております。  次に、行政改革につきまして、行政は最大のサービス産業でなければならず、その面で福井県が県下ナンバーワンのサービス事業となるべきであると考えるがどうかというお尋ねでございます。  本格的な地方分権時代を迎えました今日、これまで以上に県民本位の行政運営が求められておりまして、顧客重視の考え方に立った県民サービスの提供が重要であると考えております。このため、新行政改革大綱の改定案におきましても、今後の県政運営は、県民一人一人が新世紀の福井づくりの主役であるとの認識のもとで、職員一人一人の顧客重視の考え方を取り入れ、県民の立場に立って、誠実に対応する姿勢を徹底し、県民との連携・協働により進めていくこととしておりまして、例えば、職員を民間の事業所等へ派遣研修させるといったような事業も進めることにいたしております。  また、県民サービスを提供するため、申請書事前協議システムや公共施設利用予約システムの充実、本人確認が簡易にできる住民基本台帳ネットワークシステムの整備など、行政手続の電子化を一層進めることとしておりまして、県民の皆さんに満足していただける県庁づくりにさらに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、昨今、公務員制度、人事制度について改革が求められているが、IT革命における組織機構、人事政策をどのように考えているのかというお尋ねでございます。  IT革命の進展に伴いまして、県民と県政の距離が著しく縮まったことによりまして、今後の県政運営は、県民の視点に立った県民本位のものであることが必要であると考えております。このため、先ほど申しました福井県IT推進本部を設置いたしますとともに、去年の10月には、各種施策の企画及び総合調整を図るためIT推進室を設けております。そして、ITの推進に向けまして全庁体制で取り組むことにいたしました。この全庁的な推進体制のもと、機動的で弾力的な組織体制の整備を進めまして、自由な意見交換や迅速な情報伝達が可能な、フラットな組織風土の醸成に積極的に取り組んでいきたいと考えております。  さらに、県民ニーズを的確に把握し、さまざまな情報を活用できる職員の育成に努めますとともに、適材適所主義の徹底、庁内公募制や社会人採用の拡大などを図りまして、企業経営的手法や顧客重視の考え方なども幅広く取り入れてまいりたいと考えております。  次に、職員の情報リテラシー向上についてどのように考えているのかというお尋ねでございます。  県では、従来から職員の情報リテラシー──情報利活用能力の向上を目的といたしまして、各種情報化研修を実施しております。そしてホームページの作成、WindowsやWord、Excelの基礎、応用研修など、平成10年度から平成12年度にかけまして延べ約2,600名の職員が受講しております。また、特に専門的な知識を要する職員に対しましては、地方自治情報センターなど外部機関が開催いたします研修も受講させております。今後とも、各種情報研修の充実を図りますとともに、職員が自主的に自己研鑽を行うよう、意識啓発に努めてまいりたいと考えております。  次に、平成13年度当初予算案につきまして、観光物産館は、基本構想のまま建てるのかどうかというお尋ねをいただきました。  観光物産施設の整備につきましては、平成9年度に策定いたしました観光振興に関する中長期的指針でございます「観光ふくい21世紀プラン」の戦略プロジェクトの一つに掲げているものでございまして、また、新長期構想におきましても、観光情報提供のための重要施策として位置づけております。これまで整備の推進に当たりましては、平成9年に観光物産施設調査委員会を設置して以来、平成11年1月に中間報告、昨年2月に最終報告の2回の提言をいただいておりまして、県議会にもお示しをいたしました。今回の基本構想は、これまでの提言等に基づきまして、観光物産施設のあり方等に関する県の基本的な考え方を取りまとめたものでございまして、平成13年度からは、この基本構想に基づきまして、次のステップでございます基本計画の策定を行いたいと考えております。この基本計画の策定に当たりましては、県議会の御意見や県民パブリックコメント等によります県民の皆様方の御意見も十分反映し、個性的で魅力ある観光物産施設となるよう取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、県の行政スタイルの確立について、知事の決意を問うというお尋ねをいただきました。  21世紀に入りまして、IT革命への進展や本格的な地方分権時代を迎えました今日、今後は、これまで以上に県民への説明責任の徹底、県民の県政への参加の促進、さらには政策の質の向上などが求められております。こうしたことから、今後の県政運営は、県民ニーズを的確に把握し、常に県民の立場に立ちながら、県民とともに進んでいくという必要があると考えております。このため、前例踏襲に陥ることなく、柔軟で創造的な発想を持ち、困難な課題に対しても、信念と勇気を持って果敢に挑戦していくチャレンジ精神にあふれた職員を育成する必要があると、このように考えております。同時に、県民に対しまして、県政の情報をよりわかりやすく発信して、県民との連携・協働によりまして県政を進めるなど、本県独自の行政スタイルの確立に向けて全力で取り組んでまいる決意であります。 61 ◯議長(美濃美雄君) 総務部長牧野君。       〔総務部長牧野百男君登壇〕 62 ◯総務部長(牧野百男君) IT革命について、メールやインターネットを利用した情報提供について、議案や予算、政策構想等についてメール送付やインターネットを利用した情報提供の対応を図るべきと思うが、その取り組み状況について伺うとのことでございます。  県といたしましては、平成7年9月にホームページを開設いたしまして、本県の紹介や観光、イベント等の情報発信を始めたところでございます。その後平成11年5月には、各所属から直接関連情報を発信できる県庁案内を設けたところでございます。この中で、予算案や政策構想などを含む約2,000ページに及ぶ行政情報を発信してきております。また、平成12年度からは、県ホームページを通じまして、政策形成過程におきまして、幅広く県民の声をお聞きするということで県民パブリックコメント制度を実施しております。さらに本年1月には、知事へのお便りコーナーを開設いたしまして、知事がメールを通じて直接県民の声をお聞きいたしまして、県政に反映させる取り組みも始めたところでございます。今後とも、メールの送付やインターネットを利用した情報提供を行いまして、県民ニーズに対応したきめ細かい情報発信に努めてまいりたいと考えております。  次に、県庁内に部署のホームページを開設する程度のレベルを持った職員はどの程度養成されているのかというお尋ねでございます。  県が情報を提供するホームページは、データベースとの連携、あるいは検索機能の付加など高度な技術が求められるということから、現在は委託により開発を行っております。しかし、ホームページの公開後は、情報提供の更新の迅速性が求められるということから、県におきましては、職員の手で内容の更新ができるように、ホームページ研修を実施をいたしまして、これまでに約600名の職員を養成しております。今後とも、高度情報化に対応できる職員の育成は急務でございますので、なお一層の研修の充実強化に努めてまいりたいと考えております。 63 ◯議長(美濃美雄君) 商工労働部長谷口君。       〔商工労働部長谷口伊兵衛君登壇〕 64 ◯商工労働部長(谷口伊兵衛君) 恐竜博の収支不足についてのお尋ねでございます。  恐竜エキスポの収支につきましては、当初の計画に比べて収入の面では、子供の入場者割合が高かったことによります入場料収入の減少や、計画どおりの施設協賛が得られなかったために収入が減少する一方、支出の面では、来場者への安全対策や暑さ対策に係る施設の追加整備、及び入場者の増加等に伴うシャトルバスの増便や、運営スタッフの増員により支出が増加したことから、1億8,400万円の不足額が生ずることになりました。このようになりましたことにつきまして、大変申しわけなく思っております。  また、こうした結果を生じた要因としましては、特に子供の入場者が予想以上に多かったこと、駐車場の使用が計画を上回ったこと、安全のための追加工事が発生したことなどといった見込み違いによるところが大きかったと認識をいたしております。 65 ◯議長(美濃美雄君) 教育長西藤君。       〔教育長西藤正治君登壇〕
    66 ◯教育長(西藤正治君) 平成13年度当初予算案のうち、文化関係について4点お尋ねがございました。  まず、県立音楽堂のパイプオルガンの設置及びその後の音楽活動についてでございます。  県立音楽堂のパイプオルガンにつきましては、平成2年に策定されました福井県立音楽堂基本構想やこれに基づきます基本計画におきましても、その備える楽器として明記されているところでございます。  また、主な設定要件としましては、パイプオルガンの設置場所を設けるとされているところでございます。こういった考え方は、県立音楽堂の基本設計、実施設計、さらにはその後の建設段階におきましても一貫しているところでございます。開館から3年が経過いたしまして、建物もようやく乾燥し音響的にも安定いたしまして、設置に適した条件が満たされた次第でございます。今回、県立音楽堂企画運営検討委員会からの報告もいただきながら、大ホールの客席数、容積等を総合的に勘案して、その実現に向けて予算化をお願いした次第でございます。県立音楽堂にふさわしい性格のパイプオルガンを設置することによりまして、演奏会の実施、合唱やオーケストラとの共演、鑑賞教室等を実施しまして、音楽文化の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。  次に、国民文化祭の目的と意義、予算等についてであります。  平成17年度に、本県におきまして第20回国民文化祭が開催されることが内定しております。全国規模の文化の祭典でございます国民文化祭を開催することによりまして、文化活動への参加の促進、活性化を初め、地域文化の掘り起こしや情報発信の絶好の機会となることが期待できるものと考えております。  なお、これまで開催した県の例によりますと、事業規模は約20億円程度と伺っております。全国規模の祭典でもございますし、音楽部には特にオーケストラ、合唱などでパイプオルガンを十分に活用してまいりたいと考えている次第でございます。  次に、高校のブラスバンド部の楽器あるいは県立音楽堂のレッスン場の楽器等々に関する要望についてでございます。  県立高校におけます備品の整備につきましては、定額の予算を確保しておりまして、その使い道につきましては、各高校に一任されている状況でございます。また、県立音楽堂の練習場につきましては、各部屋にピアノを備えているほか、持ち運びが困難なハープ、マリンバといった楽器につきましては、貸し出し楽器として備えているところでございます。今後ともこういった利用者の方々の声に十分耳を傾けながら、その充実強化に努めてまいりたいと考えております。 67 ◯議長(美濃美雄君) 山本正雄君。       〔山本正雄君登壇〕 68 ◯2番(山本正雄君) 県民連合の山本正雄でございます。21世紀冒頭の議会において、しかも県民に開かれた全国初の夜間議会において質問できることを、大変光栄に存じております。私は、大きく教育、IT、大雪対策、原発の4点について質問と提言をさせていただきます。  質問の第1は、知事が、2001年を教育改革元年と位置づけた教育方策についてであります。  21世紀初頭において、光り輝く福井県づくりの実現に向けて、第二次中期事業実施計画が策定され、その中には、新世紀において福井県を名実ともに住みやすさ、働きやすさ、楽しさに満ちた福井県にするためITへの対応、心の教育の充実、高齢者少子化対策の充実などが強調されております。13年度予算案においては、2番目の柱に「心の教育の充実」が位置づけられ、福井県教育振興ビジョンの策定、全国に先駆けて実施し評判のよかった小学校1年生の指導教員の配置を、さらに2年生まで拡大したこと、小人数学習の実現、小学生向けの「さわやか教室支援員」の配置、県立学校パワーアップ事業など、新規事業の多い教育に意欲的な予算となっており、評価するものであります。  さて、現代の青少年は、さまざまな課題を抱え大きな社会問題となっていますが、どんな厳しいときでもグローバルな視野の中で夢と希望を持ち、社会変化に対応できるたくましく生きる青少年の育成が私の理想でもあります。知事は、心の教育の充実を県政の大きな柱に掲げていますが、最近の青少年の様子を見て、21世紀を担う福井県の青少年へ、知事の期待することを、やさしい言葉で語りかけてください。大きな自信になると思います。また知事は、教育改革元年のスタートにふさわしい福井県教育振興ビジョンの策定を提案しておりますが、本県教育界にとって重要な施策だと思いますので、知事の抱負や基本方針を伺います。  次に、青少年の非行対策についてであります。  近年、17歳に象徴されている青少年の問題や、中学生の非行が全国的に大きな問題となっている中、福井県教育委員会においては、真剣に問題を受けとめ、県内の学校の実態把握に努められ、意見交換を重ねつつ、その解決に取り組まれてきました。いよいよ県内各教育委員会に呼びかけを行い、学校、PTA、警察署、家庭裁判所、児童相談所などの関係機関による生徒指導にかかわる関係機関会議を開催し、大きな一歩を踏み出しました。敦賀市を皮切りに勝山市、武生市にも設置されました。今まで学校内外における非行は、深刻な問題でありながら、なかなか踏み込めなかった分野でありますが、勇気を持ってその指導的役割を担った県教育委員会の教育現場重視の決断を評価するものであります。  敦賀では、実態をよく見きわめ、県教育委員会では関係機関に呼びかけ、それぞれの立場から問題点を指摘し、今後、各関係機関が連携を深め、解決に努めることを確認し合ったとのことであります。  私もかつて、教職員一同と生徒指導で日夜奮闘し、話し合いを重ねてきたことを思い出し、その御苦労がよくわかりますし、苦労してきている教職員、保護者には大きな励ましとなり、今後の取り組みによい影響を与えるものと思います。  そこで、県内市町村の学校における非行の特徴と傾向はどうか、また、今後、各地域で開催するとのことでありますが、言うまでもなく、問題特性をよく見きわめた上で対応することが肝要かと思いますが、教育長の見解と開催方針を伺います。  また、今回即座に2名の応援部隊の先生を、年度途中に配置した素早い効果的な人事にも敬意を表したい。今後、全県的にこのように望みたいところでありますが、教育長の今後の対応を伺いたい。  最近、子供たちの様子を見ていて、仕事と子育ての両立支援のあり方に疑問を感ずるようになりました。  例えば、労働福祉行政の支援策は、長時間保育や放課後の児童クラブ預かりなど、親との触れ合いの時間やかかわりを少なくする支援策が多過ぎたのではないか、親の都合を助ける政策が多過ぎたのではないでしょうか。今回出された第二次ふくいっ子エンゼルプランを見ても、触れ合いの時間やかかわりをふやす施策が少ないように思われますがいかがでしょうか。先ほど堂前議員が指摘しましたように、愛情不足で落ち着きのない子が多くなっている実態から見ても、親も行政も、根本的に意識変革をしないといけないのではないでしょうか。福祉環境部長の見解を伺います。  質問の第2は、大雪対策と交通問題についてであります。  新世紀の幕あけは、大雪に見舞われて大変困ったことになりました。県内一円が交通麻痺となり、渋滞に何時間も巻き込まれた方々はもちろんのこと、通勤通学や除雪で苦労した県民の怒りが爆発をしました。私どもへも、電話ではもちろんのこと、自治会の総会などで厳しい要望が相次ぎました。もちろん、何日も不眠不休で対応していただいた関係者の御苦労には感謝申し上げますが、問題点については、県民の厳しい声を率直に申し上げなければなりません。  まず、大雪に対する初動体制のおくれが一番の問題点だったと思います。そこで、警戒積雪量を突破した16日午後3時に、道路雪害対策本部を置き対応したとのことですが、主要県道への除雪機械の配備やオペレーターの確保までの経過を明らかに願います。  武生-敦賀間の北陸自動車道や国道8号線の抜本的な構造改善や除雪対策について、知事や理事者は、国、道路公団、JRなどに強く要請したとのことでありますが、その結果と今後の見通しを伺います。  福井市内では、特に西木田から大名町交差点までの除雪に問題がありました。電車の軌道のある交差点は、除雪不足や圧雪で混乱し多くの方から苦情があり、対策本部へ要請したら、17日にはきれいになりましたが、それまでが大変でした。県内各地の電車道との交差点や踏切は、どこでも危険な状態になりました。そこで、福井市内の県管理の幹線道路については、融雪、消雪を見直し、電車との交差点、踏切の融雪などについては、早急な対応をお願いしたいのでありますが、いかがでしょうか。  また、歩道がないので車道を歩く小さい子供たちや高齢者、障害者の歩行が危険で見ていられないとの苦情も多くありました。原則的には、市町村の対応だと思いますが、歩道除雪の基準については、基本計画では、住民協力を原則としているが、住民協力の困難な家のない通学路は、積雪が50センチに達したとき実施するとありますが、市町村への協力呼びかけや今回の歩道除雪の実施状況を明らかに願います。  また、縦割り行政での弊害もあったとお聞きしますが、それをまとめる役は、やはり県以外にはないのではないか。県で連絡窓口を一本化するなど、関係機関の連携の強化と雪害対策の危機管理マニュアルづくりをお願いしたいわけですが、新年度からの対応策について伺います。  次に、福井県のこれからの総合的な計画づくりについてであります。  国土交通省の地方交通の将来の福井県版づくりも始まると聞いていますが、規制緩和に伴う運輸業界の変動はもとより、京福、福武線支援の問題、JRの路線バスの問題、新幹線と並行在来線の問題、さらには利用客減少の問題もあり、今までの交通体系に大きな荒波が押し寄せています。個々の政策判断も相互に関連し合い、不透明な問題もあるので、広い視野と長期的な視点から総合的に検討し、地域公共交通の総合的な計画が必要だと思いますが、今後の対応策について伺います。  質問の第3は、IT革命への対応についてであります。  知事は、提案理由の中で、景気回復とともにIT革命の推進を強調され、部局横断型予算枠の中でもIT革命への対応を一番強調しています。知事を本部長とするIT推進本部や推進室が設置され、福井県IT推進アクションプランの102事業に沿って、県民が、簡単に高度情報通信ネットワーク社会に参加できるようになるわけでありますから、大いに期待するものであります。  まず、ソフト面についてでありますが、行政面では、今回の予算では、県内行政機関すべてを結ぶ福井県情報スーパーハイウェーの整備が計上されていますが、事業概要と年次計画を伺います。  また、一般家庭向けには、国では1,000万世帯を超高速インターネット網に、3,000万世帯を高速インターネット網に接続できるようにと、「e-Japan戦略」を打ち出しました。このような中で県は、一般家庭向けにどのような回線や端末を使って、どのように整備していくのか、その計画を伺います。  一方、ソフト面については、学校では、本県の教員のパソコン操作率は高く、着実に進展すると思いますが、20歳以上の一般県民に対しては、公民館で情報ボランティアを活用したIT講習会が大々的に計画されておりますけれども、指導者確保、受講者確保など、いざ実施となると困難な点も多いように思われます。現時点での課題と積極的な推進策を伺います。  また、ハンディ克服の手段や仲間との交流手段の一つともなり、最も必要と思われる高齢者や障害者の情報リテラシーの向上について大いに取り組んでほしいと思うわけでありますが、その現状と今後の対応について伺います。  新聞の世論調査では、IT革命に対して、期待する見方と不安を抱く見方がいずれも半々であり、IT革命の弊害の克服も考え、豊かに生きるための道具として使いこなすことが重要だと考えます。そこで、個人情報保護条例を、来年4月から実施予定と伺いましたが、IT革命の弊害対策を明らかに願います。  質問の第4は、原発問題とエネルギー問題についてであります。  初めに、「もんじゅ」の安全性についてであります。  去る2月16日に、国と核燃料サイクル機構の説明会があり、そこでは、不安の声や安全確認の質問が相次ぎました。私も核燃料サイクルの科学的な証明、廃棄物の量やこれまでの経費の説明を求めましたが、納得できるものではありませんでした。国際的にどこもやらない中での高速増殖炉核燃料サイクルの「もんじゅ」は、経済性、安全性、廃棄物処理とも問題であります。今までの日本における95年の「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故、その2年後の東海再処理工場の火災事故、一昨年のジェー・シー・オーの臨界事故も核燃サイクルにかかわるものばかりです。電力の自由化、電力需要の伸び悩み、福島、新潟県知事のプルサーマル延期もあり、まだまだ県民の不安感と不信感がぬぐえたとは思えません。知事は提案理由の中で、「もんじゅ」ナトリウム漏えい対策等にかかわる改造工事計画の事前了解願いについては、この取り扱いは、国や核燃サイクル機構の取り組みを十分見きわめながら、県議会における「もんじゅ」の安全性や今後の進め方についての議論、地元敦賀市の意見を踏まえ、県民の立場に立って判断すると表明されました。この「県民の立場に立って判断する」とは、事前了解願いの取り扱いに際しての知事の慎重な態度と受け取れますが、最近の国内の動きを配慮しての考えと受けとめてよろしいのでしょうか、知事の見解を伺います。  代表質問の答弁の中で、安全については、第一義的には国や事業者が全責任を負うべき課題であるが、現在の技術顧問とは別に、安全性を確認する独自の場を設けると答弁がありましたが、今後の具体的進め方を明らかに願います。  県は昨年、新エネルギー・省エネルギービジョンをつくり、2010年度を目指した目標値を設定し、13年度予算の中に、国見岳の風力発電、一般家庭向き太陽光発電の補助、若狭湾エネルギー研究センターへの太陽光発電の設置など、積極的な予算が組まれており、子孫に美しいエネルギーを残す自然エネルギーへの積極的第一歩として大いに賛成です。国では、さきの国会で、最終エネルギー消費量の10%を目標とする自然エネルギー発電促進法案は見送られましたが、地方自治体では7割が賛成との調査がありましたので、原発15基を抱える福井県として、それ以上に新エネルギーを研究し、今後一層新エネルギー普及への転換を目指すべきだと思いますが、知事の所見を伺います。  最後に、昨年成立したいわゆる原子力特措法について伺います。  これは、国庫補助率の5%かさ上げや、地方債の7割を地方交付税で措置するもので、この4月から実施するため、国では、政令の制定に向けての準備が進められているものと思います。私どもの住む福井市も、原発のある敦賀半島の対岸であり、市街地からは30キロの近さであり、大事故が起こったらという不安はいつもあります。さらに対象地域を広げるべきだと思います。この法律では、知事の申し出により立地地域の指定とありますが、ここで言う「立地地域の指定」とはどこを指すのか。知事に申し入れれば対岸の福井市は入るのか伺います。  また、振興計画を提出することになっていますが、どのように取りまとめ、いつ提出するのか明らかに願います。  以上、4項目、21世紀スタートの年、厳しい景気に着実な手当てをし、持てる力を出し合い、元気な福井をつくり、心安らぐ福井のスタートが切れますよう、理事者の真摯で積極的な答弁を御期待申し上げ質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 69 ◯議長(美濃美雄君) 知事栗田君。       〔知事栗田幸雄君登壇〕 70 ◯知事(栗田幸雄君) まず、教育方策についてお尋ねをいただきました。21世紀を担う福井県の青少年へ、私の期待することをやさしく語りかけてほしいということでございます。  この新しい世紀におきまして、本県が夢と希望に満ち、光り輝くものとなるためには、創造性に富み、人間性豊かな人づくりを進めていくことが何よりも重要であると考えておりまして、地域づくりの根幹となるものと考えております。このため、21世紀を担う青少年の皆さんには、視野を世界に広げ、自分の力を信じ、自信を持って夢と希望に満ちた人生をたくましく歩んでもらいたいと考えております。  また、命の尊さを認識いたしますとともに、自分や他人を大切にし、自然を慈しみ、家族や仲間、さらにはこの福井を愛し、誇りを持って生きていくことを期待しております。  教育改革元年のスタートにふさわしい福井県教育振興ビジョンについて、私の基本方針をお尋ねいただきました。  人づくりは、まさに国家百年の大計、国や県、地域づくりの基本であると認識いたしております。県におきましては、教育改革を進める国レベルのさまざまな議論を踏まえまして、平成13年を本県の教育改革の始まりの年、すなわち教育改革元年と位置づけまして、福井県らしさを生かした福井の教育を積極的に推進していくことが必要であると考えております。このため、新世紀100年の本県教育の道標となるべき福井県教育振興ビジョンを策定することにいたしております。その中で、教育を担う学校、家庭、地域、それぞれの機能を時代に即して原点から見直し、その充実強化を図ることによりまして、社会全体で子供たちを支える力、すなわち総合的な教育力の向上に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、大雪対策と交通問題についてお尋ねをいただきました。県の総合交通計画をどのように策定するのかというお尋ねでございます。  地域公共交通機関は、近年利用者が減少しておりますが、高齢者などのいわゆる交通弱者の移動手段として、また地球環境の保全、さらには街づくりなど地域の活性化を図るという観点からも維持、活性化していくことが重要であります。  一方、最近の鉄道・バスの需給調整規制廃止やこれに合わせた国の制度改正の動き、またコミュニティーバス等生活交通確保のための新たな取り組みなど、鉄道・バスをめぐる急速な環境の変化が生じておりまして、地域公共交通の今後の動向を十分見きわめていく必要がございます。このため、今後の鉄道・バスのあり方等について市町村と十分協議をいたしまして、また国の地域公共交通計画との整合性も図りながら、平成13年度から「新世紀ふくい生活交通ビジョン」の策定に着手してまいりたいと考えております。  次に、IT革命への対応についてお尋ねをいただきました。福井県情報スーパーハイウエー整備事業の概要と年次計画を伺うという御質問でございます。  福井県情報スーパーハイウエー整備事業でございますが、この事業は、今後の電子県庁構築に向けまして、本庁、各合同庁舎間等を高速大容量の光ファイバーで接続いたしまして、行政の効率化、電子化を推進するものであります。また県では、このハイウエーにアクセスポイントを設置いたしまして、各種行政情報システム、ケーブルテレビとの接続、国、県、市町村を接続する総合行政ネットワーク等の基盤として活用することによりまして、県民生活の向上、情報の地域間格差の是正を図ることといたしております。今後、平成13年度に基本構想、基本設計及び実施設計を行いまして、平成14年度から3ヵ年で整備を完了する予定であります。  次に、原発問題と新エネルギー問題についてお尋ねをいただきました。「もんじゅ」につきまして、最近の国内の動きも配慮しての考えと受けとめていいのかどうかというお尋ねでございます。  「もんじゅ」につきましては、冷却材にナトリウムを使用するという特殊性がございまして、また高速増殖炉の原型炉であることから、安全性に対する県民、国民の疑問、不安が多いことは十分承知いたしております。県といたしましては、これらの安全性に対する疑問や不安について十分議論するなど、従来どおり県民の立場に立って慎重に対応していきたいと考えております。  最近の原子力をめぐる動きといたしまして、東電の新規電源開発凍結方針の発表や福島県知事、新潟県知事のMOX燃料装荷に関する発言などがございますが、従来から申し上げておりますように、原子力政策は、我が国のエネルギー政策の根幹をなすものでございまして、国の責任のもとで明確な方向性を示し、十分な議論のもとに国民的合意を得ていくことが大事であると、このように認識いたしております。  今後の「もんじゅ」の安全性についての、県独自の場を設けるということについての具体的な取り組みはどうかというお尋ねでございます。  現在の技術顧問会議とは別に、「もんじゅ」全体の安全性を確認するための専門家によります県独自の委員会を設置し、さらには公開シンポジウムを開催するなど、県民に見える形で安全を確認する方法をとることが必要であると考えておりまして、今後、具体的な内容について十分検討してまいりたいと考えております。  最後に、新エネルギーの普及についてお尋ねをいただきました。  昨年3月に、福井県新エネルギー・省エネルギービジョンを策定いたしまして、これに基づきまして若狭湾エネルギー研究センターを初め工業技術センターや雪対策・建設技術研究所におきまして、二酸化炭素から可燃性ガスを生成する研究や地中熱を利用した融雪技術の開発など、新エネルギーの研究を積極的に進めております。現状におきましては、技術的な課題や経済性の問題から、原子力を新エネルギーで代替することは困難であると考えられますが、県といたしましては、地球温暖化対策や地域環境保全対策の観点から、今後とも若狭湾エネルギー研究センターや公設試験研究機関における研究を進めてまいりたいと考えております。  さらに、県として風力発電所設置可能性の検討やコーゼネレーションシステムの導入など新たな新エネルギーの推進に取り組みますとともに、県民、事業者及び行政が一体となってビジョンで設定した目標達成に向けて努力をしてまいりたいと考えております。 71 ◯議長(美濃美雄君) 総務部長牧野君。       〔総務部長牧野百男君登壇〕 72 ◯総務部長(牧野百男君) 県の一般家庭向け回線の整備についてのお尋ねでございます。  一般家庭向けの高速インターネットアクセス網への接続環境の整備につきましては、国の「e-Japan戦略」では、競争及び市場原理のもと民間事業者主導で行われるべきものとされております。こういった問題もありまして、採算性との問題から地域間における情報格差が拡大することも懸念されております。県では、これらのことも踏まえまして、これまで一般家庭向け回線の一つとして大容量、双方向通信機能を有し、高度な情報通信サービスを可能にいたします公共性の高いケーブルテレビの整備に対しまして財政的支援を行うなど、積極的にこれらを推進してきたところでございます。今後とも、ケーブルテレビの全県的整備及びネットワーク化につきまして、国や市町村、福井県ケーブルテレビ協議会などと連携を図りながら整備促進に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  次に、IT講習会の現時点での課題と積極的な推進方策についてのお尋ねでございます。  IT講習は、平成13年度末までに約3万5,500人の受講者が想定されますことから、講習会場の確保、講師の確保、受講者の確保等が大きな課題として考えられます。講習会場の確保につきましては、パソコンの整備が進められております公民館等を主な会場としながら、一部民間の施設を活用して実施することとしております。また、講師につきましては、県におきまして業界団体に協力を求めるほか、市町村と連携して情報ボランティアの募集登録を行うこととしております。さらに、受講者の確保につきましては、市町村の広報誌、新聞、テレビ等による広報のほか、講習日時、会場等が記載されましたIT講習マップの作成、配布等によりまして、県民への周知徹底を図ることとしております。また、昨年末に設置した福井県IT講習推進連絡協議会、これを中心に調整を行いまして、一人でも多くの県民が受講できますように努めてまいりたいと考えております。  次に、IT革命の弊害対策についてのお尋ねでございます。  IT革命の進展によりまして、距離や時間という制約がなくなる一方で、地域間、世代間におきましてインターネットの普及に格差が生じるという、いわゆるデジタルデバイドの拡大や不正アクセス等の情報セキュリティーの問題が懸念されておるわけでございます。デジタルデバイドの問題につきましては、IT講習などの実施によりまして、県民の情報利活用能力の向上を図りますとともに、過疎地域等における携帯電話の不感地域の解消、高速大容量の情報通信基盤としても活用できるケーブルテレビの全県的な整備促進を図るほか、新たに福井県情報スーパーハイウエーの整備に取り組みまして、地域間格差などの是正に努めていくこととしております。  また、情報セキュリティーの問題につきましては、ファイアウォールの構築、あるいは重要データの複製、保管などのセキュリティー対策を講じておりまして、今後とも万全を期してまいりたいと考えております。  次に、原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法に関する地域指定についてのお尋ねでございます。  原子力発電施設等立地地域の指定につきましては、原子力発電施設と立地地域の振興に関する特別措置法第3条に指定要件が規定されております。内容につきましては、原子力発電施設等の周辺地域であって、市町村の区域が隣接すること等により自然的、経済的、社会的条件から見て一体として振興することが必要であると認められることとなっております。地域の指定につきましては、地理的な状況、通勤圏などの経済活動の状況、消費活動圏など社会生活の状況などを総合的に勘案をいたしまして、電源地域として振興することが必要であると認められる地域と考えております。福井市の指定は、発電用施設周辺地域整備法による整備計画の対象市町村やこの法律の要件ともあわせ総合的に勘案いたしますと、困難であると考えております。  次に、原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法について、振興計画を提出することになっているが、どのように取りまとめ、いつ提出するのかというお尋ねでございます。  原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法は、現在、国におきまして、平成13年4月1日の法施行に向けて、政省令等の制定作業が進められているとお聞きをしております。この法律では、原子力発電施設等立地地域の指定の要件、国の負担または補助割合の特例の対象となる事業要件などが政省令等にゆだねられていることから、政省令等の早期制定について、現在国に強く要望しているところであります。県といたしましては、今後、政省令等の内容が明らかになった段階で、関係市町村とも十分協議しながら、できるだけ速やかに原子力発電施設等立地地域の指定及び振興計画案の作成に取り組んでいきたいと考えております。 73 ◯議長(美濃美雄君) 県民生活部長市橋君。       〔県民生活部長市橋一義君登壇〕 74 ◯県民生活部長(市橋一義君) 大雪対策についてでございます。  雪害対策に関するマニュアルにつきましては、毎年、国、県、市町村、県内の防災関係機関、民間団体等で構成しております福井県雪害対策協議会を開催いたしまして策定している福井県雪害対策計画があります。この中で、交通対策や通信対策など21項目について各関係機関が対応すべき事項を定めており、さらにそれぞれの関係機関においては、この計画に基づき詳細な対応を定めております。今回の大雪において、除雪体制、関係機関との連携などに課題があったことから、平成13年度の福井県雪害対策計画の策定に当たりましては、道路関係者連絡会議、雪害対策連絡会における検討結果を踏まえ、道路管理者等の相互の連携強化、除排雪対策の強化、情報提供の充実強化などについて、関係機関と協議しながら見直しを行ってまいりたいと考えております。 75 ◯議長(美濃美雄君) 福祉環境部長山元君。       〔福祉環境部長山元和也君登壇〕 76 ◯福祉環境部長(山元和也君) 教育方策につきまして、第二次ふくいっ子エンゼルプランでは、親子の触れ合いの時間やかかわりを増す施策が少ないんではないかというお尋ねでございます。  女性の就業率や共働き世帯比率が高い本県の特性を踏まえまして、仕事と子育ての両立ができる保育環境や就業環境の整備など、各種施策をこれまでも推進してきたところでございます。また、家庭は、子供の人間形成やしつけを行う基本的な場として大変重要な役割を担っておりますことから、第二次ふくいっ子エンゼルプランにおきましては、親子が触れ合い、ゆとりを持って子育てができますように、労働時間の短縮、育児休業制度の定着・促進を図ることとしているところでございます。さらに、市町村長に対するトップセミナーや県民を対象といたしましたシンポジウム等を開催いたしまして、家庭における子育ての重要性につきまして、広く意識啓発を図り、すべての児童が家庭で正しい愛情と知識を持って育てられるように努めてまいりたいと考えております。  IT革命への対応につきまして、高齢者や障害者の情報リテラシーの向上について取り組みの現状と今後の対応についてお尋ねでございます。  高齢者や障害者の自立、社会参加を支援する上で、情報通信の利用は効果的でございまして、情報リテラシーの向上を図っていくことは大変重要であるというふうに認識はしております。県ではこれまで、パソコン等に対する知識の習得や技能の向上につきまして、生活学習館等での研修、市町村障害者生活支援事業などでも取り組んでいるところでございます。  また、障害者のコミュニケーション手段の確保のため、パソコンを利用いたしまして、意思を伝えるための装置を給付いたしておりますし、身体障害者更生指導所におきまして、就労支援のためのパソコンの操作訓練を実施しているところでございます。  さらに、公民館等で日常動作訓練や趣味活動等を行う生きがい活動支援通所事業等におきましても、高齢者にパソコンの基本操作を教え、パソコンに親しむ機会を設けるよう、市町村を指導・支援しているところでございます。  今後とも、県民を対象といたしましたIT講習推進事業の活用を含めまして、高齢者や障害者の情報リテラシーの向上に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 77 ◯議長(美濃美雄君) 土木部長古川君。       〔土木部長古川巖水君登壇〕 78 ◯土木部長(古川巖水君) 大雪対策の御質問でございます。  まず1点目は、主要県道への除雪機械の配備やオペレーターの確保までの経過についてのお尋ねでございます。  昨年11月15日に除雪対策本部を設置いたしまして、平常体制での除雪に必要な県保有車205台、民間委託車231台、合計436台の除雪機械を配置し、オペレーターを確保することによりまして除雪体制を整えたところでございます。  今回の大雪では、1月12日から除雪を行いまして、積雪の状況に応じまして順次除雪機械の追加配置を行ってまいりました。1月16日には、警戒積雪深を超えることが予想されたために福井県道路雪害対策本部を設置し、さらに民間委託車を追加いたしました。その結果、合計1,105台を配置いたしまして、オペレーターの確保を図り、除雪作業を実施してきたところであります。
     次に、武生-敦賀間の北陸自動車道や一般国道8号の抜本的構造改善や除雪対応策等を国や道路公団、JRなどに強く要請したとのことであるが、その結果と今後の見通しについてのお尋ねでございます。  県は、国、日本道路公団及びJR西日本に対しまして、大雪に対する除雪体制の強化、迅速な情報・連絡体制の整備等を要望するとともに、北陸自動車道及び一般国道8号の武生-敦賀間における登坂車線や堆雪帯の確保、消雪設備の整備などの抜本的な対策を強く要望しました。国におきましては、一般国道8号における対策として、携帯電話による積雪路面状況等の提供を既に開始しておりまして、また、武生-敦賀間における消雪設備の整備、それから非常駐車帯等の確保、それから線形改良の検討なども行っております。日本道路公団からは、除雪作業の効率化、迅速化のため、除雪機械のUターン路の新設を検討するなどの回答を得ております。JR西日本におきましては、降雪時の初動体制の強化、列車遅延情報センターの充実、さらに携帯電話による乗客へのスムーズな連絡体制の強化などが図られたところでございます。今後とも、国、日本道路公団及びJR西日本を初めとする関係の鉄道・バス事業者等と大雪時の交通対策について十分連携してまいりたいと考えております。  それから、福井市内の県管理の幹線道路につきまして、融雪、消雪を見直し、特に電車との交差点、踏切の融雪など早急な対応をお願いするがというお尋ねでございます。  重要幹線道路の消雪設備の整備につきましては、今回の渋滞発生箇所を、今後5ヵ年で重点的に整備することとしておりまして、特に渋滞が顕著でありました西木田から田原町間におきましては、平成13年度に関係機関と協議の上、水源調査などを実施し順次整備を進めることとしております。  踏切の消雪設備につきましては、従来から鉄道事業者との協議により整備を進めておりますが、今後とも協議の整った箇所から整備を進めていきたいと考えております。  最後に、歩道の除雪でございますが、その実施状況と今後の対応についてのお尋ねでございます。  歩道除雪につきましては、県と市町村との除雪作業の連絡会議におきまして、市町村に協力を依頼するとともに、広く地域住民に対しチラシ等により協力をお願いしているところであります。県におきましては、車道の円滑な交通の確保を優先いたしまして、その後、人家連檐区域を除く通学路を中心に歩道除雪に努めてきたところでございます。今後、今回の実態を踏まえまして、地域住民、それから市町村、県が協力した歩道の除雪体制を確立するため、市町村の雪みち計画の策定を指導してまいりたいというふうに考えております。 79 ◯議長(美濃美雄君) 教育長西藤君。       〔教育長西藤正治君登壇〕 80 ◯教育長(西藤正治君) 教育方策につきまして、3点お答え申し上げます。  まず、県下市町村の学校におけます非行の実態についてでございます。  今年に入りまして、県内の市町村の学校、特に中学校におけます問題行動の状況を調査したところでございます。その結果、ほとんどの学校におきましては大きな問題は見られませんでしたが、幾つかの学校におきまして深刻な問題行動があるという状況を確認した次第でございます。  内容につきましては、ガラスを割る等の器物損壊、生徒間の暴力あるいは対教師暴力といったもので、全体の特徴といたしましては、グループ化して粗暴な行動を起こし、かつ繰り返し問題行動を起こすといったような傾向がございます。  次に、生徒指導にかかわる関係機関会議の開催方針等についてでございます。  県内の一部の学校で、特に中学生による問題行動が深刻なものとなった原因の一つといたしまして、学校と関係機関の連絡体制や協力体制の問題が考えられるわけでございます。こうした問題行動への対応策として何より肝要なことは、学校は地域の財産、共有財産であるという共通認識を持ちまして、地域や関係者が速やかな連携を図り、それぞれの役割を再認識しながら、半歩でも一歩でも問題解決に向けて前進することであると考えられます。こうした観点から、県警察本部と連携を図りながら、すべての市町村教育委員会に呼びかけまして、関係機関の合同会議を、県内全地域で順次開催してまいりたいと考えております。こういったことによりまして、学校と関係機関とが一体となりまして生徒指導に取り組めるよう、迅速な連絡体制を再構築してまいりたいというぐあいに考えております。  次に、問題行動への対応策についてでございます。  問題行動に対する対応策につきましては、関係機関の合同会議での議論を十分踏まえまして、当該市町村教育委員会とも相談しながら、人的な支援も含めまして、教育相談体制の強化、あるいは保護者説明会の開催、地域への協力依頼等々、今後必要な措置を適宜多様に講じてまいりたいというぐあいに考えております。 81 ◯議長(美濃美雄君) 山本君。  1分間許可します。(「答弁時間ないよ」と呼ぶ者あり) 82 ◯2番(山本正雄君) 初め早く終わりましたので、多分1分はあると思います。感謝だけ、申し上げておきます。  特に雪害対策で、西木田から大名町まで、早急な対応ができるということに感謝申し上げて、終わります。 83 ◯議長(美濃美雄君) 田中君。       〔田中敏幸君登壇〕 84 ◯12番(田中敏幸君) 県会自民党の田中敏幸でございます。  福井空港問題、原子力行政並びに循環型社会の仕組みについて、お尋ねをいたしたいと思います。与党3党の公共事業見直しの中、福井空港は運輸省の中止事業と決定されました。政治的な判断も加わり全国で唯一保留扱いとされました。保留を外すためには、地元の調整が条件であると言われています。現在いただいている地権者同意はほぼ50%と聞いております。5月に国土交通省への予算要求になりますが、運輸省が中止事業と決定していること、全国で唯一保留になっていることを考えれば、地権者同意のハードルはこれまで以上に高くなると思われます。知事は、そのことをどのように受けとめておられるのかお尋ねをいたします。  新空港整備や滑走路延長に伴って運輸省に需要予測を提出していた14の地方空港のうち9空港の利用者数は予測値を大幅に下回っていることが、会計検査院の調査で明らかになりました。検査院の担当者は、同じ運輸省の中で空港と新幹線計画が同時進行していたけれども、相互に十分連絡をとっていたかどうか疑問であると指摘しています。最近出されました福井空港のQアンドAには、現在の富山空港-東京間の航空利用者数は80万人、新幹線開通後も福井は東京までの利用条件が富山と類似することから、新幹線開通後も福井空港は十分利用されるものと考えられると書かれてあります。需要予測では40万人から13万人になる数字であります。福井空港ができれば札幌、仙台、福岡、那覇などの国内主要都市につながるとありますが、現在、富山から仙台も那覇も路線はありません。12月に示されたビジョンは将来ビジョンとして受けとめておりますが、余りにも現実の流れを見ていない、今ある成功事例を並べたものとしか映りません。このビジョンでは県民の理解は得られないと思います。知事は、空港計画に対する県民理解をどのように受けとめておられるのかお尋ねをいたします。  今年度の国の予算では、富山空港は2012年の新幹線の開通を念頭に拡張計画を取りやめ、国の補助はついていません。小松、能登両空港は要求額に近い額が確保されております。小松空港は滑走路の路盤強化工事に向けた調査、設計に着手するもので、現在の中型機対応の滑走路から大型機が乗り入れできるようにするものであります。ことしの春からアジアのハブ空港を目指す韓国の仁川国際空港が開港します。開港に合わせてソウル便が週3便に増便されています。石川県の谷本知事は、小松空港の国際化を進める上で大きな足がかりとなったと発言しています。羽田空港に国際線の乗り入れの際、扇国土交通大臣は、地方空港の国際化に言及いたしております。関西空港までの国内に費やす時間を考えると、小松-仁川経由で行けばその方が早いかもしれません。  福井空港の計画では2008年の開港であります。その間の小松は、北陸を対象とした国際空港としての機能を備えていくのではないでしょうか。8年後の開港時の空港情勢はさま変わりしているのではありませんか。福岡と佐賀空港のように、中核空港に人が吸収される。空のネットワーク化も進み、路線も中核空港に集中化する。将来に本当に必要な空港は、北陸から世界に飛び立てる国際空港だと思います。後発の空港が同じような機能を持てるとは思いません。現在進められている北陸管内の空港整備と福井空港の拡張計画の位置づけについて、知事の御所見をお伺いいたします。  県会に席を置かせていただいてから、大変早く、しかも激しい時代の転換を実感しております。変化に対処できなければ地域間競争どころか、生き残りさえ難しい時代になりました。空港を取り巻く諸情勢はさま変わりをいたしております。この時代の変化の中では、福井空港拡張計画は見直すべきだと存じます。知事の御所見をお伺いいたします。  次に、原子力行政についてお伺いいたします。  敦賀1号機、美浜1号機は運転開始から30年経過し、高経年化の長期運転に入ります。国は各施設設置者に対し、運転開始後30年をめどに、発電所設備の技術評価を行うとともに、30年以降の長期的な設備保全計画を策定するように指導しました。敦賀1号機、美浜1号機ともに、今後10年程度運転を継続し、その後の運転については10年後に再評価するといたしております。当初、考えていた運転計画とは相当長い運転になります。安全性についてどのように評価されていますか、お尋ねをいたします。  減価償却資産の耐用年数等に関する省令による原子力発電所の減価償却は15年になっております。それ以降の運転は、償却の終わったものをうまく使っていると評価するには余りにも長い運転年数であります。実稼働に合わせた資産評価がされるべきであります。原子力発電所の耐用年数の延長を強く国に申し入れるべきであります。これまでの経緯と知事の御所見をお伺いいたします。  特に、運転期間の長い高経年化の原子力発電所に対しては資産の再評価がなされるべきであります。県は交付金の創設を国に要望していますが、できなければ高経年化の発電所の発電量に対しての県独自の課税を検討してもおかしくないと存じます。交付金の創設の見通し、高経年化の資産の再評価、発電量に対する課税について知事の御所見を伺います。  高速増殖炉「もんじゅ」の改造工事に関する事前了解願いが提出されました。原子力長期計画において「もんじゅ」は、高速増殖炉サイクル技術の研究開発の場の中核として位置づけられております。軽水炉の燃料サイクルがようやく見え出したところであります。それも、MOXの装荷など進まないことが多く課題を抱えております。高速増殖炉サイクルは、位置づけはされているが、具体的な時期は示しておらず以前より後退している。進みつつある電力自由化の中では、高速増殖燃料サイクル技術は経済的にも困難で、サイクルが破綻していると言っても過言ではないと思います。説明会で高速増殖炉サイクルが維持されてこその「もんじゅ」だと言われましたが、そのとおりであります。長期計画の「もんじゅ」の位置づけについて、取り巻く諸情勢から見ると甘いと存じますが、知事はどのようにお考えかお伺いをいたします。  さきの説明会において、国は安全審査入りすれば工事部分だけでなく、「もんじゅ」全体を対象に安全性を審査するとしています。県民が納得できる形で国、事業者が答えるべきであります。MOXのデータ捏造のとき、国は安全だと言い切りました。しかし、結果的には捏造が明らかになりました。国は、事業者中心としか見てとれない。そのことが原子力行政の不信につながっております。その問題以降、国は安全審査について体制を強化しました。県は、県民の立場に立って独自の機関を設け、問題点を国とやり取りを行い、事業者の情報開示を求め、県民が納得できる客観的な評価ができる体制を整えるべきであります。そして、その課程を県民に公表すべきです。安全審査についてどのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  電力自由化以降、分散型発電に確実に移行しています。自由化で参入を目指すエンロン社は、一層の規制緩和を予測して、青森県で200万キロワットの天然ガスによる発電計画を発表いたしました。また、関西電力も和歌山県で370万キロワットの天然ガスの発電を進めております。原子力は国の基幹産業と位置づけられましたが、自由化の動きの中では天然ガスによる発電に移行しつつあります。資源エネルギー庁長官の私的研究会・燃料電池実用化戦略研究会が発表した報告書では、次世代エネルギーの本命とされる燃料電池の発電目標を2020年には1,000万キロワット、原子力発電所10基分としています。また、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーによる発電の動きが始まっております。  きょうまでも、エネルギーは新しい技術の革新によりドラスチックに変化を遂げています。東京電力は、3年から5年新しい発電施設の凍結を発表いたしました。後で原子力は進めると訂正しておりますが、本音はすべての発電施設だと思われます。福井県は、今日まで15基体制の中で国のエネルギー政策に大きな貢献をしてまいりした。始まろうとするエネルギー転換の中では、きょうまでの15基以上の増設は必要ないと思いますが、知事の御所見を伺います。  昨年暮れの新幹線の取り組みは、「もんじゅ」の運転再開を盾にしたという議論に対し、知事は15基体制の原子力貢献によるものだと答えておられる。私も同感であります。15基の原子力発電所が立地されながら幹線道路の整備が遅いということは、県民のすべてが感じていることであります。現在、近畿自動車道敦賀線は急ピッチで整備されていますが、敦賀側からも着工し、工期を半分に短縮すべきです。インフラ整備が進まなければ、企業立地や観光振興などの地域振興が進まない。近畿自動車道敦賀線の敦賀からの着工は、新幹線と同様に、精力的に取り組む県政課題だと存じます。知事の決意と見通しを伺います。  次に、循環型社会の仕組みについてお尋ねいたします。  「農山村なら浄化槽がお得」12月の新聞の見出しであります。今年度から環境省は合併浄化槽の推進に本格的に乗り出します。総務庁行政監察局が経済的な比較ができないとして、共通のルールづくりが厚生、建設、農林の3省で協議されてきました。15年くらいとされてきた合併浄化槽の耐用年数は使用実績から30年と認定され、下水道につなぐまでの一時的な設備という印象が払拭され経済性が裏づけられました。その背景に、下水道会計の赤字が膨らみ自治体の財政を圧迫していること、合併浄化槽の汚水処理能力が下水道並みに向上したことがあります。公共下水道事業の補助金から見れば、合併浄化槽の事業費すべてを公費負担で設置しても自治体の財政負担は軽くなります。そして、水の循環利用が可能になります。国が合併浄化槽を本格的に認めたことによる住民意識の差は大きいものがあります。汚水処理方法を選択する決定権は各自治体にありますが、県が指針を示すことによって、各自治体は多様な選択ができやすくなります。福井県下水道整備構想の見直しについて、知事の御所見を伺います。  合併浄化槽設置の個人負担や維持費は公共下水道接続よりも高くなり、住民は公共下水道を選択しています。農業集落排水事業の県費補助を考えると県で大きな助成ができます。地域に合った汚水処理方法を選択できるような支援策を講じるべきであります。御所見をお伺いいたします。  昨年12月、中央環境審議会は硝酸性窒素などの窒素の排水規制について答申をまとめた。地下水などの硝酸性窒素などの汚染源として工場排水、生活排水、農地への施肥などを挙げております。宮崎村の公共下水道・農業集落排水は、当初アンモニア臭が強く周辺から苦情を受け改造工事を行なうとともに、現在は有用微生物群による処理を行い効果を上げています。結果として、悪臭が消え汚泥も抑制され、維持経費も安く上がっています。排水中の窒素量は有用微生物群による処理を始めてから大きく減少しています。窒素規制に対する有効な対策として検討すべきであります。御所見を伺います。  有明海のノリの不作が問題となっています。干潟にすむ微生物の浄化能力が失われたことが一因と言われています。同じ有明海に位置する熊本県の河内町の河口では、ノリの被害はなく例年のように収穫されています。ここでは、生活排水を数年前から有用微生物群によって処理していて、河川や潮だまりのヘドロが消え、悪臭も消えています。広島県の内海町でもノリの養殖とノリ加工を微生物によって行っており、同じような効果を上げております。河川が流れ込む海では、生態系が復活してトリガイやアサリなどの海洋性物がよみがえっている。操業を規制しながらも前の年より6億円の水揚げが増加しております。ほかにも多くの事例を聞いている。今日、いそ焼け現象や海洋の生物の減少などが起きており、乱獲だけが原因でなく、海の生態系が悪化しております。海の環境の再生が重要なのであります。生態系改善の対策になり得ると確信いたします。海再生への微生物の活用について、知事の御所見を伺います。  循環型社会形成推進基本法やそれを後押しする建設リサイクル法、食品リサイクル法など幾つもの下位法が今春施行になります。2003年までに定められるとされていた循環型社会形成推進基本計画の素案が今後明らかになるが、1、対策の優先順位、2、排出者責任、3、拡大生産者責任、4、経済的手法、5、適正な再生利用、処理施設の整備などであります。このほかに産業廃棄物適正処理推進センターの基金制度の適切な運用、自治体の施策についての財政的、技術的な支援を講ずることなどが盛り込まれました。これらの法律を積極的に取り入れ、対策から政策に切りかえるときであります。環境技術や省エネルギーの技術は年々進歩し、その思想も燃やす、埋めるから排出抑制、リサイクルへと転換してきています。今日までの廃棄物処理構想などの見直しや循環型社会構築の計画、環境技術の検証などが今後重要になります。  ことしの予算には廃棄物処理計画の策定や下水汚泥の処理計画などの各部にわたって廃棄物対策の予算づけがなされています。窓口を一元化すると相互の連携がとれて行政効率も上がります。例えば、建設廃材と間伐材を組み合わせた炭化施設、下水汚泥を堆肥化と組み合わせるなど総合的に動かせば廃棄物の有効利用ができ、環境産業も生まれてまいります。環境産業の雇用は現在の64万人から2010年には140万人、市場規模は、15兆円から37兆円になります。要は、その体制を県内に早く整えやすくする環境を整備することであります。さらに、環境や循環をキーワードに置くと、森林など地方にある資源を有効活用することや地域の環境にやさしい循環の仕組みが見えてきて、地域産業の活性化にもつながります。循環型社会構築のための部門を組織し、地方に合った、そして地方の文化を生かした社会の仕組みを導入して、地方分権時代のトップを走る環境県を目指すべきだと存じます。知事の御所見をお伺いいたします。  以上で、質問を終わります。 85 ◯議長(美濃美雄君) 知事栗田君。       〔知事栗田幸雄君登壇〕 86 ◯知事(栗田幸雄君) まず、福井空港問題についてお尋ねをいただきました。全国で唯一保留扱いになっていることを考えると、地権者同意のハードルはこれまで以上に高くなると思われるが、このことをどのように受けとめているかというお尋ねでございます。  福井空港拡張整備事業につきましては、与党3党の公共事業の見直しにおきまして、空港に対する本県の実情を説明し、十分理解されたものと考えておりますが、地元調整は十分でないという状況から保留扱いになったものと受けとめております。地元の状況を整えるということが当面の最大の課題でございますので、地権者同意の取得に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  福井空港の需要予測及び将来ビジョンでは、県民の理解が得られないと考えるがどうかというお尋ねでございます。  福井空港拡張整備事業につきましては、交流人口の増加や本県産業の活性化を図るために必要不可欠な事業であることから、これまで県議会の促進陳情採択、あるいは県内経済界を初めとする各界の強い要望を受けて進めてきているものでございます。空港整備に対しまして、多くの県民の方々の理解が得られるように、従来から需要予測、空港整備の全体像、将来ビジョン等を示し、空港を活用した県の将来像を説明してきておりまして、県民の方々の理解も深まりつつあると考えております。今後とも、より一層の理解をしていただくために、さらに最大限の努力を積み重ねてまいりたいと、このように考えております。  現在進められております北陸管内の空港と福井空港との位置づけの問題でございますが、近年の航空旅客状況は、国内線、国際線とも堅調な伸びを示しております。こうした中で富山空港、小松空港は、国際線の充実に積極的に取り組んでおりますし、また能登空港は、高速交通ニーズへの対応の観点から整備が進められております。  福井空港は、第七次空港整備7ヵ年計画におきまして、国内の航空ネットワークの充実を図るため整備を進めることと位置づけられております。福井空港につきましては、国内主要都市間の定期便就航はもちろんでございますが、2,000メートルの滑走路を持つ富山空港同様、アジア、オセアニア地域への国際線の運航も可能でございます。  さらに、これら北陸の空港との連携を図ることによりまして、国内外の人的、物的交流が広がり、本県の経済・文化の発展に大きな波及効果が期待できるものと考えております。  空港を取り巻く諸情勢はさま変わりしておるので、福井空港拡張整備計画は見直すべきではないかというお尋ねでございます。  地方分権が進む中で、地域の活性化を図っていくためには、広域的な人・物・情報など、交流・連携を活発化させ、交流人口をさらに増加させる必要がある。つまり、県外から多くの人を県内に呼び寄せる必要があるわけでございます。不況の真っただ中にありまして、今後の需要に暗い見通しをお持ちの方もおられますが、本県が進めておりますこの空港の整備、これは、新幹線、高規格幹線道路など高速交通網の整備と相まって必要なことでございまして、特に空港は、これら高速交通ネットワークの結節点となる重要プロジェクトと位置づけておりまして、現空港の拡張整備に取り組んでいるところでございまして、今後とも、県議会初め県民各界各層の方々の御理解、御協力を得ながら推進してまいりたいと考えております。  次に、原子力政策についてお尋ねをいただきました。  「もんじゅ」の位置づけについての所見でございますが、新たな原子力長期計画におきまして、高速増殖炉サイクル技術につきましては、日本及び世界における将来のエネルギー問題の解決を目指し、その技術的選択肢の確保に取り組んでいくことが重要であり、高速増殖炉サイクル技術は、そのような技術的選択肢の中でも潜在的可能性が最も大きいものの一つとして位置づけられるとしております。この高速増殖炉サイクル技術の位置づけを踏まえまして、「もんじゅ」につきましては、発電プラントとしての信頼性の実証やナトリウム取り扱い技術の確立という所期の目的の達成にまず優先して取り組むことが今後の科学技術開発において特に重要であり、「もんじゅ」は、我が国における高速増殖炉サイクル技術の研究開発の場の中核として位置づけ、早期の運転再開を目指す、そういうぐあいに位置づけているわけでございます。  県といたしましては、今回の新しい原子力長期計画におきまして、将来のエネルギー問題の解決という長期的課題における高速増殖炉サイクル技術開発の意義が明確にされ、その中での「もんじゅ」の位置づけや果たすべき役割が明確にされたものと理解いたしております。  「もんじゅ」の安全審査に対する取り組みでございますが、「もんじゅ」全体の安全性を議論していくためには、まず、国の責任におきまして安全審査を行う必要があると考えておりまして、県といたしましては、県議会の議論あるいは地元敦賀市の意見等を踏まえまして、核燃料サイクル開発機構が、国に対して行います原子炉設置変更許可申請を了承するかどうかについて、県民の立場に立って判断してまいりたいと考えております。  「もんじゅ」の安全性につきましては、国の責任で行う安全審査の内容はもちろんでございますが、県の立場で「もんじゅ」全体が安全かどうかを十分議論し確認していく必要があると、このように考えております。現在の技術顧問会議とは別に「もんじゅ」全体の安全性を確認するための県独自の専門家による委員会を設置し、また公開シンポジウムを開催するなど、県民に見える形で安全を確認する方法をとることが必要であると考えておりまして、今後、その具体的な内容について十分検討してまいりたいと考えております。  今日までの15基以上の増設は必要でないと思うがどうかというお尋ねをいただきました。  新たな原子力長期計画におきまして、エネルギー供給につきましては、省エネルギー、再生可能エネルギーの利用等を最大限に推進いたしますとともに、原子力発電を引き続き基幹電源に位置づけ、最大限に活用していくことが合理的であるとしており、県といたしましては、この新たな原子力長期計画において、我が国のエネルギー政策における原子力の位置づけや重要性は、これまでと変わらないものと考えております。増設問題につきましては、昨年10月に行いましたいわゆる15基総括を踏まえながら、3、4号機そのものの安全性の確認はもちろんのこと、現在の15基体制を維持するのかどうかの議論を進めてまいらなければならないと、このように考えております。  近畿自動車道敦賀線についての知事の決意と着工の見通しをお尋ねいただきました。  近畿自動車道敦賀線の早期完成は、本県及び沿線の地域振興と産業・経済の活性化、交流促進を図るためには非常に重要であると考えております。そのため、敦賀側からの着工を道路公団に対して強く要望しておりまして、これに対して公団は理解を示しております。その実現のためには、建設費の確保や地元の協力が不可欠でございまして、今後、沿線市町村と一体となりまして、全線の早期完成が図られるように努力をしてまいりたいと考えております。  最後に、循環の仕組みについて、まず、福井県下水道整備構想の見直しについてお尋ねをいただきました。  下水処理施設の整備につきましては、県におきまして、公共下水道事業、集落排水事業、合併処理浄化層整備事業等について調整を図りまして、平成12年2月に策定いたしました福井県下水道整備構想に基づきまして、水質保全効果や経済性等を考慮し、地域の実情に最も適した施設整備を進めております。今後、情勢の変化に応じまして、市町村の意見を聞き、関係部局間で十分な検討や調整を行った上で、福井県下水道整備構想を見直していきたいと考えております。  循環型社会構築のための部門を組織し、地方に合った社会の仕組みを導入して、地方分権のトップを走る環境県を目指すべきではないかというお尋ねでございます。  県といたしましては、今日の大量生産、大量消費、大量廃棄という社会のあり方を見直し、循環を基調とする社会を構築していくことが急務であると認識いたしております。また、昨年成立いたしました循環型社会形成推進基本法におきましては、地域の特性に応じた施策を講ずることが県の責務として定められております。県におきましては、ごみ減量化・リサイクル日本一を目指しまして、生ごみ処理機の普及拡大など先進的な施策を実施いたしております。また、庁内の横断的な組織といたしまして、関係部局で構成いたします環境政策推進会議及び五つの部会におきまして、生産から流通、消費、廃棄というすべての段階における資源の有効利用やリサイクルなどのシステムづくりに向けて幅広く検討を行い、その着実な推進を図っているところでございます。  今後、廃棄物処理法の改正を受けまして、平成13年度に策定いたします廃棄物処理計画の中で、循環型社会の構築に向けた総合的かつ計画的な施策を積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 87 ◯議長(美濃美雄君) 総務部長牧野君。       〔総務部長牧野百男君登壇〕 88 ◯総務部長(牧野百男君) 原子力発電施設における減価償却資産の耐用年数についての延長についてのお尋ねでございます。  原子力発電所の償却資産に対する固定資産税の耐用年数につきましては、地方税法上、減価償却資産の耐用年数等に関する省令によるものとされております。これまでも国に対しまして、運転の実態に沿って延長するよう、重要要望等において強く働きかけを行ってきたところでございますが、いまだ実現には至っておりません。しかしながら、国におきましては、これらの要望も踏まえまして、平成4年度には、15年以上経過をいたしました原子力発電所を有する市町村に対して、新たに交付金が創設をされております。また、平成9年度には、この交付金が、原子力発電施設等立地地域長期発展対策交付金として発展的に拡充をされておりまして、さらに平成12年度においても、交付単価が増額をされております。しかしながら、運転の実態に沿って耐用年数を延長するということは、これまでの大きな懸案でございますので、今後とも、国に対して強く要望していきたいと考えております。  次に、高経年化の原子力発電所の交付金創設の見通しと、高経年化の資産の再評価、発電量に対する課税についての考えについて尋ねるということでございます。  本県には、現在30年以上の長期間運転の原子力発電所がもう既に2基あるわけでございますが、今後さらに増加することが考えられます。これらの高経年炉につきましは、従来の交付金とは別に新たな交付金が必要であるという考えを持っております。  次に、高経年化した資産の再評価につきましては、地方税法上、固定資産税の課税標準額が、建設費等の取得価格であることから困難ではないかというふうに考えております。今後とも、交付金の創設や償却資産の耐用年数の延長について、あらゆる機会をとらえて国等に強く働きかけていきたいと考えております。  また、原子力発電所の発電量に対しての税金の課税でございますが、これは既に発電量に対します国税といたしまして電源開発促進税が課税されております。高経年炉の発電量に対する県独自の法定外税をそれに上積みするということは、課税客体が重複するという大きな課題があるために、新税の創設は大変厳しいと考えております。 89 ◯議長(美濃美雄君) 県民生活部長市橋君。       〔県民生活部長市橋一義君登壇〕 90 ◯県民生活部長(市橋一義君) 原子力政策について、敦賀1号機、美浜1号機の高経年化につきまして、安全性についてどのように評価していくのかというお尋ねでございます。  平成8年4月、国は、高経年化対策に関する基本的な考え方を公表し、事業者はこれを踏まえ、平成11年2月、運転開始後30年を迎える敦賀1号機と美浜1号機について、これまでの運転経験を踏まえた機器の健全性や安全性の評価を行い、長期的な保守・点検計画を策定いたしました。我が国の現行法では、原子力発電所の運転期限は定められておりませんが、運転開始後30年を超えて運転する発電所の健全性につきましては、事業者が自主保安活動として10年ごとに定期安全レビューを実施し、評価結果を国に報告し確認を受けております。また、県におきましても、事業者から説明を受け確認をいたしております。県といたしましては、今後、県内で運転開始後30年を迎える発電所がふえることから、高経年化した原子力発電所について、経年変化に対応した設備の維持を図りますとともに、定期安全レビューについて、法律に基づく安全規制として位置づけるなど、許認可制度の明確化を図るよう、強く国に要望しているところでございます。 91 ◯議長(美濃美雄君) 福祉環境部長山元君。       〔福祉環境部長山元和也君登壇〕 92 ◯福祉環境部長(山元和也君) 循環の仕組みにつきまして、地域に合った汚水処理方法を選択できる支援策を講ずべきではないかというお尋ねでございます。  合併処理浄化槽を初め、地域に合った汚水処理方法の選択につきましては、平成12年10月11日付の厚生省、農林水産省及び建設省、3省連名の「汚水処理施設の効率的な整備の推進について」を踏まえまして、市町村を指導しているところでございます。  また、市町村において、地形や人口密度等、地域の実情に合った処理計画に従い整備を進めているところでございまして、合併処理浄化槽の設置に当たりましては、設置費用の社会的弁益に相当する分ということで、4割を補助しているところでございます。 93 ◯議長(美濃美雄君) 農林水産部長佐本君。       〔農林水産部長佐本和男君登壇〕 94 ◯農林水産部長(佐本和男君) 海の再生の微生物の活用についてのお尋ねでございます。  最近の環境調査の結果から、本県沿岸海域での水質等の環境は良好な状態に保たれておりまして、生態系の変化や海藻類が枯死するいそ焼け現象などは報告をされておりません。このようなことから、現在、本県内の海域につきましては、再生のための特別な対策が必要とは考えておりませんが、御指摘のとおり、他県におきましては、海に流れ込む生活排水の処理対策に微生物を活用している事例も見られますことから、これらの情報を幅広く収集して、今後の対応について検討してまいりたいと考えております。 95 ◯議長(美濃美雄君) 土木部長古川君。       〔土木部長古川巖水君登壇〕 96 ◯土木部長(古川巖水君) 有用微生物群による汚水処理を窒素規制の有効な対策として検討すべきであると考えるがというお尋ねでございます。  近年、有用微生物群を利用したさまざまな研究が進んでおりまして、既に生ごみや汚泥の減量化等の成果が報告されているところでございます。しかし、現時点では、汚水処理の窒素対策における実施例はまだ少ないと考えられます。今後、有効性が確立されれば、利用に関し積極的に指導してまいりたいと考えております。 97 ◯議長(美濃美雄君) 田中君。 98 ◯12番(田中敏幸君) 空港の問題ですが、それはいいんですけども、この間COP6っていうのがありまして、いわゆる環境問題なんですが、環境省が今COP6の条件の中で、国際船舶と国際空港、国際航路の燃料に関して、日本がどうしてもやらなきゃ──まあ、森林のあれで、どうしても排出で対立しているもんですから、基本的にはそういう燃料の問題をやらなきゃならんという、環境省が一番初め出して、先に走るんだという話がありましたけれども、基本的に、まあ見ているとですね、要するに、これからの空港というか運輸というのは、やっぱり秩序ある中でやらなきゃならんということにね、将来なるんではないかという気がするんですね。 99 ◯議長(美濃美雄君) 簡潔に願います。 100 ◯12番(田中敏幸君) はい。──だから今、そういう意味では、もう少し広い意味でいろんなことをね、考え想定しておかんと、なかなか難しい問題がこれから出てくるんでないかなということもあるんじゃないかということだけ申し上げたいと思います。
                 ─────────────────── 101 ◯議長(美濃美雄君) 以上をもって、本日の議事日程は、全部終了いたしました。  明7日は、午前10時より開議することとし、議事日程は当日お知らせいたしますから、御了承願います。              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 102 ◯議長(美濃美雄君) 本日は、これをもって散会いたします。                               午後8時6分 散 会 発言が指定されていません。 Copyright © Fukui Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...